医療法人浅田レディースクリニックは8月30日、「不妊治療に関する実態調査」の結果を発表した。調査は8月4日〜8日、20代〜40代の男女600人を対象に行われたもの。
まず、現在不妊治療をしている人のうち、約3割が保険適用範囲拡大後となる4月以降に不妊治療を開始している事が分かった。そのうち92.8%は、保険適用範囲拡大が治療を始めるきっかけになったとしている。男女別で見ると、女性が88.6%であるのに対し、男性は97.1%。
保険適用の条件の認知度について調べたところ、「回数制限」は28.3%、「年齢制限」は19.3%が「知らなかった」と回答している。
保険適用範囲の拡大を受けて治療を開始した理由について尋ねると、「金銭的負担が減ると思ったから」が78.3%で最も多く、次いで「公的治療として認められたことで、治療を受けることへのハードルが下がったから」(62.0%)、「ニュースになったことでパートナーと話し合うきっかけになったから」(28.7%)が続いた。
現在不妊治療を保険適用範囲内で行っているかについては、50.0%が「保険範囲内で治療している」、32.8%が「自費で治療していたが、保険範囲に切り替えた」、12.3%が「自費で治療している」、4.8%が「保険範囲で治療していたが自費に切り替えた」と回答している。8割以上が「保険適用範囲内」で不妊治療を行っていることが判明。
不妊治療の保険適用範囲拡大に満足しているかについては、40.2%が「やや満足」、29.6%が「満足」、17.5%が「どちらとも言えない」、8.0%が「やや不満」、4.6%が「不満」と答えている。男女別では、「満足している」「やや満足している」回答の回答は男性では約8割なのに対し、女性では約6割にとどまっている。
保険適用範囲拡大に満足している理由としては、56.8%が「費用面での負担が減った点」、47.3%が「治療が継続しやすきなった点」、45.2%が「保険適用の治療として認められたことで通いやすくなった点」と回答している。
一方で、保険適用に不満を持っている理由としては、「金銭的負担が思ったよりも安くならなかった点」が65.1%、「高度な治療については保険の適用範囲外になってしまう点」が63.5%、「年齢の制限がある点」が52.4%となっている。
今後不妊治療の保険適用について望む事に関しては、「治療負担額の軽減」が56.7%で最多となり、以下「保険適用でできる治療の拡充」(51.7%)、「適用回数制限の撤回」(48.3%)が続いた。