バルミューダは9月1日、トースター「BALMUDA The Toaster」の新モデルとなる「BALMUDA The Toaster Pro」を発表しました。バルミューダのトースターといえば、蒸気を利用したスチームテクノロジーと、きめ細かな温度制御を利用した美味しいトーストで人気。
新モデルでは、新たに「サラマンダーモード」を導入することによって、自分好みの味を追求できるようになりました。新モードの搭載でパンはどれくらい美味しくなるのか? プレス向け発表会にて、新モードで調理したパンやピザ、焼き牡蠣を試食してきました。
バルミューダのトースターで焼いたトーストはなぜ美味しい?
バルミューダの「BALMUDA The Toaster」は、高級トースターのパイオニア的な存在。今でこそ2万円以上のトースターが数多く存在しますが、BALMUDA The Toasterが登場する前は、トースターといえば5,000円以下で買えるシンプルで安い家電でした。
BALMUDA The Toasterの美味しさの理由は、スチームテクノロジーと温度制御。パンを焼く前に少量の水を投入することで、庫内に水蒸気を発生。水蒸気がパン表面にすばやく熱を伝え、「外はカリカリ、中はモチモチ」のトーストに仕上がります。また、庫内の温度をセンシングしながら1秒単位で上下のヒーターを制御し、パンにあわせた加熱ができるのも特徴です。
BALMUDA The Toasterは、トースト・チーズトースト・フランスパン・クロワッサンといったように、4種類のパンモードを搭載。さらに、水を使わずに一定の温度(170℃・200℃・230℃)で焼き上げるクラシックモードがあります。新モデルは、これらのモードに「サラマンダーモード」が加わりました。
サラマンダーとは、レストランなどで利用される高火力の上火ヒーターのこと。食材上部をパリッと焼き上げたり、焼き目を付けたりすることに利用される業務用の調理器具です。BALMUDA The Toaster Proのサラマンダーモードは、上ヒーターのみを最大火力で使用する調理モードになります。
サラマンダーモードで焼いたトーストを試食、味の違いは?
バルミューダによると、このサラマンダーモードでとくに違いがわかる料理が「バタートースト」。会場では、通常のトーストモードで焼いたバタートーストと、サラマンダーモードを併用して焼いたバタートーストを食べ比べました。
通常のバタートーストは、食パンをトーストモードで3分半加熱。その後、パンにバターを乗せて庫内に戻し、20秒ほど余熱でバターを溶かします。
BALMUDA The Toaster Proのサラマンダーモードを併用する場合、トーストモードの加熱を30秒ほど短く設定します。そして、トーストモードで加熱が終わったら、サラマンダーモードで30秒間ほど追加で熱します。自分の好みの焼き色になったら調理をストップします。
サラマンダーモードを併用したバタートーストは、鼻から抜けるような魅力的な香ばしさが味わえます。さらに、食感も通常モードのトーストよりもちょっとだけカリッとクリスピーです。特筆したいのは、パンの焼き色は濃くなってクリスピーさは増しているものの、クラスト層(クリスピーで固い部分)は薄いままであること。しっかり焼き色が付いているのに、トーストのクラム(もちもちで柔らかい部分)は乾燥せず、しっとりモチモチです。
サラマンダーモードで調理のバリエーションが大幅アップ
サラマンダーモードでは、最大火力で食材の表面を加熱します。このため、パン以外でも「素材の水分は残したいけれど、焼き色はしっかり付けたい」という調理にぴったりです。発表会では、薄い生地が特徴のニューヨークピザも登場。薄い生地にもかかわらず、チーズに焼き目を付けながら、中心部はモチモチとしっかり水分が残っていました。
サラマンダーモードは「表面はカリッと焼きつつ、食材中心の水分は残す」特性があるため、火を通しすぎると固くなる魚介類の加熱にも最適です。発表会では殻付きのオイスターと有頭海老のグリルがふるまわれました。いずれも食材にガーリックバターとパン粉をまぶし、クラシックモードの200℃で4分加熱。その後サラマンダーモードで1分、追加の加熱をしています。
バルミューダ初の「プロ」というネーミングに込められた思い
これまでのBALMUDA The Toasterは、食パンをセットしてトーストモードにすれば、トースターが庫内温度をチェックして最適な焼き加減を実現してくれました。このため、失敗なくいつでも美味しいトーストが楽しめますが、ある意味「一般的に美味しいといわれる美味しさ」が限界ともいえます。一方、新しいBALMUDA The Toaster Proのサラマンダーモードを使うと、自分が好きな味のトーストを追求できます。
バルミューダの代表取締役でBALMUDA The Toaster開発者でもある寺尾玄氏は、従来のBALMUDA The Toasterは、誰が使っても平均を大きく超える90点のトーストが作れる製品だといいます。しかし、個人によって好みがあるため100点の仕上がりにはできませんでした。
新しいBALMUDA The Toaster Proは、サラマンダーモードで仕上がりを手動で調整できるので、試行錯誤を繰り返して「完全に自分好みの味」を作り出せます。
サラマンダーモードは高火力なので、油断するとパンが焦げすぎるといった失敗もあり得ますが、寺尾氏は新製品を「ユーザーが試行錯誤を繰り返しながら、最終的に自分の好みの味を作り出す『作る楽しみ』がある製品」とコメントします。実際、発表会では寺尾氏がサラマンダーモードでトーストを焼きすぎて、微妙に失敗したシーンもありました。
BALMUDA The Toaster Proの「プロ」とは、プロ仕様の調理機器という意味ではなく、プロのように味を追求できるトースターという意味なのです。
ちなみに、サラマンダーモードを搭載しない現行モデルのBALMUDA The Toasterも継続して販売します。失敗なく美味しいトーストを焼ける現行モデルか、試行錯誤もできる新モデルか、自分のスタイルにあわせて選んでみてください。