ステランティスジャパンはシトロエン「C5 X」を発売する。いわゆる「Dセグメント」に属する大型のシトロエンが日本に登場するのは久しぶりのこと。パワートレインはガソリンターボとプラグインハイブリッド(PHEV)の2種類、価格は484万円~636万円だ。
シトロエンがフルラインアップに
C5 Xはシトロエンのフラッグシップモデル。ボディサイズは全長4,805mm、全幅1,865mm、全高1,490mmと低くて長く、デザインはセダン、ステーションワゴン、SUVを融合させた独特のシルエットが目を引く。全長は同セグメントの輸入車では最長クラスとのこと。ホイールベースも2,785mmとゆとりがあり、車内は広々としている。
パワートレインは1.6Lの4気筒ガソリンターボエンジンと、このエンジンにバッテリーとモーターを組み合わせたPHEVから選べる。動力性能はガソリン車が最高出力180ps、最大トルク250Nm、PHEVが最高出力225ps、最大トルク360Nm。PHEVはフル充電で65kmを電気だけで走行可能だ。満充電時間の目安は普通充電器(200V/3kW)で約5時間、ウォールボックスタイプの普通充電器(200V/6kW)で約2時間半。
シトロエン独自の「ハイドロニューマチックサスペンション」の流れをくむ最新のシステム「プログレッシブ・ハイドローリック・クッション」(PHC)は全車標準装備。PHEVにはPHCをさらに進化させた「アドバンストコンフォート アクティブサスペンション」を初採用した。
価格はガソリンターボエンジンの「SHINE」(受注生産)が484万円、「SHINE PACK」が530万円、PHEVが636万円。SHINE PACKとPHEVには106万円の価格差があるが、補助金や減税を活用すれば実質40万円程度になるという。
ステランティスジャパン マーケティング・ダイレクターのトマ・ビルコさんによると、日本においてシトロエンは「フランスのアイデンティティ、個性的なデザイン、Bセグメントのハッチバック」などで知られてきたが、同社は決してコンパクトで快適なクルマばかりを作ってきたわけではなく、歴史を振り返ると「ゴージャスで大型の」クルマを作り続けてきたブランドだったという。今回のC5 X導入により、日本でBセグメントからDセグメントまでのフルラインアップ展開を実現するというシトロエンの目標は達成できたとのこと。この戦略は今後もキープしていく方針だ。
シトロエンはここ5年で販売台数を3倍近くまで伸ばすなど、日本で成長の著しい輸入車ブランドだ(2016年:2,009台、2021年:5,894台)。C5 Xの初公開は2021年4月だが、ティザーサイトには日本から「記録的な」数のアクセスがあったそう。大きなシトロエンへの関心は高いようだ。