俳優の仲野太賀が、10月にスタートするテレビ朝日系ドラマ『ジャパニーズスタイル』(毎週土曜23:30~)で“シットコム”に挑戦する。
テレビ朝日初となる“シットコム”とはシチュエーションコメディの略で、限られた場面設定、登場人物で繰り広げられる連続ドラマのこと。舞台となるのはさびれた温泉旅館「虹の屋」の玄関とロビー、従業員室・大浴場の入口とエレベーターのみ。その限られた空間で、30分間ノンストップの群像劇を繰り広げる。撮影自体もほぼ本番一発の長回しで、テレビ朝日のドラマ初主演の仲野が新境地を開拓する。第45回日本アカデミー賞(優秀助演男優賞)、第76回毎日映画コンクール(男優助演賞)、第64回ブルーリボン賞(助演男優賞)、2022年エランドール賞(新人賞)など数ある受賞歴を誇り、映画『今日から俺は!! 劇場版』(20年)、『すばらしき世界』(20年)ほか、コメディからシリアスまでこなす仲野の熱演に注目だ。
脚本は『俺の話は長い』(19年/日本テレビ)、『コントが始まる』(21年/日本テレビ)で知られるヒットメーカー・金子茂樹氏がテレビ朝日での初オリジナル脚本を手掛ける。監督は『にじいろカルテ』(21年/テレビ朝日)や『和田家の男たち』(21年/テレビ朝日)を手掛けた深川栄洋氏が担当する。
物語は、温泉旅館「虹の屋」の三代目である父親に反発し家を飛び出したものの、うだつの上がらない毎日を送っていた柿丘哲郎(仲野)が10年ぶりの帰宅を果たすところから物語は始まる。そんな彼を待ち構えていたのは、ひとクセもふたクセもある猛者たち。彼らに翻弄されながらも、哲郎もまた持ち前のクズっぷりを見せて、ドタバタ劇はより加速していく。仲野に加え、映画やドラマに引っ張りだこの個性豊かな演技巧者たちの出演も決定しているという。
コメントは以下の通り。
■仲野太賀(柿丘哲郎 役)
珍しいコンセプトで、チャレンジングなドラマになると思うので、初めてお話をいただいた時はとてもワクワクしました。おそらく僕だけではなく、キャスト、スタッフのみなさんも初めての経験が多くなると思うので、みんなで力を合わせて頑張りたいです。
「シットコム」は、これまでにもアメリカの作品などを観て楽しんできましたが、今回は外国の作品の言い回しや雰囲気を真似るのではなく、自分たちが作り出せるもので勝負し、土曜日の夜に気楽に観れるドラマになるといいなと思っています。本作は、舞台とも違いますし、通常のドラマ撮影とも違うものになると思います。今まで経験したことがないことにチャレンジするということに、とても興味が湧いています。
舞台だと稽古期間があり時間をかけてセリフを入れていくのですが、今回はそういう時間もなく、毎話、ほぼ本番一発勝負なので、まずは、セリフを覚えられるか不安です(笑)。ちゃんとセリフを自分の中に入れて、自由に思うがままにぶつかっていきたいです。
以前、金子茂樹さん脚本のドラマ(『コントが始まる』)に出演させていただいたこともあり、きっと今回も素敵なお話を書いてくださるのだろうなと楽しみです。実際に、台本を読ませていただきましたが、とても面白くて、これを余すところなく、自分の身体を通して表現できたらいいなと思っています。
ノンストップ撮影という緊張感と臨場感……怖いもの観たさと言いますか、そういう気持ちで観てもらえたらいいなと思いますが……普段のドラマを観る感覚とはまた違う感じで、「コイツ、こんなところで失敗してる!」とか、そういう部分もニヤニヤしながら楽しんでもらえたら嬉しいですね。
■金子茂樹(脚本)
今回、“シットコムドラマ”に初挑戦させていただきます。脚本に関して、「温泉旅館のロビー」という限定された空間の中で話を展開させないといけないので、会話の緩急や人の出入りなど飽きさせない為のアクセントやリズムには通常のドラマ以上に気を遣っているかもしれません。他にも大変なことをあげたらキリがないのですが、これを演じる役者さんの大変さに比べたら屁でもありませんので、一日でも一時間でも早く台本をお渡しできるよう必死に書いております。
主演の仲野太賀さんに対しては、愛くるしい室内犬と凶暴な野良犬の両面があって、どっちの針も振り切れているようなイメージを持っています。それでいてシリアスな中に笑いが含んでいたり、コメディの中に悲哀が混ざっているような表現も抜群に上手いので、以前、ドラマでご一緒した時も「台本を超えられたなぁ」と思うことが度々ありました。今回も楽しみでしかありません。
脚本家になった頃から「いつかこういうことができたらなぁ」と思っていたことをやらせて貰える機会に恵まれ、しかも(まだ言えませんが)素晴らしい役者さんたちにもお集まりいただき、喜びと焦りを交互に噛みしめながら日々台本と向き合っております。日本のどこかにいる中学2年生とか高校1年生ぐらいの子がたまたま見て「テレビっておもしれぇな」って思ってくれたら最高ですね。
■竹園元(テレビ朝日プロデューサー)
待望の金子茂樹さん脚本・オリジナル新作! 主演は、圧倒的な演技力で飛ぶ鳥を落とす勢いの当代きっての若手実力派俳優・仲野太賀さん! ドラマファンにとって絶対見逃せないドラマがいよいよ誕生します。しかも、監督は「生ドラマに挑戦したかった」という深川栄洋監督。ライブ感満載のシットコム(シチュエーションコメディ)に挑戦するのは、もはや運命だったのかもしれません。
曲者だらけの愛すべきキャラクターが巻き起こすドラマ『ジャパニーズスタイル』は、今だからこそ「テレビの面白さ」を追求し、さらに「テレビの枠」を飛び出してしまおうというチャレンジ企画です。「懐かしくも新しい」「何が飛び出てくるかわからない」……全世代の方々に楽しんでいただける「ドラマ」に、是非ご期待ください!