APCSを構成する3つの要素
APCSは“独特”な展示エリア、カンファレンス、そしてネットワーキングの3つの要素で構成されるという。
独特というのは、これまでのSEMICON Japanは通常、出展企業ごとに割り当てられたスペースに自社でブースを設置し、それぞれの独自色を出す工夫を行っていたが、APCSでは、SEMIジャパン側でエリア全体の装飾を施し、レッドカーペットなどで統一感を出したうえで、各社に出展してもらう、という形式を予定しているという。
また、カンファレンスとしては、キーノート講演などが行われるSuperTHEATERにて開催2日目となる12月15日午後に、アドバンスドパッケージで現在、世界をリードしているAMD、ASE、IBM、Intel、TSMCなどといったデバイス関連のスーパースター企業を世界から呼んでくるというコンセプトで、アドバンスドパッケージ・チップレットサミットといった形式のものが行われる予定だという。このほか、会議棟で行われるTechSTAGEでは、主に日本でデバイス関連に携わる企業などが語る次世代デバイスの開発動向であったり、NEDO監修のもと、半導体・国家プロジェクトの最前線の話題などが提供される予定だとしている。
そしてネットワーキングとしては、やはり開催2日目となるが、16時からハッピーアワーとして出展者が自社ブースで来場者をドリンクや軽食でもてなすイベントが開かれるほか、17時からはSuperTHEATERにて講演を行った登壇者や、出展者、APCS委員などと情報交換が行える「APCSネットワーキングパーティ(仮)」が開催される予定となっている。さらに、18時からは会議棟にて、「APCSエグゼクティブディナー(仮)」として、登壇者やVIP、スポンサーなど限られたゲストのためのイベントも開催される予定としている。
なお、折井氏は、APCSを開催したいと思った背景について、「三次元集積化技術の重要な技術を確立したのは東北大の小柳光正教授だが、日本にはOSATがいない。そうした状況の中で材料や装置メーカーが頑張ってきた。今もそうした三次元集積化技術に携わっている技術者が多く日本にいる。彼らがまだ日本にいる間に、もう1度、復活への道を開きたいと思った」と、元々日本にはそうした人材が多くいること、ならびに「後工程の学会としてエレクトロニクス実装学会があり、前工程の学会として応用物理学会がある。三次元実装は前工程も関わってくる部分もあり、2つの学会が共同で3Dチップレットの研究会を開催してみたが、400名を超す参加者があった。興味はみんな持っている。そうした意味でも日本のパッケージ技術が世界に対してそこまで遅れているとは思っておらず、必ず書き返せると思っている」と、技術力も健在であることを強調。そうした学会レベルの取り組みも含め、材料や装置などと技術を結び付けていく役割をAPCSが担っていきたいとしている。
SEMICON Japan 2022およびAPCSは2022年12月14日~16日にかけて東京ビッグサイトにて開催される予定となっている。