JR九州は、2021年度の駅別乗車人員や路線別旅客運賃収入などの交通データを同社公式サイトに公開した。
駅別乗車人員は、コロナ禍の影響で前年度に大きく順位を下げた特急列車および定期外の利用比率が高い駅、大学生の利用比率が高い駅が順位を戻した。順位アップ幅の大きい上位3駅として、1位は久大本線由布院駅、2位は宮崎空港線宮崎空港駅、3位は鹿児島本線西里駅の順だった。
線区別・区間別の平均通過人員では、2020年度との比較が可能な在来線51区間のうち、45区間で回復の傾向が見られた。
2021年度に平均通過人員が1日あたり2,000人未満となった線区は、新たに該当する線区となった久大本線由布院~大分間、豊肥本線肥後大津~宮地間の2線区も含め、13路線18線区だった。このうち1日あたり1,000人未満の区間は10路線13線区。一方、久大本線久留米~日田間は利用が回復し、1日あたり2,000人以上となった。
平均通過人員1日あたり2,000人未満の18区間の営業収益を合算すると21億円となり、コロナ禍や令和2年7月豪雨などの影響を大きく受けた2020年度と比較して2億円程度改善したという。同じく18区間の営業費用を合算すると72億円となり、鉄道部門における事業構造改革の効果により13億円程度改善した。同区間の営業損益を合算するとマイナス51億円となり、15億円程度改善している。
JR九州はこれらのデータを踏まえた総括として、「コロナ禍や災害だけでなく、今後さらに人口減少や少子高齢化、マイカーへの転移などの影響を受けることを想定しておく必要があり、交通ネットワークを持続可能なものとするための取組みを進めていかなければ」とコメントしている。