• 教訓にしたい有名なことわざ

    有名なことわざにもさまざまなものがあります

今回は有名なことわざを、教訓にしたい言葉・気持ちを楽にしてくれる言葉・英語のことわざに分けてご紹介します。

自分のお気に入りのことわざを心に留めておけば、ここぞというときに背中を押してくれるはず。ぜひお気に入りのかっこいいことわざを見つけて、座右の銘にしてみてくださいね。

有名なことわざ【教訓にしたい言葉】

  • 教訓にしたい有名なことわざ

    教訓になることわざは多いものです

ここでは有名かつ教訓にしたいことわざをご紹介します。

頭隠して尻隠さず

言葉から示されている意味がわかりやすいこともあり、有名で広く知られていることわざの一つです。文字通り、頭など一部を隠していても別の部分が隠せていないことから、現実から目をそらしており愚かである、という意味のことわざです。

自分の欠点の一部しか隠せていないのに、全てを隠しているつもりになっている様子を表します。

■例文

  • 嘘の報告をしてもデータを見れば明らかなので、頭隠して尻隠さずだ
  • うまく取り繕ったつもりかもしれないが矛盾点がたくさんあり、頭隠して尻隠さずだ

案ずるより産むが易(やす)し

前向きな意味合いを持つ有名なことわざの一つとして「案ずるより産むが易し」も挙げられます。妊婦さんが、出産するまで不安になっていたものの、いざ出産するとそれほどのことでもなかったということが由来です。

ものごとを深く考えすぎていても、いざ実行してみると案外簡単であるという意味で使われます。あれこれと考え、思い悩んでなかなか実行に移せない、一歩を踏み出せない人に送りたいことわざです。

■例文

  • 案ずるより産むが易しというように、まずは行動を起こしてみてはいかがだろう
  • 失敗を恐れてばかりでは何も始まらないよ、案ずるより産むが易しだ

急がば回れ

早く目的地にたどり着きたいと考えるのであれば、近道をして危険を冒すのではなく、たとえ遠回りでも安全で確実な方法をとるべきであるという意味のことわざが「急がば回れ」です。

語源は室町時代の「武士のやばせの舟は早くとも急がばまわれ瀬田の長橋」という和歌であるとされています。この歌には琵琶湖を越えて京を目指す場合、一見すると舟で直接渡る方が早く思えるものの、風や気候などの影響で危険を伴い、逆に遅くなってしまうことから周囲を回って瀬田にある橋を使う方が確実であるという意味があります。

■例文

  • 急がば回れというように、面倒でも基本をしっかり学ぶことが大切だ
  • 急がば回れというし、目的を果たすためには確実な方法を選ぼう

命あっての物種

物種とは、あらゆる物のもととなるものであり、物事の根源を意味します。このことわざには生きていなければどんな物事も意味がなくなる、死んでしまえばすべてがムダになるという意味合いで使われる言葉です。何よりも命が大切であるという教訓として使われます。

■例文

  • 仕事で成功しても身体を壊しては意味がないよ、命あっての物種だ
  • 命あっての物種というんだから、命をかけてやるべきことではないよ
  • 命あっての物種というように、何よりも命を大切にしなければならない

馬の耳に念仏

馬にどれほどありがたい念仏を聞かせたとしても理解できず、意味がないという意味のことわざです。相手によってはどのような言葉を伝えても伝わらず、ムダになってしまう、いくら意見を伝えたとしても効き目がないことのたとえとしても使われます。

同じような意味合いで使われる言葉としては「馬の耳に風」や「馬耳東風」などが挙げられます。他の動物が登場することわざとしては「犬に論語」などが広く使われています。

■例文

  • 彼はまるで私の話を聞いてくれず、馬の耳に念仏の状態だ
  • 私は必死に彼女を説得しようとしたが馬の耳に念仏で終わってしまった

親の心子知らず

親がどれだけ子どものことを想っていても、その気持ちはなかなか通じず、子どもは勝手なものであるという意味のことわざです。子どもに気持ちを伝えるのは難しいという面と、子どもの勝手気ままさを表した言葉でもあります。親子関係に関することわざの中では有名な言葉の一つです。

■例文

  • 親の心子知らずとはよくいったもので、子どものためを想っているのになかなか通じない
  • 親の心子知らずというが、自分が実際に親になって痛感している

可愛い子には旅をさせよ

親にとって子どもは可愛い存在で、つい甘やかしてしまいがちです。しかし、子どもの将来のことを考えるのであれば甘やかすばかりではなく、世の中の辛さなどを経験させ、学ばせるべきであるという意味のことわざです。

旅というと楽しいイメージがあるかもしれませんが、現在のように交通機関や移動手段などが充実していない時代の旅はとても辛いものでした。そのためこのことわざでは辛いことや試練といった意味合いで使われています。

■例文

  • 可愛い子には旅をさせよというように、箱入り娘にするのはいいことではない
  • 父の可愛い子には旅をさせよという考えから、私は高校を卒業するとすぐに一人暮らしをさせられた

聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥

知らないことを人に聞くのは、その場では恥ずかしいことであるように思えるものの、知らないまま過ごすことになれば生涯の恥になるという意味のことわざです。教訓としてさまざまなシーンで使われる有名なことわざの一つです。

■例文

  • 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥というように、教えを請うことは長い人生において財産になる
  • 新人はわからなくて当然なので、聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥と考え何でも質問するべきだ

後悔先に立たず

すでにやってしまったことや、過ぎてしまったことはどんなに悔やんでも取り返しがつかないという意味のことわざです。ネガティブな意味の言葉ですが、後になって悔やまないように、何かをする前には事前にしっかりと考えることが重要であるという教訓となっています。

似た意味のことわざとしては「覆水盆に返らず」も有名です。

■例文

  • 後悔先に立たずというし、後悔しないようしっかり準備しよう
  • 後悔先に立たずというように、やってしまったことは取り返しがつかないから、今後に生かせばいいんだよ

善は急げ

いいことはためらわずにすぐに行うべきであるという言葉です。いいと思った際には迷ったりためらったりするべきではないというニュアンスで使われます。対義語としては「悪は延べよ」という言葉があります。

■例文

  • 善は急げというように、いいアイデアが浮かんだのであればすぐに実行するべきだ
  • 善は急げという言葉もあるので、今すぐ行動しよう

有名なことわざ【気持ちを楽にしてくれる言葉】

  • 気持ちを楽にしてくれる有名なことわざ

    気持ちを楽にしてくれることわざも知りましょう

ことわざは教訓として人を戒めてくれるものもあれば、気持ちが落ち込んでいるときに楽にしてくれるものもあります。ここではそういったことわざをピックアップして意味や使い方などをくわしくご紹介します。

あとは野となれ山となれ

自分と関係がなくなってしまったり、自分が死んでしまったりした後であれば、どうなってもかまわないといった意味のことわざです。人生には限りがあるため、遠い将来のことを考えて、くよくよしても仕方ないといった意味合いで使われることもあります。

■例文

  • くよくよ悩んでいても仕方ないし、あとは野となれ山となれといった気持ちを持つことも大切だ
  • 自分だけで何もかもを抱えるのではなく、あとは野となれ山となれという精神を持ってみよう

海老で鯛を釣る

わずかな元手であっても大きな利益を得ることができることがあるというたとえです。思わぬ形で幸運を得るというより、わずかな元手、労力で効率的に利益を得られるというニュアンスで使われます。

■例文

  • ちょっとした工夫で大きな利益が得られたので、海老で鯛を釣るとはまさにこのことだ
  • 仕事を手伝っただけなのに、お礼として高級ホテルの宿泊チケットをいただき、海老で鯛を釣る結果になった

芸は身を助ける

一芸に優れていれば、困ったときの助けになるという意味のことわざです。現時点では役に立たない一芸であっても、いざというときに生活を支える手段となるというニュアンスでも使われます。

■例文

  • 長く英語を勉強していたおかげで再就職ができたので、まさに芸は身を助けるだ
  • 芸は身を助けるというように、趣味だった工芸が仕事に結びついた

好きこそ物の上手なれ

好きなことは楽しみながら集中できるため、自然と上達する、あるいは上達が早いという意味のことわざです。

■例文

  • 好きこそ物の上手なれという言葉もあるように、楽しみながら修練を積むと上達が早い
  • 君は好きなことを仕事にした結果一人前になれたのだから、まさに好きこそ物の上手なれだ

棚から牡丹餅(ぼたもち)

思いがけない形で幸運を得ることがあることのたとえです。苦労することなく価値のあるもの、いいものを得られるといったニュアンスで使われます。

■例文

  • 予想もしてなかった幸運で大きな利益を得られたので、棚から牡丹餅だった
  • 買ったことすら忘れていた宝くじが当選しており、これが棚から牡丹餅というものなのか

有名なことわざ【英語のことわざ】

  • 英語の有名なことわざ

    英語圏にもことわざは存在します

日本にもさまざまなことわざがありますが、同様に海外にもことわざは存在しています。ここでは英語の有名なことわざをピックアップしてご紹介します。

Better to be the head of a dog than the tail of a lion.

直訳すると「ライオンの尻尾になるよりも犬の頭になる方がいい」となり、大きな組織や集団などの下で従うのではなく、小さな集団でもいいのでリーダーになった方がいいといった意味で使われます。

日本のことわざには「鶏口となるも牛後となるなかれ」があり、ほぼ同じ意味で使われます。

Two heads are better than one.

直訳すると「2人の頭脳は1人の頭脳よりも優れている、勝る」となります。1人で悩み続けるよりも誰かに相談すべきであるという意味合いで使われることわざです。

日本の「三人寄れば文殊の知恵」ということわざとほぼ同じ意味で使われます。

No pain, no gain.

直訳は「痛みがなければ得られるものはない」です。努力や苦労をしなければ成果を得ることはできないという教訓的なことわざです。

近い意味の日本のことわざには「虎穴に入らずんば虎子を得ず」があります。

Make hay while the sun shines.

直訳すると「太陽が昇っている、天気がいい内に干し草を作れ」という意味になります。チャンスは限られているので逃さないようにすべきといった意味で使われます。

近い意味で使われる日本のことわざとしては「思い立ったが吉日」が挙げられます。

Many drops make a shower.

直訳すると「たくさんの水滴が集まるとシャワーになる」です。少しずつであっても努力を重ねることで大きな成果が得られる、大きなことを成し遂げることができるといった意味合いで使われることわざです。

日本のことわざでは「塵も積もれば山となる」がほぼ同じ意味で使われます。

有名なことわざを知って心の支えにしてみよう

  • 有名なことわざを知って使いこなそう

    ことわざを知り、使いこなしましょう

今回は有名なことわざをご紹介しました。

ことわざは苦しいときに背中を押してくれる存在になります。また、日常会話やビジネスシーンでも使える言葉であり、有名なことわざを使いこなすことで表現の幅を広げられますよ。

教訓となる有名なことわざを知って、ぜひ覚えておいてくださいね。