就職活動の面接などで「学生時代に力を入れたことは?」などと聞かれた経験がある人も多いのではないでしょうか? また、新幹線やテーマパーク、カラオケなどにある学生割引で、「自分は学生割引を使えるのか」について疑問に思ったことがある人もいるかもしれません。
この記事では、「学生」と「生徒」「児童」の意味の違いや、英語での呼び方などをご紹介します。
「学生」「生徒」「児童」の意味の違いは?
「学生」「生徒」「児童」といった区分は、基本的に学校教育法などの法律に基づいて決められています。以下でわかりやすくご紹介します。
学校教育法によって呼び方が決められている
「学校教育法」という法律をご存じでしょうか? 「学校教育法」とは、学校に関する基本的なルールなどを定めた法律です。
全部で13章あり、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、高等専門学校などに関する学校設置のルール、経費や教員、管理といった事柄について定められています。
この学校教育法の表記に沿って「学生」「生徒」「児童」が区分されています。しかし「児童」のみ、児童福祉法や道路交通法などの法律によって、「児童」と呼ばれる年齢区分が異なります。
具体的にそれぞれご紹介しましょう。
「学生」は大学生や高等専門学校生
まず「学生」は、大学や高等専門学校などで学んでいる人のことを指します。これは、先にご紹介した「学校教育法」の表記に基づいて決められています。
「生徒」と大きく異なるポイントとして、学ぶことへの姿勢が挙げられます。大学や高等専門学校は高等教育に分類され、中学や高校のように先生から教えられることがメインの教育ではなく、研究、論文の作成や、深く専門性を持って自ら学ぶことが求められます。
そのため「学生」は、「生徒」と異なり、主体的に学問などを学んでいる人ととらえられることが多いのです。
「生徒」は中学生や高校生
「生徒」について学校教育法では、中学生・高校生が対象とされています。中学校や高校、つまり高等学校は、決まった内容を学校で教えてもらう「中等教育」に該当します。
なお中学生から高校生は、留年などをしなければ、12、3歳から18歳までの人が対象です。そのため、中学卒業後に入学できる高等専門学校に通う人は、「生徒」と呼ぶと考えがちですが、高等専門学校は前述のように高等教育に分類され、「学生」と呼びます。
「児童」の定義は法律によって異なる
学校教育法では、小学生を「児童」と呼びます。小学校は初等教育に該当します。
しかし他の法律では、小学生以外も「児童」と定義づけられています。例えば「児童福祉法」と呼ばれる、児童の健康や生活を守るための法律では、満18歳未満を「児童」と呼び、児童福祉法の対象範囲として扱います。道路交通法では6歳以上13歳未満を「児童」と区分して扱います。
また一般的な認識では、「心身が十分発達していない者」という意味があり、どの基準を採用するかによって定義にバラつきがあります。
「学生」「生徒」「児童」の英語表現
「学生」は高等教育に該当する大学生や高等専門学校生を指し、「生徒」は中高生、「児童」は小学生のことなどを指すとご紹介しました。
さらにここでは海外の人に対して英語で説明する際は、どのように区別するかをご紹介します。
基本的には「student」
中学校に通っている「生徒」や大学に通っている「学生」などをひっくるめて、基本的には「student」を使えば通じます。
例えば、「私は小学生です」という場合、「I'm an elementary school student.」と表現することで、「elementary school(小学校)」と「student(学生)」で、小学生という意味で使うことができます。
他にも、中学生であれば「I'm a junior high school student」または「I'm a middle school student」、高校生であれば「I'm a high school student」と、「student」の前を変えることで、中学生か高校生かなど、表現を変えることができます。
「私は大学生です」は「I'm a university student」または「I'm a college student」と表現できます。学校名を含め、「私はハーバード大学の学生です」と伝えたい場合は、「I'm a student at Harvard University.」のように表現します。
小学生のことは「pupil」とも
「student」のほかにも、「pupil」という単語で、小学生と表現することができます。しかし、この「pupil」は、アメリカとイギリスで意味が変わります。アメリカでは、「pupil」というと小学生を意味しますが、イギリスでは小学生から高校生までを指します。
使う相手や場所によっては、異なった意味でとらえられてしまうので、使う際には注意しましょう。
中学生や高校生でも学生割引は使える?
中学生や高校生は、学校教育法では「生徒」と呼ばれています。しかし、映画館やカラオケ、新幹線など、さまざまな場所で使われる「学生割引」「学割」は、中高生なども対象である場合があります。
学校教育法の区分とは異なり、それぞれの企業やサービスの中での取り扱い方によって「学生」の範囲が変わるので、利用時にルールをよく確認するようにしましょう。
「学生」「生徒」「児童」の違いは学校教育法などで決められている
「学生」「生徒」、そして「児童」の違いについてご紹介しました。基本的には、学校教育法の表記に基づいて区分されていますが、「児童」のみ児童福祉法など法律ごとに意味が異なります。
これらの違いを理解して、スマートに使い分けできるようにしましょう。