ルノーのコンパクトSUV「キャプチャー」にハイブリッド車(HV)が追加となる。ルノー独自のハイブリッドシステム「E-TECH(イーテック) HYBRID」を搭載する1台だ。半導体不足や為替の影響で輸入車の価格は上がっているが、このクルマについては「競合より安いのでは」とルノー・ジャポン。欧州ではディーゼルエンジン車からの乗り換え先として同社のHVが人気を集めているそうだ。
走り方を賢く選ぶHV
ルノーからはHVが立て続けに登場している。キャプチャーはCセグメントSUV「アルカナ」、Bセグメントのコンパクトハッチバック「ルーテシア」に続く第3弾。これでルノーHVラインアップはとりあえず完成したことになる。
ルノーのHVは輸入車で唯一、「ストロングハイブリッド」のシステムを搭載しているのが特徴。発進時は100%モーター走行、中速域はエンジンが始動、高速走行はエンジンのみで駆動といったように、走り方に応じて最適な仕組みを選択してくれる。日産自動車「e-POWER」のようにエンジンが発電に専念しているときもあれば、高速巡行時にアクセルを戻した際にはエンジンを停止させてEV(電気自動車)のように走行しているときもある。効率のいい走り方をしてくれるので、燃費は良好。キャプチャーのガソリンモデルが17.0km/L(WLTCモード)であるのに対し、HVは22.8km/Lで輸入車SUVで最も高い数値となっている(2022年8月時点、ルノー・ジャポン調べ)。
ひと回り大きいアルカナのHVと同じパワーユニットを搭載しているキャプチャーだが、車両重量はアルカナより50kg軽い。アルカナのHVに乗ったときは俊敏な走りと静粛性に驚いたが、キャプチャーのHVは軽やかさがさらに増しているような印象だった。
これでキャプチャーのラインアップはガソリンエンジンの「インテンス」(309万円)、「インテンステックパック」(332万円)、HVの「E-TECH HYBRID」(374万円)、「E-TECH HYBRID レザーパック」(レザーシート+運転席電動シート、389万円)の4種類となった。HVは重量税が免税となり、環境性能割が非課税となるため、約13万円の減税効果が得られるそうだ。値上がりが続く輸入車業界だが、ルノー・ジャポンはキャプチャーのHVについて「競合のガソリンモデルよりも安いくらいの価格だし、ディーゼルエンジン車よりは間違いなく安い」としている。
本国フランスではディーゼルエンジン車からHVに乗り換える客が増えているとのこと。出だしのトルクはモーターなので引けを取らないし、燃費もいいので、ディーゼルの代替えとして人気が出ているそうだ。