米Mozillaは、8月23日(現地時間)にFirefoxの新バージョンとなるWebブラウザ「Firefox 104」をリリースした。Firefox 103から4週間でのバージョンアップとなった。Firefox 103では、2022年8月1日にマイナーバージョンアップの103.0.1、2022年8月9日には103.0.3がリリースされている。103.0.1では、以下の新機能追加・変更が行われた。
- 新しいAMDのビデオカードでハードウェアアクセラレーションが有効に
- オーディオマネージャーの不具合を起因とするFirefoxのシャットダウン時のクラッシュ問題の修正
103.0.2では、以下の変更が行われた。
- スクリーンリーダーJAWSのショートカットメニューを修正
- デバイスの構成変更を行うページにアクセスする際に証明書を上書きできないエラーの修正
- macOS版:ピクチャーインピクチャーがフルスクリーンで表示される問題の修正
セキュリティアップデートは行われなかった。したがって、今回は、103.0.2からのアップデートとなる。
Firefox 104のインストール
すでに自動アップデートが可能な状況になっているが、ここでは手動でアップデートする方法を説明したい。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[Firefoxについて]を開くと更新が自動的に開始される。[再起動してFirefoxを更新]をクリックする(図1)。
アップデート後のFirefox 104は、図2のようになる。
新規に、Firefox 104をインストールする場合、FirefoxのWebページからインストーラをダウンロードする(図3)。
[Firefoxをダウンロード]をクリックし、保存したファイルをダブルクリックして、インストールを開始する(図4)。
画面の指示に従い、インストールを進めてほしい。以下では、新機能のいくつかを具体的に見ていこう。
Firefox 104の新機能
続いて、新機能であるが、以下のとおりである。
- Disney+におけるピクチャーインピクチャー(PiP)で字幕を利用可能に
- scroll-snap-stopプロパティと再スナップの両方をサポートするように。scroll-snap-stopプロパティのパラメータのalwaysとnormalを使用して、高速スクロール時でもスナップポイントを通過するかどうかを指定可能に。再スナップとは、コンテンツ/レイアウトの変更後、最後のスナップ位置を維持しようとする機能である
- Firefoxプロファイラーで、Webサイトの電力使用量を分析可能に(Apple M1およびWindows 11のみ)
- FirefoxのUI自体を、バックグラウンドタブと同じように、最小化または非表示にすることで、パフォーマンスとバッテリーの使用量が制限されるように
変更点は、以下の通りである。
- Yahoo MailおよびOutlookのメール作成画面で[Enter]キーを押した後、強調表示の色が正しく表示されるように
- httpsのみのエラーページをバイパスした後に戻ると、以前に閉じられたエラーページに移動する。[戻る]ボタンは、以前にアクセスしたWebサイトに移動する
- 書式を持たないショートカットの貼り付け([shift]+[ctrl]、[cmd]+[v])が、入力領域やテキスト領域などのプレーンテキストコンテキストでも機能するように
UIなどの大きな変更はなかったが、機能面での改善がいくつか行われた。
セキュリティアップデート
同時に行われたセキュリティアップデートであるが、修正された脆弱性はCVE番号ベース で6件である。深刻度の内訳は、4段階で上から2番目の「High」が4件、もっとも低い「Low」が2件となっている。
「High」では、
- XSLTエラー処理におけるアドレスバーのなりすまし
- クロスオリジンXSLTドキュメントで、親のアクセス許可を継承
- Firefox 104とFirefox ESR 102.2で修正されたメモリ安全性の問題
- Firefox 104、Firefox ESR 102.2、Firefox ESR 91.13で修正されたメモリ安全性の問題
などが対応された。最高レベルの「Critical」はないが、早めのアップデートをすべきであろう。