HISモバイルは8月24日、ドコモ回線のMVNOサービスにおいて、eSIMの提供を開始した。

8月24日15時より、個人の新規契約時にeSIMを選択できる。対象プランは「自由自在290プラン」の音声通話付きプラン。既存回線の物理SIMからeSIMへの変更手続きには後日対応予定で、有料となる予定。

  • HISモバイルがeSIMに対応

    HISモバイルがeSIMに対応

同社によれば、2022年5月~7月にHISモバイルへのMNPを申し込んだユーザーの約5割が楽天モバイルからの転入だったという。楽天モバイルの料金改定をきっかけに、小容量で安価なプランを求めるユーザーが移動したと考えられる。

楽天から流れるユーザーは回線契約とセットで割引販売された端末を持っている場合が多いが、その多くを占めるRakuten miniやRakuten Handなどの楽天オリジナル端末はeSIM専用機となっている。このため、今回のeSIM対応によって、乗り換え前の端末を引き続き利用したいユーザーにも訴求しやすくなる。

また、今夏の大手キャリアの通信障害の影響もあり、バックアップ用途で低料金のMVNOをサブ回線として持ちたいというニーズも増えている。日本国内で販売されたiPhoneの場合は1台で複数回線を利用するにはeSIMが必須ということもあり、このようなニーズに対応する上でもeSIMの提供が重要となる。

HISモバイルは旅行会社を母体に持つMVNO事業者でもある。今後の展開としては、コロナ禍からの渡航制限の緩和により、今後再び増加が見込まれる訪日客に対し、物理SIMよりも円滑なフローで旅行中の通信手段を提供しやすいeSIMの活用を検討している。