東京商工リサーチは8月22日、「企業活動への影響に関するアンケート調査」の結果を発表した。同調査は8月1日~9日、6,375社を対象に、インターネットで実施した。
世界的な原材料不足に伴い、会社の商品・サービスの生産・販売に関して、必要となる原材料や部品の調達遅れは生じているか尋ねたところ、40.9%が「生じており、昨年より悪化している」と答えた。また、「昨年と変わらず生じている」は24.9%、「生じているが、昨年に比べて正常化しつつある」は8.4%で、これらを合計した「調達遅れが生じている」は74.3%だった。
「生じている」と回答した企業を業種別で見ると、構成比が最も高かったのは、「自動車整備業」で100%(20社中、20社)、次いで、「電気機械器具製造業」95.7%(140社中、134社)だった。90%以上は8業種に及んでいる。
「生じており、昨年より悪化している」「昨年と変わらず生じている」「生じてはいるが、昨年に比べて正常化しつつある」と回答した企業に、原材料や部品の円滑な調達に向けて、現在どのような対応策を取っている(取る予定)か尋ねたところ、最も多い回答は、「調達先の分散」(46.6%)だった。以下、「在庫の積み増し」(43.6%)、「代替的な原材料、部品への切り替え」(36.7%)と続いている。
世界的な原油・原材料価格の高騰によって、調達コスト増加の影響を受けているか聞くと、90.7%が「影響を受けている」「現時点で受けていないが、今後影響が見込まれる」と回答した。規模別では、調達コストの増加に言及した企業は、大企業91.0%、中小企業90.6%で、ほとんど差は見られなかった。
「影響を受けている」と回答した企業に、原油・原材料の高騰に伴うコスト増のうち、何割を価格転嫁できているか尋ねると、48.5%が「転嫁できていない」と答えた。全額転嫁の「10割」は、5.5%に留まっている。規模別で見ると、「転嫁できていない」は大企業が46.5%に対し、中小企業は48.7%だった。
「転嫁できていない」と回答した企業を産業別でみると、81.4%が受託開発ソフトウェアや情報提供サービスが含まれる「情報通信業」が占めている。「卸売業」は31.7%、「製造業」は41.1%で、BtoBが主体の業種では価格転嫁が進んでいる。