早くも「カレー百名店」に選出!「日本一予約が取れないカレー店」の新店がめちゃくちゃ美味かった!

先日、レストラン検索・予約サイトの最大手である「食べログ」が「カレー百名店 2022」を発表した。

今年も全国津々浦々の人気店の中から100の名店が厳選されたわけだが、選ばれたお店のリストを見てみると、その顔ぶれたるや本当にスゴい。ほとんどは個人店でありながら、いずれも全国に名を轟かせる猛者揃いである。

ということで、さっそく「カレー百名店 2022」の中から特に気になったお店を訪ねて実際に味わってみることに。足を運んだのは、今回初選出された下北沢の人気店「Curry Spice Gelateria KALPASI(カレースパイスジェラテリアカルパシ)」だ!

「カレー界の異端児」が作るオリジナルカレー

「百名店」とは、食べログがユーザーの声を元に、あらゆるジャンルの中から100の名店を選抜して紹介する毎年恒例の人気企画だ。ジャンルは寿司やラーメンといったメジャーどころだけでなく、お好み焼き、餃子、ステーキ・鉄板焼など幅広く網羅。「百名店」の中でも、カレーは特に人気のジャンルだという。

ちなみに今年は、カレー激戦区である東京エリアからは、老舗から新店まで過去最多の60店舗が選出され、西日本エリアからは29店舗が選ばれた。特に大阪では最近、スパイスカレーブーム真っ最中だというが、まさに今回の「カレー百名店」でもその存在感を発揮している。

今回訪問した「Curry Spice Gelateria KALPASI」は今年初めて「カレー百名店」に選ばれたが、実は2020年にオープンしたばかりの比較的新しいお店である。とは言え、まったくの新鋭というわけではない。

カレー好きであれば知っている人も多いと思うが、“日本一予約が取れないカレー店”として有名な「Kalpasi」(千歳船橋)のオーナーシェフである黒澤功一さんが新たに手掛けた、ジェラートとカレーの専門店なのである。

ちなみに、黒澤さんはサラリーマン出身で、もともと料理人として腕を磨いた経験はない。しかし、インドやスリランカなどでカレーを食べ歩くほどのカレー好きで、そのカレー愛が高じて店を手掛けるに至ったという異例のキャリアの持ち主である。

故に「カレーの鬼才」「カレー界の異端児」などとメディアでも取り上げられることもしばしばで、実際に独自研究して作り上げたカレーは多くのファンの胃袋を鷲掴みにし、その人気は年々高まっている。

「Kalpasi」からめちゃくちゃ気になってはいたのだが、なかなか予約すら取れないと聞いて半分諦めかけていた……。しかし今回、新店の「Curry Spice Gelateria KALPASI」が「カレー百名店」に選ばれたということで、さすがにそろそろ行かねばなるまい……!と一念発起。お客さんが少なさそうな嵐の日を狙って、スルッと行ってみた。

注文は券売機で選ぶスタイルで、メニューはこんな感じ。

カレーだけでなく、ジェラートも名物として販売されているので、カレーを食べたい場合は、カレー単品以外にも「カレー・ジェラート・ドリンク」のセットか「カレー・ジェラート」のセット、または「カレー・ドリンク」のセットなども選ぶことができる。ドリンクはラッシーかチャイでセレクト可能。もちろん、ジェラート単品で頼むこともできる。まぁ、今日はシンプルにカレーを味わうか、ということで看板メニューっぽい「カレー3種」を選択。ワクワクしながら待つこと数分、目の前に現れたのが……

おおっ!めちゃくちゃオシャレ!インドカレーと言っても、ナンで食べるタイプの北インドカレーではなく、南インド料理屋さんで食べられる「ミールス」(米、カレー、副菜などの料理がそれぞれ小さな器に盛られ、大きなお皿にまとめて載せられている料理)に近いようだ。

カレーは日によって種類が違うそうだが、この日はレモンチキンに……

豆のカレーであるダールタルカに……

大きな豚バラ肉がゴロッと入ったネパーリーポークの3種類。

それではさっそく食べてみよう。まずはチキンのカレーから。いただきます!

おっほ～!うーーーんまいっ!!鶏の旨みとレモンの酸味、そしてスパイスが絶妙にマッチしている。食感は割とサラサラしていて爽やかに食べることができる。すっきりしていながら旨みはしっかり効いているのが嬉しい。チキン自体も大ぶりで食べごたえがあって美味しかった!

続いては、豆のカレーをいただいてみよう。パクッ。

おお～、これも豆の濃厚な味わいに優しげなスパイスの風味が効いていてめちゃくちゃ美味しい。辛さはチキンよりもマイルドで、カレー自体にもとろみがついている。この粘度は豆のペーストに由来するものだろう。味わい深くて実に美味!素朴ながらも豆の風味が癖になる。

それでは最後にポークのカレーを……いただきます!

あ〜、もう超美味い!唐辛子や山椒かな?ピリッとしていて3種類の中で最も辛いのだが、同時に豚肉の旨みというか、甘みのようなものも感じられる。これは食欲が激しくそそられるやつだ……!いろんなスパイスが使われているのだろう。スッキリした辛さの奥に、スパイスの複雑さが感じられる。

そしてこの豚肉の大きさである。最高かよ!

ひとつひとつのカレーが本当にクオリティが高い。こんなに美味しい南インドカレー、もしくはスリランカカレーは味わったことがない。それぞれ味の方向性が全然違うから食べ比べる楽しさもあるし、その都度新たな発見もある気がする。

ちなみに、ナスやオニオン、ゴーヤなどの付け合せも日本ではなかなかお目にかかれない味付けで、そのどれもがカレーに合っていて美味しかった。美味しいうえにしっかり栄養も摂れるなんて、最高かよ……!!

あまりに高度なスパイスの味わい故にレビューするのも一筋縄ではいかないが、まさに筆舌に尽くし難い美味しさだということだけは声を大にして伝えたい。開店からわずか2年で食べログの「カレー百名店」に選出された「Curry Spice Gelateria KALPASI」。カレー好きであれば、ぜひ一度は味わってみてほしい。