今週はWindows 11 バージョン22H2の正式リリース日が9月20日になるとのウワサや、OneDriveの15周年を記念したダッシュボード「OneDrive Home」の実装予定など、興味深い話題が尽きない。なかでも外せないのは現地時間2022年8月18日にMicrosoftが発表した、WSA(Windows Subsystem for Android)を利用する「Amazonアプリストア」の日本展開である。

  • Microsoft Storeで利用可能になった「Amazonアプリストア」

WSAとAndroidアプリの関係は、WSL(Windows Subsystem for Linux)とLinux GUIアプリと同じように、Windows 11からWSAを呼び出し、その上でAndroidアプリを実行する仕組みだ。喜々として試したところ、アプリ起動までに何度かつまずいた。

ひとつはAmazonアプリストア。筆者のWindows 11 Insider Preview環境は何らかの検証時に導入したのか、Amazonアプリストアがインストール済みだったものの、意図したように動作しない。Microsoft Storeからも更新できず、「設定」からアンインストール→再起動→再インストールによって、ようやく下地が整った。

もうひとつつはAmazonアカウント。普段から使用しているAmazon.co.jpアカウントでサインインすると、「AmazonアプリストアはUSのみ」とのメッセージが現れる。

  • Amazon.co.jpのアカウントでサインインしても「おま国」のメッセージが現れる

フッと思い返したのが海外アカウントだ。筆者はAmazon.co.jpと同一のメールアドレスでAmazon.comアカウントも取得している。以前、ID基盤としてAmazonの利用を試みると、正常に認証されないことがあった。類似のトラブルかと思い、別のメールアドレスでAmazon.co.jpアカウントを新規作成したところ、インストールプロセスが始まった。

  • ディスプレイを250%に拡大しているため、ボタン類が表示されていないが、Amazonアプリストアの事前準備に時間が必要だと警告される。WSAインストール済みのためか1分もかからなかった

さて、Amazonアプリストアで利用可能なアプリ数は、プレビュー段階のためか決して多くない。加えて筆者がAndroidアプリに明るくないため、どうにも食指が動かないのだ。本来ならグラフィックやネットワークに負荷をかけるアプリが望ましいのだろうが、正直どれがどれやら分からない。今回はテーブルゲームの「麻雀 闘龍」を試してみた。タッチディスプレイによる直接操作や、マウスとタッチパッドの操作も可能だ。パフォーマンスも特に「変な重さ」を感じることなく快適である。

  • Windows 11上で動作するAndroidアプリ

ベースマシンとしたSurface Pro 7の画面解像度は2,736×1,824ピクセル。200%に拡大した状態で使ったところ、ほぼ全画面に近い。こうなるとWebブラウザーでSaaSアプリを操作しながら、業務を補完するためにAndroidアプリを使うのは難しそうだ。

また、スマートフォンによるコミュニケーションは「スマートフォン連携」が担うため、Microsoftが以前述べていたように、WSA+AmazonアプリストアはWindows 11上での選択肢を増やす施策なのだろう。WSAのシステム要件を満たし、Windows 11 Insider PreviewのDevチャネルに挑戦できるユーザーは、Windows 11でAndroidアプリが動く不思議な感覚を体験してみてはいかがだろうか。

  • Amazonアプリストアには厳選された50本のアプリが並ぶ