またElevationSpaceのELS-Rシリーズは、人工衛星内に複数の装置を載せ、宇宙実験や製造などを行える小型宇宙利用・回収プラットフォーム。ISSは、2000年の本格利用開始からこれまで、基礎科学的な実験から創薬などの産業利用まで幅広く利用されてきたが、構造寿命などの関係から2030年には運用が終了する可能性が高い。後継の民間宇宙ステーションの建設計画も進むが、それが実現するとしても、少なくともしばらくの間は地球衛星軌道というアクセスのしやすい宇宙利活用の場がなくなると考えられている。そこで、ElevationSpaceは、ELS-RシリーズでISSの代わりとなるプラットフォーム提供を目指しているという。
小型で無人の人工衛星を用いるため、ISSよりも安く、簡単に素早く利用できる点が特徴であり、人工衛星に搭載し実験などを行ったペイロードは、運用終了後に地球で回収し、分析などに活用することができる。2023年後半に技術実証機「ELS-R100」の打ち上げが予定されており、サービス提供機「ELS-R1000」による本格サービスは2026年の実現を目指して開発が進められている。
こうした双方の技術を最大限に活用することで、微小重力環境下での植物栽培において、研究機関に対する実験環境の提供や、宇宙関連商品の開発を行う民間企業への実験結果の提供を行うと両社では説明しているほか、それにより、さらなる宇宙ビジネスの発展につながることが期待されるともしており、2026年の初回打ち上げを目指し、両社で協議を進めていくとしている。