2022年8月12日から14日にかけて、静岡県の「ツインメッセ静岡」にて、C4 LAN実行委員会が主催する持ち込み型ゲームイベント「C4 LAN 2022 SUMMER」が開催されました。
「C4 LAN」は、ゲームタイトルやコミュニティの枠を超え、3日間にわたってゲームを遊び倒す国内最大規模のLANパーティ。2019年の冬に開催された「C4 LAN 2019 WINTER」以来、2年半ぶりの開催となりました。
今回は、新たな会場である「ツインメッセ静岡」にて、待望の復活を果たした「C4 LAN 2022 SUMMER」の模様をお届けします。
数々の苦難を乗り越え、ついに「C4 LAN」復活
今回で8回目の開催を迎える「C4 LAN」。2017年からは、SPRINGとWINTERの年2回、都内の会場にて定期的な開催が行われていました。
本来であれば、8回目は「C4 LAN 2020 SUMMER」として、2020年7月に群馬県のコンベンションセンター「Gメッセ群馬」にて、より規模を拡大した内容で開催される予定でした。ところが、コロナ禍に突入したことにより、残念ながら中止に。オフラインの会場に多くの人が集まるというイベントの性質上、開催が難しい状況が続きました。
その後、「C4 LAN」からスピンアウトした小規模な「C4 LAN GARAGE #1」の実施が発表されるも、コロナの影響により延期。日程を2022年2月から4月末に変更し、持ち込みのBYOC(Bring Your Own Computer)席のみで構成された、シンプルなLANパーティが開催されました。
こうした度重なる中止や延期を乗り越え、ついに大型LANパーティとして本格的な復活を果たしたのが、今回の「C4 LAN 2022 SUMMER」です。しかし、開催が迫るにつれて第7波でコロナ感染者が急増、イベント当日には台風が直撃するなど波乱続き。しかも、お盆休みの開催で多くのイベントが重なるなか、従来よりも急な開催告知であったこと、会場が新たに静岡に移ったこと、さらにはBYOC席のチケット価格が上がったことなど、数々のハードルがありました。
これらのハードルを乗り越え、「C4 LAN 2022 SUMMER」には200人以上が参加。ゲーマーたちの根強い支持を感じさせる、「C4 LAN」復活の3日間でした。
「C4 LAN」が新たな開催地、静岡にやってきた理由とは?
今回の「C4 LAN」が発表されたとき、なぜ静岡での開催に至ったのか、その理由はあまり語られていませんでした。
この理由について、「C4 LAN」広報の田原さんによれば、まず1つには、地元の有志の方から静岡での開催について熱いラブコールがあったこと、そして、PCなどを持ち込むにあたって車で参加しやすく、かつ都心からも1時間程度の移動で参加できる距離であること。こうした条件がそろったため、静岡での開催が決まったのだそうです。
私は都内から向かいましたが、新幹線に乗って静岡駅まで1時間ほど。静岡駅からは、バスもしくはタクシーに乗って10分前後で「ツインメッセ静岡」に到着しました。地方開催ではありますが、都内から幕張メッセに向かうのと変わらないくらいの所要時間です。
とはいえ、これまで会場になっていた都内の「ベルサール高田馬場」と比べると、席なし入場券で短い時間だけ来場するといった楽しみ方をするには、移動の負担がやや大きく感じるかもしれません。席ありで長時間滞在する楽しみ方が、よりメインになった印象です。
もう1つ、静岡だからこその楽しみもありました。会場のブーススペースには、静岡に関連するお土産やグッズが並び、静岡のご当地グルメも販売されていました。会場内での食事だけでなく、静岡名物のげんこつハンバーグ「さわやか」などを食べにいく参加者も多く、思い思いに静岡を堪能していたようです。
「C4 LAN」らしい、おなじみのイベントが目白押し
今回の「C4 LAN」は、新たに静岡で開催するというチャレンジはありましたが、イベントの内容としては、長らく開催できなかった「C4 LAN」を復活させることに重きが置かれ、良い意味で“おなじみのC4 LAN”となっていました。
初日は、LANケーブルを持った“LANNER”が入場する「開幕の儀」からスタート。メインステージでは、毎回トップバッターを務めているスタクラ(StarCraft)コミュニティのイベントから始まり、じゃんけん大会やゲーミング配給などの恒例イベントが続々と行われました。
2日目には、『PUBG: BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)のカスタムマッチも開催されました。過去の「C4 LAN」でも開催されてきた、会場から一斉に参加する『PUBG』カスタムマッチは、会場のあちこちからリアクションが聞こえてくるところが醍醐味。「C4 LAN」ならではの楽しみ方を、久々に味わうことができました。
いろんなコミュニティのBYOC席に遊びにいってみた
BYOC席では、さまざまなコミュニティの人たちが横並びや背中合わせなど、隣接した座席を取る形で参加しています。今回は、いくつかの席へ遊びにいってみました。
まずは、「C4 LAN」常連のスタクラコミュニティの席へ。スタクラコミュニティは、リアルタイムストラテジーゲーム『StarCraft』シリーズのプレイヤーが集まるコミュニティです。
このコミュニティでは、初心者の体験プレイを行っており、私も実際に教えてもらいながら『StarCraft 2』を初めてプレイしました。韓国で爆発的な人気を得た『StarCraft』シリーズは、eスポーツと非常に関わりが深いタイトル。そのため、ずっと興味があったのですが、なかなか触れる機会がなく、今回やっと体験することができました。
続いては、MOD PCコミュニティの席です。MOD PCとは、PCケースやパーツなどをデコレーションし、改造したPCのこと。自由なレイアウトで使えるBYOC床スペースでの参加で、スペース内に設けられた席にはド派手に光るPCが何台も並んでいました。
MOD PCコミュニティも「C4 LAN」の常連。全国各地のMOD PC好きの方々が、自慢のPCを持って「C4 LAN」に集まるのが恒例になっているようです。
続いては、群馬県eスポーツ連合「gespo(ゲスポ)」の皆さん。「gespo」は、前回の「C4 LAN 2019 WINTER」へ視察に訪れた際に感銘を受け、「C4 LAN」をルーツとするLANパーティ「LANらん♪ 群馬」を開催しています。BYOC席で参加するのは初とのことで、ほかの参加者との交流なども存分に楽しんでいました。
そして、最後は『VALORANT』をプレイするチーム「おっさんずVALO」の皆さん。「C4 LAN」の開催中に、コミュニティ大会「UTAGE VALORANT」の試合があり、会場からチームで試合に出場する様子を観戦しました。
また、eスポーツニュースサイト「Negitaku.org」が、なんと20周年を迎えるということで、運営者のYossyさんを「おっさんずVALO」の皆さんがサプライズでお祝い。たくさんの参加者が駆けつけ、お祝いする一幕もありました。
次回は4月、再び「ツインメッセ静岡」にて開催
あっという間に最終日となる3日目を迎え、メインステージでは「閉幕の儀」が行われました。エンディングムービーでは、今回の「C4 LAN 2022 SUMMER」を振り返る映像とともに、次回の開催を発表。「C4 LAN GARAGE #2」と「C4 LAN 2023 SPRING」の2つが告知されました。
2022年11月の「C4 LAN GARAGE #2」は、BYOC席のみで構成されるシンプルなLANパーティの第2回。そして、2023年4月の「C4 LAN 2023 SPRING」は、「C4 LAN」の本開催となる大型LANパーティが、今回と同じ「ツインメッセ静岡」にて開催されます。
■「C4 LAN GARAGE #2」
日程:2022年11月25日(金)〜11月27日(日)
会場:日本カレット倉庫 (千葉県千葉市)
■「C4 LAN 2023 SPRING」
日程:2023年4月28日(金)〜4月30日(日)
会場:ツインメッセ静岡(静岡県静岡市)
かねてより「C4 LAN」は、BYOC1,000席の達成を掲げています。「ツインメッセ静岡」は、1,000席の規模でも開催できるほど大きな会場。今回は、ひとまず2年半ぶりの復活となりましたが、今後は再びさらなる規模拡大を目指していくでしょう。それではゲーマーの皆さん、また次回の「C4 LAN」にてお会いしましょう!