世界的ラグジュアリーブランドとして有名な「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」。これらは同じものなのかという疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」の違いやそれぞれのブランドの魅力について解説します。ブランドの歴史や、リップやバッグ、財布や香水など人気アイテムの魅力にも迫ります。
「サンローラン」と「イヴ・サンローラン(イブサンローラン)」の違いとは
「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」はどちらも知名度のあるブランドではありますが、名前が似ているため、混同している人もいるかもしれません。
「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」は、実はもともとは同じブランドでした。では、違いは一体何なのでしょう。ここではそれぞれのブランドについてご紹介します。
「サンローラン・パリ(Saint Laurent Paris)」はアパレルライン
「サンローラン」は、正式名称では「サンローラン・パリ(Saint Laurent Paris)」といい、もともと「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」というブランドの中にあったアパレルラインのことを指しています。
メンズラインとウィメンズラインのどちらもあり、それぞれにウエアやバッグ、財布をはじめ、ジュエリーや小物など、さまざまな商品を展開しています。
なお現代の日本では「サンローラン・パリ」ではなく、単に「サンローラン」と呼ばれることが多いようです。
「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」はコスメや香水ライン
「イヴ・サンローラン」は、正式名称では「イヴ・サンローラン・ボーテ(Yves Saint Laurent Beauté)」といい、もともと「イヴ・サンローラン」というブランドの中にあったコスメ・香水ラインを指しています。「サンローラン」とは名前が似ていますが、扱っているアイテムが異なるのです。
こちらも現代の日本では「イヴ・サンローラン・ボーテ」ではなく、単に「イヴ・サンローラン」と呼ばれることが多いようです。
「YSL」の「カサンドラ」だけではない? ロゴの違い
ブランドを象徴するロゴとしてはもともと、「YSL」とアルファベットが縦長に重なってデザインされた「カサンドラ」と呼ばれるロゴが有名でした。詳しくは後述しますが、その後アパレルラインにクリエイティブ・ディレクターとしてエディ・スリマン氏が就任した際に、「SAINT LAURENT PARIS」と書かれたロゴが発表されました。
現在はコスメライン「イヴ・サンローラン」のアイテムには主に「YSL」のロゴが使用されています。アパレルライン「サンローラン」では「SAINT LAURENT PARIS」のロゴが使われているものが多くありますが、「YSL」のロゴが使用されているものもあります。
「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」の歴史
「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」には、取扱商品やロゴに違いがあることがわかりました。
では、それぞれのブランドはどのような流れで誕生し、どのような歴史をたどってきたのでしょうか。そこにはイヴ・サンローラン氏とエディ・スリマン氏が大きく関わっています。それぞれの歴史を解説します。
創業者であり「モードの帝王」と呼ばれたイヴ・サンローラン
創業者であるイヴ・サンローラン氏は、彼の恋人であったピエール・ベルジェ氏と、実業家であるマック・ロビンソン氏とともに、1961年にイヴ・サンローランを立ち上げます。
イヴ・サンローラン氏は学生の頃からその才能を評価されており、弱冠21歳にしてクリスチャン・ディオールの主任デザイナーを務めていました。
しばらくはディオールで経験を積み、ヒットアイテムも生み出しましたが、アルジェリア独立戦争に徴兵されたことをきっかけに、ディオールを離れることとなりました。
その後に「イヴ・サンローラン」というオートクチュールブランドを設立し、その才能をさらに発揮することとなるのです。イヴ・サンローラン氏は自身のブランドにおいて、モンドリアンルックやシースルー、サファリルック、女性向けのタキシードであるスモーキング、パンタロンなど、革新的なデザインを次々と発表しました。
クリエイティブ・ディレクター、エディ・スリマンの就任
イヴ・サンローラン氏のブランド引退後、2012年にクリエイティブ・ディレクターに就任したのがエディ・スリマン氏です。
彼はイヴ・サンローラン氏が立ち上げた「イヴ・サンローラン」のうち、プレタポルテとして残ったアパレルラインを「サンローラン・パリ」と改名しました。前述の新しいブランドロゴを発表し、この頃にラインナップの変更なども行われたといわれています。
なお2016年のエディ・スリマン氏の退任後は、フェンディやヴェルサス ヴェルサーチでもキャリアを積んだアンソニー・ヴァカレロ氏が「サンローラン・パリ」のクリエイティブ・ディレクターに就任。2022年現在もその才能を遺憾なく発揮し、人気を博しています。
「サンローラン」とはどんなブランド?
「サンローラン・パリ」、いわゆる「サンローラン」は、前述のようにイヴ・サンローラン氏が創業したブランドのアパレルラインをエディ・スリマン氏が改名したものです。ここでは、その「サンローラン」の特徴と魅力をご紹介します。
「サンローラン」の特徴、魅力
「サンローラン」の特徴は、クラシックで優雅なイメージを持ちつつ、エディ・スリマン氏の影響もありロックを融合させたアイテムを数多く発表していることです。
例えば、スキニーなデニムやライダースジャケットなど、かっこよさもありつつエレガントなアイテムが発表されています。さらにアンソニー・ヴァカレロ氏は官能、自由などのコンセプトを掲げており、まさに現代のモードともいえるスタイリッシュかつ個性を生かしたデザインで、多くの人を魅了しています。
財布などの小物には、ピンクなど柔らかめのカラーを使ったアイテムも多くあります。かわいらしいカラーを使いながらも甘くなりすぎないようなクールさがあり、コーディネートのアクセントにしたいアイテムを求めている人にも支持されています。
「イヴ・サンローラン」とはどんなブランド?
「イヴ・サンローラン・ボーテ」、いわゆる「イヴ・サンローラン」は、イヴ・サンローラン氏が創業したブランドの中のコスメ・香水ラインのことを指します。ここでは、その「イヴ・サンローラン」の特徴と魅力をご紹介します。
「イヴ・サンローラン」の特徴、魅力
このコスメ・香水ラインは、イヴ・サンローラン氏が「自分の服を着る女性に顔を与えたい」との思いで、1978年に開設しました。その色彩や、モダンとクラシックの融合を追求するスタイルは、身にまとう人に自信や大胆さ、センシュアルな魅力、そして自分への誇りをもたらします。
ブランド自体が持つ高級感あふれるデザイン性から、「イヴ・サンローラン」のアイテムを持っているだけでエレガントなイメージを彷彿(ほうふつ)とさせる点も魅力です。
「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」の主な人気アイテム
ここからは「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」のそれぞれのブランドが取り扱う、主な人気アイテムをご紹介します。
「サンローラン」 : トートバッグ、ショルダーバッグ
「サンローラン」のトートバックには、荷物がたくさん入るものや、着脱可能なポーチ付きのものなど、美しさと機能性を兼ね備えた製品が多く見受けられます。最近では「ダウンタウン」や「サック・ド・ジュール」などが人気です。
トートバッグの他、チェーンショルダーなども有名です。どのアイテムも、スタイリッシュかつ洗練された大人の印象をまとっています。
「サンローラン」 : 財布
また財布も「サンローラン」で有名なアイテムの一つです。形状は長財布や3つ折りの小銭入れタイプ、コンパクトなフラグメントケースなど、多くの種類があります。ラウンドファスナータイプやフラップ式など、自分の使い方に合わせて、きっとお気に入りの形が見つかるでしょう。
型押しのレザーで斜めにキルティングが施されたタイプは傷も付きにくく、シンプルながら華やかな印象です。カサンドラのロゴもよく映え、特に人気のタイプのようです。
「イヴ・サンローラン」 : リップ(口紅)
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出典:amazon
「イヴ・サンローラン」の数あるコスメの中でも、根強い人気を誇っているのがリップ。中でも大人気なのが「ルージュ ヴォリュプテ シャイン」で、美容成分を配合したバーム状のリップスティックはなめらかなテクスチャー。
唇を乾燥から守って潤いを与える効果もあり、クリアな発色で、グロスを塗る必要が無いほどツヤがあります。上品なパッケージも魅力的で、名前などの刻印もできるため、プレゼント用のアイテムとしてもおすすめです。
「イヴ・サンローラン」 : 香水
「イヴ・サンローラン」では香水も有名。香りだけでなく、個性的なボトルデザインにも注目が集まっています。置いておくだけでインテリアにもなるようなデザインのボトルが多く、その形に一目ぼれして買う人もいるとか。
恋がかなう香水と呼ばれている「ベビードール」は残念ながら廃盤になってしまったようですが、セクシーさとクールさが共存する「リブレ」や、恋をイメージした甘くセンシュアルな香りの「モン パリ」などが代表的なシリーズとして挙げられます。
「サンローラン」と「イヴサンローラン」は取り扱いラインが異なる
「サンローラン」と「イヴ・サンローラン」の違いや、それぞれの歴史や特徴、魅力の他、主なアイテムについて解説しました。
アパレルラインの「サンローラン」と。コスメや香水ラインの「イヴ・サンローラン」。どちらもたくさんの人から支持され、世界中で人気です。2つのブランドの違いや成り立ちを理解することで、より愛着も湧くのではないでしょうか。