インターネット利用が増えたことで、コンテンツマーケティングもネットマーケティング施策の1つとして広く普及しました。企業が運営するブログやサイトからは毎日数多くのコンテンツが発信されています。
今回は、その中でも数多くのユーザーを集めた成功事例を、BtoB・BtoC別に合計10個紹介します。自社のマーケティング施策の参考にしてください。
コンテンツマーケティングの意味を再確認
コンテンツマーケティングとは、WEBサイトやブログなどを通じて、ユーザーに価値のある情報を提供し、見込み客の育成、購入へと繋げる活動のことです。コンテンツの提供で自社のファンを増やし、短期のみでなく長期での収益獲得も狙います。
コンテンツの種類として代表的なのは下記です。
・Webサイト・ブログ記事
・SNS
・オンライン動画
・ウェビナー
・メールマガジン
・オフラインのセミナー・説明会
一般的コンテンツマーケティングというとWeb上の記事をイメージする方も多いと思いますが、コンテンツとは情報のことなので、ネット以外も含めた幅広い情報を利用した集客方法です。
コンテンツマーケティングは、顧客が興味を持つまで、通常は積極的な売り込みを行いません。よってプル型のマーケティング、インバウンドマーケティングの一種と言えます。
ユーザーに有益な情報の提供を続けることで、良好な関係の構築・維持をすることを目指す施策です。
BtoBコンテンツマーケティングの事例5選
コンテンツマーケティングの成功事例について、まずB to B領域から紹介します。今回はベーシックなコンテンツマーケティングということで、Webサイト・ブログに絞ります。
サイボウズ式(サイボウズ株式会社)
会社員の働き方・生き方を発信するメディアとして、知名度の高いサイトの1つがサイボウズ式です。
主に取り上げられているテーマは、チーム作り、仕事の管理、メンタルヘルスなど。会社員の方なら思わず「あるある」と感じるような内容になっています。
サイボウズ式のコンテンツの特徴は、徹底的にユーザーに寄り添う内容になっていること。自社製品ありきでプッシュしないことが功を奏していると考えられます。
Salesforceブログ(株式会社セールスフォース・ジャパン)
Salesforceブログでは、ビジネスに役立つ情報を発信しています。同社の得意とする営業・マーケティング領域の情報が多めであり、これらに関連する職種の方ならより興味深く感じるでしょう。
直近で投稿された記事のテーマは、小売販路の最適化、マーケティングメール活用のための10個のKPI、5つの新しい営業指標など。より専門的・具体的な内容で、実戦で活用できそうな内容となっています。
Money Forward Bizpedia(株式会社マネーフォワード)
家計管理アプリや会計ソフトなどで知られているマネーフォワード社が運営するメディアです。テーマは会社設立、経理、会計、IPOなど中小企業向けの内容が多くなっています。
Money Forward Bizpediaの特徴は、プロフェッショナルへのインタビュー記事が多いこと。社会保険労務士事務所や会計事務所の方が実名でインタビューに答えており、説得力やリアルさが増しています。
SATORIマーケティングブログ(SATORI株式会社)
SATORI株式会社はマーケティングオートメーションツールの開発・販売を手掛ける企業。同社が運営するブログはマーケティングをテーマとして、基礎知識・SEOなど幅広いマーケティングに関するコンテンツを掲載しています。
こちらのブログの優れている点は、カラフルで分かりやすい図解が豊富に付いていることです。抽象的な概念や構図でも、図解があることで初心者でも理解しやすくなっています。
経営ハッカー(freee株式会社)
経営者や個人事業主をターゲットとし、経営・テクノロジーを中心にとりあげるメディアです。具体テーマは人事労務、税務、確定申告、起業などとなっています。
こちらのメディアもインタビュー記事が多くなっています。特に社長や取締役など、経営層へのインタビューが多いのが特徴です。
BtoCコンテンツマーケティングの事例5選
ここからは、BtoC領域の事例について見ていきましょう。
Lidea(ライオン株式会社)
日用雑貨品メーカーのライオンが手掛けるオウンドメディアです。ファミリーや主婦をターゲットに、洗濯・掃除・健康など、同社が得意とする領域に関するコンテンツが充実しています。
冷蔵庫の掃除方法など、How Toを丁寧に解説しているのが特徴。ユーザーの日常生活に役立つことを優先している方針が伺えます。
SUUMOタウン、SUUMOジャーナル(株式会社リクルート)
SUUMOといえば、大手の物件紹介サイトとして有名です。SUUMOタウンは個別の町についての情報、SUUMOジャーナルは暮らしに関する情報が中心となっています。
SUUMOタウンは「こんな町に住んでみたい」と、引越ししたい気持ちを喚起させるようなコンテンツが中心。SUUMOジャーナルは「借りる」「リフォーム・内装」「マネーと制度」といった具体的な生活に役立つ情報が数多く掲載されています。
北欧、暮らしの道具店(株式会社クラシコム)
北欧の雑貨を紹介・販売しているサイトです。大きくわけて「読みもの」「買いもの」の2種類の記事があります。
記事は魅力的な写真と読み易い文章で構成されています。「読みもの」の記事にも購入リンクがあり、すぐに買える仕組みです。
キッコーマンホームクッキング(キッコーマン株式会社)
投稿されているメニューの数が非常に多いレシピサイト。食材や料理名での検索、話題のレシピ記事、レシピランキングなど機能も充実しています。
「簡単・時短漬け焼きおかず」など、簡単に作れるレシピが充実しており、なおかつキッコーマンの調味料が活用される内容になっています。
キナリノ(株式会社カカクコム)
ファッション・雑貨などを取り扱うライフスタイルメディアです。こちらのサイトは写真が多用されているのが特徴になっています。
カラフルでありながら落ち着いたトーンの写真が多く、シックさ・上品さも演出しています。キナリノのテーマである「ナチュラルで心地よい暮らし」に沿った内容です。
事例から分かるコンテンツマーケティングのポイント
ここまで紹介してきた事例から、以下のことが成功のコツであることが分かります。
ユーザーが興味を持つテーマで発信する
成功しているメディアの特徴は「ユーザーファースト」であることです。自社製品・サービスありきではありません。
ユーザーが感じている悩みや課題、仕事でつまずくポイントなどに焦点を当て、その解決に役立つ情報を提供しています。
世界観が明確である
ビジネス・ファッション・グルメなどジャンルは様々ですが、どのメディアも世界観・テーマが明確です。サイトを少し見ただけで、どのようなテーマを扱うのか、どのような雰囲気のサイトなのかが分かりやすくなっています。
世界観がわかりやすいからこそ、ユーザーが自分に合うかどうかもすぐにわかり、ファンを増やしやすい仕組みです。