この時期の暑さ対策として使う人が増えているハンディファン(携帯扇風機)。USB経由で充電できる手軽さが魅力ですが、キャンプや砂浜などで直射日光が当たる場所に長時間放置したり、うっかり落として強い衝撃が加わると、内部のバッテリーがダメージを受けて発火や破裂することも。ケガや火傷、火災に遭わないために、気をつけるべきポイントを改めてチェックしておきましょう。

【動画】ハンディファンのバッテリーが破裂する事故の再現映像(映像提供:NITE)

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)によると、ハンディファンの事故は2021年までの3年間で47件も報告されています。その大多数は製品自体の不具合によるものですが、ユーザーの取り扱い方によって事故を招くケースも少なくありません。

まず購入前に注意したいのが、製造したメーカーや輸入事業者、販売元が不確かなものは避けること。インターネット通販で格安で売られているハンディファンのなかには、連絡先が不明だったり、海外の連絡先しか掲載されていなかったりする場合があります。その場合、もし事故が起こってもリコールなどの措置がされないことがあり、泣き寝入りになることも。製品を選ぶ際は、事業者の連絡先が確かなことを一つの基準とするべきです。

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ハンディファンは外に持ち出して使うことが多いだけに、使い方も注意する必要があります。携帯扇風機の多くは内部にリチウムイオンバッテリーを内蔵していますが、リチウムイオンバッテリーは衝撃や高温、水分に弱く、取り扱い方によっては発火や破裂を招き、ケガや火災の原因になりかねません。

特にこの時期注意したいのが、高温となる場所に放置しないことと、水に濡らさないこと。車のダッシュボードや砂浜など、直射日光が当たる場所は予想外に高温になるため、放置することは厳禁。水しぶきがかかったり水没させないようにすることも肝心です。ハンディファンを落下させると強い衝撃がかかってバッテリーが破損するので、ストラップなどを首に巻くなどして落とさないようにすることも大事です。

もし、強い衝撃を与えてしまったなど上記の項目に該当する場合は使用を中止し、メーカーや販売店に相談することを勧めています。

  • ハンディファンに強い力を加えた実験。バッテリー部分から発火してしまった

さらに大事なのが、不要になった際は燃えないゴミなどに出さず、自治体が指定する方法で正しく処分すること。昨今、不燃ゴミに紛れていたリチウムイオンバッテリー内蔵機器を回収したゴミ収集車から出火する事故が増えています。