映画『ラーゲリより愛を込めて』(12月9日公開)の完成報告会見が17日に都内で行われ、二宮和也、北川景子、松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕、瀬々敬久監督、平野隆プロデューサーが登場した。
同作はノンフィクション作家・辺見じゅんによる著書の実写化作。第二次世界大戦終了後、60万人を超える日本人が不当に抑留され捕虜となったシベリアの強制収容所(ラーゲリ)で、ただ一人、生きることへの希望を捨てなかった山本幡男(二宮)の半生を描く。
報告会見を以て、松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕ら収容所チームのキャストが明らかに。中島は「時代は変わっても、やっぱ人を想う愛だったり気持ちというのは変わらないんだなと思うことができましたし、僕らがこの時代を生きていく中で、普通の日常がどれだけ幸せなのかというのを感じることができました」と作品について語る。「この作品に臨むにあたって、おじいちゃんだったり、いろんな方に報告をさせていただいて、その時に『自分たちの歴史をちゃんと伝えてほしい』と話された。映画を観ていくうちに、きっとたくさんの方に『今これを絶対に見るべき』というメッセージが伝わると思え、随所随所に愛が溢れてました」と感想を述べた。
先輩である二宮については「僕はもう二宮くんのお芝居に、ワンカットワンカット感銘を受けていた」と明かし、二宮は「おっす」と照れた様子。印象的なシーンを聞かれると、中島は「いやあ、すべてなんですよね。特筆してこれと言うと、そこだけを贔屓しているみたいなんで、ちょっとダメだと思って、全部です」と熱弁し、二宮はさらに「うっす」と反応。中島から「言葉の教科書、うっすしかないんですか?」とつっこまれていた。
中島は同作の思い出として「人生で初めて丸刈りにしたんですよ。それが衝撃だったんです。プラス、人生で初めて褌も穿いたんですね。川で0度くらいで、かなり寒い中での撮影だったんですけど、瀬々組が初めてだったので、瀬々さんもいるし二宮大先輩もいるし負けらんないなと思って、待ち時間もロケジャンを着るのやめたんです。ずっと裸で『俺は強いんだ』とアピールしてたんですけど、すぐ『着ろ!』って怒られて」と苦笑する。
中島はさらに「目の前の二宮くんに『ロケジャン着てください』と言ったら、『後輩がこんなに寒がってるのに、俺がロケジャンを着ることはない』と言って、裏でも映画スターで」と絶賛し、二宮は「素っ裸の人に『服着てください』と言われて着れます? 着れないですよね?」と訴える。「二宮くんは丸刈りの先駆者なので、その後継としてヘアスタイルができたこと光栄でした」と意外な観点からも語る中島について、二宮は「重要な役なんだなと思いました。見ていて楽しい映画ではないし、考えながら見たりしているんですけど、出てくると明るくなる。クロ(犬)の存在も起きかったし、クロのシーンは確かに大変なこともありましたけど、映画の重さを軽くしてくれたんじゃないかなと思いますね」と語った。
また、過酷な撮影の中でも「宿泊地からラーゲリまで行く時の車の中のメンバーの会話が楽しかった」という中島。「桃李さんとはカードゲームの話もしましたし、きりけんさんは『今度、肉行こうな』という話もしてくれましたし、やすけんさんはずっと役に集中されてたので、そんなお話できなかったんですけど、二宮くんと『個性が豊かですね』という話をして、何気ない時間が好きでした」と振り返った。
話題が豊富な中島は、安田から「クリスマスに中島くんが『ハッピークリスマス!』と一人一人にちょっとしたプレゼントをくれて、ああセクシーだなと思いました」とエピソードも。中島は「少し華を添えただけです。ちょっとでも楽しくなるといいなと思ったので。後輩なので、二宮くんの背中を見てこういうことをやるべきだなと」と説明し、エピソードを披露した安田に対し「ありがとうございます。セクシーサンキュー!」が飛び出す。二宮は「おめでとうございます」となぜか安田を祝福し、中島は「あんまり映画の場で言わないようにしているんですけど」と弁解していた。