β版や試用版を先行リリースして機能の安定化を図り、落ち着いたところで本格的に広めるという手法は、多くのIT系企業が採用するところ。Appleもその例に漏れず、当初はApple自ら開発したアプリにのみ機能を実装し、後日サードパーティ製アプリにも搭載を認める、という手法も利用しています。SiriやVR/AR関連機能がその好例といえるでしょう。
2022年秋公開予定のiOS 16では、VisionKitと呼ばれる開発フレームワークがサードパーティに公開されました。このフレームワークを利用すると、アプリのカメラストリーム(カメラをかざして取得する映像)からリアルタイムにテキストを認識できるようになります。iOS 15で導入された「テキスト認識表示(Live Text)」の強化版であり、日本語の認識にも対応するところがポイントです。
この機能を日本語環境で使いたいのであれば、iOS 16とVisionKit対応アプリの登場を待つしかありませんが、いますぐ手持ちのリソースでなんとかしたいという場合には、「メールアドレスのスキャン」がおすすめです。メールアドレスはRFCの規定により、半角英数字とハイフンやアンダーバーなどiOS 15時点の機能でスキャンできるため、日本語環境でも英語環境と遜色なく利用できるのです。
使いかたはかんたん、メールアプリ(またはメッセージアプリ)の新規メッセージ画面で宛先欄をタップし、現れた「メールアドレスをスキャン」をタップしましょう。画面下部にカメラが捉えた画像がプレビューされるので、メールアドレス全体が映るようカメラの向きを調整すればOKです。名刺やWEBページ上にあるメールアドレスは、ほぼ正確に認識されるはずですよ。