女優の芳根京子が、TBS系日曜劇場『オールドルーキー』(毎週日曜21:00~)でバリバリのキャリアウーマン・深沢塔子役を好演している。『真犯人フラグ』(日本テレビ)、『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』(テレビ朝日)と立て続けに連ドラヒロインを務め、作品ごとに違った魅力で視聴者を魅了している芳根。本作での役作りについて聞くとともに、スカウトきっかけに飛び込んだ芸能界で、女優としての覚悟が芽生えた転機も語ってもらった。

  • 芳根京子 撮影:蔦野裕

『オールドルーキー』は、現役を引退した元サッカー日本代表の主人公・新町亮太郎(綾野剛)が、スポーツマネージメントの世界でセカンドキャリアを切り開いていく物語。芳根が演じる深沢塔子は、新町が所属するスポーツマネージメント会社「ビクトリー」でバリバリ働く優秀なキャリアウーマンで、新町の教育係としてバディを組んでいる。

芳根は、塔子を演じる際に「ちゃきちゃきしていよう」と意識。加えて、「表情豊かに、バタバタしているのがチャーミングだといいなと思いながら演じています」と明かす。

自身との共通点は「あまりなくて、直観で動くところぐらいだと思います。自分の思ったことを大事にするというのは、すごくわかります」とのこと。どちらも直観で動くタイプながら、その中でタイプが違うと言う。

「私はちゃきちゃきしていないと思います。塔子みたいに人を引っ張っていくのは苦手ですし、自分の意見をはっきり言うのもそんなに得意じゃないですし。私も直観で動きますが空気を読むタイプ。塔子が読んでいないわけではないですけど、塔子は本当に自分の意見を大事にしている人だから、ちょっと強引なところもある。私なら躊躇してしまうところを、塔子はズバッと前に進める女性なのでかっこいいなと。私にもその強さが少しほしいなと思いながら演じています」

人を引っ張るタイプではない芳根が新町を頼もしく引っ張っていく塔子役を演じるのは、かなりエネルギーが必要なようで、「帰ったらどっと疲れます(笑)」と吐露。「すごくエネルギーを放出する役だなと思います」と打ち明ける。

■『真犯人フラグ』でも引っ張る女性役「同じタイプにならないといいなと」

本作において挑戦だなと感じていることを尋ねると、「この1年、ドラマをたくさんやらせていただき、『真犯人フラグ』でも西島(秀俊)さん演じる課長を引っ張る女性を演じ、今回も綾野さん演じる新町さんを引っ張る女性ですが、引っ張り方が違う。『真犯人フラグ』では2クールも1つの役をやらせてもらったので、それとは同じタイプの女性にならないといいなというのはずっと思っていました」と回答。「しっかりした女性役が続く分、どういう風に塔子の人間味、面白味を出していけるか」という点が自分の中で挑戦だったという。

どのように演じようか考えているときに制作サイドから髪を切ることを提案され、20cmバッサリ切ってショートに。「それがすごく救いになるところも多くて、いろんなものをバッサリ落とすことで気持ちもさっぱりしてこの作品に入れたのはよかったなと思っています」とスッキリした笑顔で語る。

イメチェンによって、『真犯人フラグ』の二宮瑞穂役からスパッと切り替えて新たな気持ちで演じることができたのだという。「私は感覚でお芝居していて、そんなに頭で意識して変えてはいませんが、ビジュアルはすごく大事で、メイクしてもらって、塔子の衣装を着て、セリフをどう言うと魅力的か考えたら、自然とここまで来られました」

また、「綾野さんの引き出してくださる力にすごく助けられているなと思うときがたくさんあり、負けないように食らいつかなきゃなって日々戦っています」とも。「綾野さんはすごくコミュニケーションをとりながらお芝居を作ってくださるので、不安な思いで本番を迎えることがないんです」と言い、「1話のタクシーのシーンでバチンとハマった感覚があり、1話から信頼関係が作れた気がしています」と綾野への信頼を口にした。

引っ張る女性を続けて演じ、やりがいも難しさも感じているという芳根。「引っ張る女性ということで、自分の役割がはっきりしているから、それをどう魅力的に見せられるか……直観でお芝居しているのですが、頭を使わないといけないことも多い1年だなと。説明することが多い立場なので、どういうセリフ回しをすると説明セリフがスッと入ってくるかなとか、そういう難しさはこの1年すごく感じています」と語った。