米Microsoftは8月10日(現地時間)、同社がデザインした絵文字のオープンソース化を発表した。制限が少なくカスタマイズに利用しやすいMITライセンスを採用。1500個以上の絵文字をGitHubとFigmaで公開した。
Microsoftはリモート環境やハイブリッドワーク環境での働き方をサポートする取り組みの一環として、オンラインでの表現を豊かにするステッカーや背景、テーマなどを充実させている。絵文字もその1つであり、昨年7月に1,800個以上ある全ての絵文字をFluent Design Systemに基づいて刷新した。新デザインは、やわらかい質感と鮮やかな色、表現性に富んだ立体感のあるデザインを特徴としている。
近年、個人の表現に用いられることが多い絵文字にダイバーシティとインクルージョンが強く求められるようになった。たとえば、Unicodeが「Unicode 8.0」で肌の色の多様性に対応し、現在はFitzpatrickスケールに基づいた6つの肌色を選択できる。絵文字のインクルージョンは向上している。だが、それでも十分ではないと感じる人が多い。クリエイターの自由な表現を支援し、また文化や宗教、食べ物、政治など多種多様な属性やアイデンティティーを反映できるように、オープンソース化で絵文字を広く応用できるようにした。
公開された絵文字は1,538個。ステッカーにリミックス、ハロウィーン絵文字などユニークな絵文字セットを作成したり、コンテンツに使用するなど、様々に利用できる。ただし、MicrosoftのOfficeアシスタント「Clippy」は含まれない。トレードマークはオープンソース化できないためで、同じ理由で国旗、ビデオゲーム、エンジニア(Windowsロゴが入っている)も外された。
Microsoftはクリエイターの新たな体験を構築する取り組みを進めており、発表の中で今秋のさらなる展開を予告している。一例として、今年5月にMicrosoft Buildで披露したPower Appsの新機能「Express design」を挙げた。手書きのスケッチやPDF、FigmaのデザインファイルなどからAIがアプリ画面を自動作成する機能だ。アイディア出しからアプリ作成の流れが迅速かつ容易になり、デザインの自由度が上がると期待されている。