日本エイサーは8月某日、都内でメディア向けの発表会を開催し、すでにグローバルでは発表済みのサステナブル素材活用ノートPC「Aspire Vero」シリーズのお披露目を行いました。発表会には日本法人代表取締役社長のボブ・セン氏が登壇して製品を紹介し、環境負荷低減への取り組みについて説明。さらに2名のゲストが登壇し、現在地球が直面している環境問題や日本の海についてプレゼンテーションを実施しました。

今回この発表会に参加してきたので、内容をダイジェストでお届け。会場には製品の実機も展示されており、プラスチック製のノートPCとしてはかなり珍しい未塗装のボディを眺めることができました。

  • AcerがPC領域で挑むサステナビリティへの取り組みとは

前例のないノートPC作りになった

まず社長であるボブ・セン氏が先陣を切って登壇。新製品の紹介に加え、Acerの環境保護へのコミットメントについてプレゼンテーションを行いました。内容についてまとめると、Acerではグローバルでの達成目標として明確な数字を設定済み。他の企業に先駆けて「サステナビリティレポート」の公開を行っており、サプライチェーン全体でのカーボンフットプリント削減に取り組んでいると話します。

  • 登壇したボブ・セン社長

  • 製品開発におけるプロダクトデザインからリサイクルまで、製品のライフサイクル全体で環境に配慮

  • 達成目標はかなり意欲的。2035年までに再生可能エネルギーを100%使用することを掲げます

加えて、今回発表の「Vero」シリーズについても紹介が行われました。なんと言ってもポイントはPCR(Post Consumer Recycled)素材をボディに30%、キーキャップには50%利用しているところ。さらにボディは無塗装で、梱包素材にはリサイクル紙を80%、リサイクルプラスチックを100%採用して水性塗料での印刷を行っています。ちなみに、AcerはCSRのページで取り組みについての詳細な情報を多数公開しています。

  • 今回発表のPCR素材採用製品ラインナップ。ディスプレイもある

  • 前例のない製品づくりに

  • 従来製品よりCO2排出量を約21%低減

  • 独自ユーティリティ「VeroSense」を活用してバッテリーサイクルを長期化

  • 主な仕様。第11世代Intel Coreプロセッサ搭載です

日本エイサー社長に加え、ゲストとして日本初の無料給水プラットフォーム「mymizu」共同創設者であるルイス ロビン敬(たかし)氏と、プロのSUPレーサーでオーシャンアスリートの金子ケニー氏が登壇。海洋プラスチックごみの現状について、それぞれの視点から話されました。

  • ルイス ロビン敬(たかし)氏。エジンバラ大学国際ビジネス学修士課程卒業後、世界銀行気候変動グループや国際連合開発計画でのコンサルタントに従事

  • 海洋ゴミの現状や日本の立ち位置、環境保護へのコミットメントについて紹介

  • 金子ケニー氏。2014年の全日本SUP選手権で初優勝し、2019年の世界大会でベスト3入賞。毎日海と関わっていく中で、海洋ゴミに対して感じたことについて紹介した

  • 今回の発表会の登壇者の皆さん

実機もチェック。破砕プラスチックがゴロゴロ見える

最後に、会場に展示されていた実機についてもご紹介。やはりひと目見てPCR素材の採用がはっきりわかる外観で、ビジネスシーンに持ち出せば話題になること間違いなし。無塗装無垢仕様のボディは破砕されたプラスチックがゴロゴロ入っており、いかにもサステナブルな雰囲気に仕上げられています。

  • 会場にあったノートPC「Aspire Vero」と…

  • 「TravelMate Vero」。PCR素材の活用が大きく掲げられているのがVeroシリーズです

  • 展示台もエコ素材

  • ボディの様子。PCR素材であることが彫り込まれています

  • 会場で関係者の感心を引いていた、シールではなく彫り込みであしらわれたインテルのロゴ。「®」マーク等がなく、どういう扱いなのか話題になっていました

  • キーボードはキーワードの「R」と「E」にアクセントカラー

  • Aspire Veroの端子部。Type-Cに加え、HDMI端子やUSB Type-A端子を備えて周辺機器との接続も問題なく行えます(2022/08/13加筆:初出時、Type-Cでも給電できると記述していましたが、誤りでした。お詫びして訂正いたします)

  • 右側。電源やバッテリーのインジケーターは側面に搭載

  • 黒いモデルのPCR素材採用ボディがなかなかグッド。遠目に見れば星空みたいで気に入りました

  • ディスプレイもPCR素材採用モデル「Vero BR7」が登場します。ノートPCの倍以上PCRプラスチックを活用している点がポイント

  • 発表会会場の様子