「追随」の意味や使い方、対義語などを紹介します。
「追随」には「追従」をはじめとして似た意味の言葉が多いので、それぞれの言葉との違いも解説します。
「追随」の意味とは
「追随」には、下記のような意味があります。
- 後からついていくこと
- 優れたものの業績などをまねして、追いつこうとすること
「追随」の読み方
「追随」は「ついずい」と読みます。
「追随」の由来、成り立ち
「追随」という熟語を構成している「追」と「随」には、それぞれ下記のような意味があります。
「追」の意味は、「先に進むものの後をついて行く」「追い求める、たずね求める」などです。
「随」には、「他人の後について行く」「成り行きに任せる」という意味があります。これら2つの漢字の意味が組み合わさって、「他人に従って追いかける」という意味を持つ「追随」という言葉が構成されています。
古語では別の意味もあった
「追随」は日本で長く使われており、過去には他の意味でも使われていた言葉です。古語では、「死んだ人や過去のできごとなどを心の中で慕うこと」という意味で使われていました。
「追随」の使い方・例文
例文とともに「追随」の使い方を見ていきましょう。
追随する
・米国株価の上昇に追随して、日本の株価も上昇してきた
・昨年できた法律に追随して、さらなる規制が進んでいきそうだ
上記のように、「追随」は「する」と組み合わせて使われることが多いです。
追随を許さない
・入社してすぐ、彼は周りの追随を許さないほどの営業成績を上げていた
・地道に開発を続けた結果、わが社の技術力は今や他社の追随を許さない
「追随を許さない」とは、上記のように「追いつけない」という意味で使われます。
追随高
・大手IT企業のゲームが大ヒットして株価が上昇したことが影響して、同業他社の株価も追随高となった
「追随高」とは株式用語で、ある銘柄が、人気の銘柄に引きずられて値上がりすることです。同業種や関連銘柄が買われることで追随高となるケースが多いようです。
「追随」の類義語と、意味の違い
「追随」には似た状況で使われる言葉がいくつかあります。ここからは、「追随」の類義語と、「追随」との意味の違いを見ていきましょう。
追従(ついじゅう)
「追従」とは、「後に付き従うこと」「人の意見に従うこと」という意味の言葉です。
「追随」が「優れたものをまねする。自分以外のものに任せる、つまり主体性がない」というニュアンスを持つのに対し、「追従」は「人の指示通りに従う、言いなり」というニュアンスの違いがあります。
お供(おとも)
「お供」には、「目上の人へ付き従うことやその人」という意味があります。
「お供」は付き従う対象が「目上の人」に限られている点が、「追随」との違いです。
付和雷同(ふわらいどう)
「付和雷同」とは、「自らの主義・主張なしに、軽々しく他者の説に賛成すること」という意味がある四字熟語です。
つまり「付和雷同」とは「それが優れている、優れていない関係なく、他の人の意見に流される様子」を指すネガティブな言葉です。「優れたもの、目標となるものを追いかける」という意味がある「追随」とは使われる状況が異なります。
人の褌(ふんどし)で相撲を取る
「人の褌で相撲を取る」とは「他人のものを利用して自分に役立てる」という意味があることわざです。
他人のものを利用する点は「追随」と共通していますが、「他人のもので利益を得る」という意味が含まれている点が異なります。
「追随」の対義語
ここからは、「追随」とは逆の状況で使われる、対義語を見ていきましょう。
率先(そっせん)
「率先」には、「人の先に立って行動すること」という意味があります。「人を追って従う」という意味がある「追随」とは、逆の立場で使われる言葉です。
主導(しゅどう)
「主導」は、「中心となって他者を導くこと」という意味がある言葉です。追随する人たちを導く立場の人が使う言葉です。
「追随」の意味や使い方を身に付けよう
「追随」は「後からついていくこと」「 優れたものの業績などをまねして、追いつこうとすること」などの意味がある言葉です。
「追随」と似た意味を持つ言葉はいくつかありますが、よく比較されるのは「追従」です。それぞれの意味の違いを理解して、状況に合わせて使い分けましょう。
「追随」はビジネスシーンでも使う機会がある言葉です。この記事の使用例を参考に、うまく活用していきましょう。