GENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太と、新人女優・江藤萌生が主演を務める、テレビ東京のドラマ『運命警察』(毎週火曜24:30~)が現在放映されている。同局のオーディション番組『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』(毎週日曜21:00~)から生まれたドラマで、「女優オーディション 人生で一度くらいドラマの主役やってみませんか?」企画の合格者である江藤が主演女優に抜擢された。

物語は「運命警察」という“あの世”の組織を題材とし、運命警察に所属するセブン(片寄)は、清掃会社で働く主人公・長野命(江藤)が運命を外れ「女優になる」夢を追いかける事態を阻止するため、“この世”に送り込まれる。同じ清掃会社で働きながら、さりげなく命の夢を邪魔するセブンだが、次第に命の姿から影響を受けるようになる。今回は主演の2人にインタビュー。作品やオーディションについての思い、さらには芸能界を生き残っていくコツについても話を聞いた。

  • 左から江藤萌生、片寄涼太 撮影:友野雄

    左から江藤萌生、片寄涼太 撮影:友野雄

■『Dreamer Z』の最終審査で初対面

――まずはお互いの第一印象と、撮影を経た今の印象の違いを教えてください。

江藤:私が最初にお会いしたのは『Dreamer Z』の最終審査で、一緒にお芝居をする時でした。最初からすごく気さくな方で、私たちの緊張を和らげてくれようとしてくださっているのが伝わってきて、そのおかげでリラックスして最終審査に臨めました。撮影が進む中でも、いい意味で全然第一印象と変わらなくて、人との距離の詰め方が自然な方なんだろうなと。初対面でもフレンドリーで、雰囲気作りもお上手で、いつも現場の空気をあたたかくしてくださるんです。私がどうしても緊張してうまくお芝居ができない時にも「大丈夫だよ」と励ましてくださったり、お兄さん的な存在です。

片寄:僕は『Dreamer Z』で拝見していたので、オーディションの中で「ヒロインぽさがある」と言われていたことについても「たしかに」と思っていたし、実際に最終審査でお会いして、強い思いを持ってる方だなと感じました。撮影を始めてからは、強さの中にも頭脳がある方だなと思いました。まず頭で理解をしたことを体に落とし込もうとしている方で、監督の言葉に対しても食らいついて、僕にもどんどん聞いてくる。頭がいいからこそ初めての経験でたくさんの疑問があって、それを一つずつ解消していって表現をされているように感じました。

江藤:絶対にいい作品にしたいという思いがあるので、できるだけ監督が何を言いたかったのか理解しようとして、無意識に頭をフル回転しているところはあると思います(笑)。でも、やってみないとわからないこともたくさんあるので、頭も使いつつトライアンドエラーを重ねている感覚です。

――『運命警察』は、今もお話に出た『Dreamer Z』と切り離せないドラマだなとも思います。『Dreamer Z』では、女優企画だけでなくLDHのオーディション「iCON Z 2022 ~Dreams For Children~」の男性部門で、平均年齢15歳のLIL LEAGUE(リルリーグ)がグランプリに輝いた場面に片寄さんもいらっしゃったかと思いますが、どういった印象でしたか?

片寄:新しいグループのエネルギー、新世代感をすごく感じました。特に合格したLIL LEAGUEは、オーディションの最終審査に残っていた他のグループと比べても年齢的には1番下で、LDHに新しい風を吹かせるグループになるんじゃないかなと。

――LIL LEAGUEの会見では、HIROさんが報道陣に「いつもより優しくないですか?」とつっこんでいたんですが、そういった初々しさなども感じましたか?

片寄:それは、そうなっちゃいますよね(笑)。自分自身もステージで一緒にパフォーマンスを行なって、初心を思い出すきっかけにもなりましたし、感動的な瞬間に立ち会えたことが嬉しかったです。フレッシュさや気遣いも感じられて、『運命警察』で江藤さんとご一緒することにも生かされる経験だったように思います。

――江藤さんも『Dreamer Z』で運命が変わったのかなと思います。番組に対してはどういう思いを持たれていますか?

江藤:確実に自分の人生を変えてくれた番組だと思っていて、本当にターニングポイントだと実感しているところです。『Dreamer Z』がなかったら、私はここにいないし、私を見つけてくださって、すごく思い入れがある番組です。

■「次も一緒に仕事したい」と思われる人であること

――今回江藤さんはドラマの中でもオーディションに挑まれる展開で、実際に自分のオーディションを思い出したところなどはありましたか?

江藤:それこそ、オーディションを受けることを反対されてしまったり、周囲によく思われなかったりするところです。「女優になりたい」と告白するのもすごく勇気がいることですし、『Dreamer Z』の放送が始まるまでは、両親にも反対されていました。

片寄:そうなんだ!?

江藤:親としては心配だったのだと思います。『Dreamer Z』で12人まで残って放送される直前まで反対されていたので、勇気を出して踏み出して受けたオーディションだったのに、「何で応援してくれないんだろう」と思ってしまうつらさはよくわかりました。自分は諦めるしかないのかとも思ってしまいましたし、作中でも役を作り込まなくても自然に感情が湧いて出てきたところです。色々な方に励まされて「頑張ります」と気持ちを持ち直すシーンもあったりするんですけど、そこも、実際にテレビ放送があって色々な応援の声をいただく感覚と似ています。自分の心がどんどん「これでいいんだ」「女優を目指していていいんだ」とポジティブに積み重なっていく感覚で。本当に全体的にグッと来ていました。

片寄:僕も、命やセブンが迷いながら選択をしていく場面についてはすごく共感します。やっぱり、人生って選択の繰り返しじゃないですか。選んだことによって、得るものあれば失うものもある。その中で自分の運命を選んでいく姿勢は印象に残っています。

――江藤さんは今後の活動についてのビジョンもあるのでしょうか?

江藤:まずは、この『運命警察』を大成功させるというのが1番近い目標です。その後はお芝居のお仕事を続けたいと、日に日に強く思うようになっています。実際に現場に入って、こんなにたくさんの人が作品のために時間と労力と思いを懸けていることがわかって、すごく感動して、こんなにやり甲斐のあるお仕事はないと思いました。お芝居のお仕事を続けて、今回お世話になった共演者の方、スタッフの方、それから家族や親戚、皆さんに恩返しできるような存在になりたいです。成長して「頑張ってるな」と思ってもらえるくらい活躍できればと思っています。

――片寄さんから、何か芸能界を生き残っていくためのアドバイスなどありますか?

江藤:教えてほしいです!

片寄:ええっ!?(笑) なんだろう? でも、すごく“人”が大事だということは感じています。「次も一緒に仕事したい」と思われないと。例えば街で出会う1人から好きだと思ってもらえるような人でい続けたら、その数が広がって、応援してくれる人も増えるんじゃないか、といった感覚があります。だからしっかり人と接して、「また会いたい」「また一緒に仕事したい」と思われる人でい続けることが大事なんじゃないかな。僕もまだまだですが……。

江藤:すごく素敵です。私はまだ全然経験が浅いので、色んな人にけっこうインタビューをしていて……。

片寄:インタビューしてるんだ!

江藤:「どういう人とまたお仕事をしたいと思いますか?」とインタビューしています(笑)。それで聞くと、やっぱり共通しているのは「人間力だよ」ということで。長い時間一緒にいてすごく近い距離でお仕事をするので、人間力が必要なんだろうなと、片寄さんのアドバイスもいただいて改めて感じました。

■片寄涼太
1994年8月29日生まれ、大阪府出身。2010年に「VOCAL BATTLE AUDITION 2」に参加しファイナリストとなり、2012年からはGENERATIONSのボーカルとして活動。俳優としても活躍し、主な出演作にドラマ『GTO』(14年)、ドラマ&映画『兄に愛されすぎて困ってます』(17年)、ドラマ&映画『PRINCE OF LEGEND』シリーズ(19年~20年)、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(19年)、『病室で念仏を唱えないでください』(20年)、映画『午前0時、キスしに来てよ』(19年)など。

■江藤萌生
1999年5月1日生まれ、福岡県出身。2022年にオーディション番組『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』で優勝し、ドラマ『運命警察』で女優デビューを果たす。