ダイキン工業は8月9日、エアコンのフィルター掃除や室外機周辺の片付けによる具体的な節電効果を探るため、実際の住宅に設置されているエアコンを使った実験を通じて調査し、その結果を公開した。
エアコンの基本的な節電策である「フィルター掃除」と「室外機周辺の片付け」の節電効果を調査。実験はエアコンの使用実態も考慮し、今でも多くの家庭で使われている10年以上前のエアコンと、約3年分のホコリが溜まったフィルターを用いて行った。
エアコンの「フィルター掃除」をした場合としなかった場合で、それぞれ日中9時間(9:00~18:00)、エアコンをつけっぱなしにして消費電力量を計測し、1カ月あたりの電気料金とCO2排出量も算出した。
その結果、「フィルター掃除」をした場合、しなかった場合と比べて約5割(48.9%)のムダな消費電力量を削減でき、電気料金が800円、CO2排出量が11.7kg削減されるという結果になった。
「フィルター掃除」と「室外機周辺の片付け」を実施した場合、しなかった場合と比較して「消費電力量は半減(105.1%のムダな消費電力量を削減)」し、1カ月あたりの電気料金は1,720円、CO2排出量は25.2kg削減されるという大きな効果が得られた。
ダイキンは、エアコンのフィルター掃除だけでなく、室外機周辺に障害物がないかについても確認することを推奨している。
エアコンの節電実態に関する調査では、本格的にエアコンを使用するシーズン中に推奨される「2週間に1回以上」の頻度でフィルターを掃除している人は、わずか12.5%に留まった。約4割(39.9%)の人は1カ月に1回以下で、「まだしていない/する予定はない」人を含めると半数以上の55.0%の人が掃除不足の状態にあるという。
また、フィルター掃除をしていない人や掃除をする予定がない人は15.1%で、わからないと回答した人も含め、長期間フィルター掃除をしていない人が一定数いることも明らかになった。
また、「室外機の周辺には物を置かないようにしている」人は約9割(88.5%)に達した一方で、「室外機の吹き出し口や吸い込み口付近に物を置いている」「室外機をカバーなどで覆っている」人も約1割(11.4%)で、3人以上の世帯では14.6%と多かった。
室外機周辺に荷物を置いて吸込口や吹出口がふさがれるとエアコンの運転効率が下がり、消費電力やそれに伴う電気代、CO2排出量の増加につながる。ダイキンは、室外機のそばに荷物を置いたり室外機をカバーで隠したりせず、整理整頓を心掛けるように呼びかけている。