近畿日本鉄道は、同社の車両をテーマにした公式トレーディングカード「きんてつトレインズ!」を7月30日に発売した。全11種類を用意しており、コレクションとしてだけでなく、2人以上で遊ぶカードゲームとしても楽しめる。
「きんてつトレインズ!」は1袋1枚入り(封入カードはランダム)、200円で販売。7月30日に大阪上本町駅(地上)特急券売り場で先行発売され、8月1日から近鉄サイト内「近鉄グッズ販売部」でのインターネット販売も開始された(インターネット販売は5枚単位)。その他、近鉄が出展する各種イベントでも販売を予定している。
今回販売された「きんてつトレインズ!」全11種類は、「しまかぜ」や「ひのとり」といった人気列車から、昨年引退した「新スナックカー」まで、近鉄の特急車両を中心としたラインナップに。カードを見るだけでも楽しいが、トレーディングカードゲームとして遊べる点も特徴となっている。
近鉄初という公式トレーディングカードの発売を受け、同社の団体専用列車「楽」の車内で、近鉄社員のレクチャーを受けつつ、「きんてつトレインズ!」を使ったゲームを体験取材できる機会が設けられた。「楽」の両先頭車両のサロン席と中間車両は大型テーブル付き座席スペースとなっており、グループ旅行でのゲームなどにも適している。今後、「楽」を活用した「きんてつトレインズ!」のイベントも予定しているとのこと。カードの魅力を探るべく、筆者は会場の高安車庫へ向かった。
「きんてつトレインズ!」を使ったゲームは、基本的に2人で遊ぶことを想定しており、必要なカード枚数は1人11~20枚とされる。「車両カード」に加え、1回使い切りの青いカード「アシストカード」もあり、「回送」「出庫」「乗り換え」と記された各カードで「効果」も紹介。「車両カード」は車両の特徴とともに、そのカードの持つ能力を示す「スキル」も紹介されていた。
ゲーム開始前、カードをシャッフルし、裏向きにしたカードをテーブル上の「山札」(シャッフルしたカードを置く場所)に置く。プレイヤーは「山札」からカードを3枚引いて手札とし、先攻・後攻を決めてゲームがスタート。カードを出す場所は「場」と呼ばれ、向かって左側から「大阪」「奈良」「京都」「三重」「名古屋」エリアと決められている。「車両カード」の右上に、設定エリアが漢字1文字(「大」「奈」「京」「三」「名」。新スナックカーのみ「全」)で示されており、設定エリアの範囲内で「車両カード」を「場」に出さなければならない。
先攻・後攻それぞれのターンの流れとして、「山札」からカードを1枚引いて手札に加え(先攻の1ターン目は不可)、手札となった「車両カード」を1枚まで「場」に出せる。「アシストカード」は何枚でも使用可能だが、1回使い切りのため、使い終わったら表向きのまま「車庫エリア」(場所は「山札」の上)に置く必要がある。「スキル」(車両カード)・「効果」(アシストカード)の対象となった「車両カード」も「車庫エリア」に置く。
「車両カード」の進行具合は「進行度」と呼ばれ、手札のカードを「場」に出したときの進行度は「1」。基本的に1ターンで「1」ずつ自動的に進められるほか、各カードの「スキル」などを用いて進めることもできる。
先攻・後攻のターンを繰り返し、進行度が進むごとに、プレイヤーは「場」に出した「車両カード」を反時計回りに動かす。進行度が「5」に到達したら、カードを裏返してゴール。設定された5エリアのうち、先に3エリアでゴールしたプレイヤーが勝利となる。
筆者にとって、「きんてつトレインズ!」のゲームは初体験ということもあり、序盤はシンプルに「車両カード」を「場」にのせることを心がけた。しかし、相手プレイヤーの「車両カード」1枚が進行度「4」となり、なにかしら妨害しなければ「5」となってしまい、相手がゴールする状況に。そこで役立ったのが、「アシストカード」の「回送」だった。これを使うと、「場」にあった車両カードを「車庫エリア」に追いやり、相手プレイヤーのゴールを遅らせることができる。
一方、「アシストカード」の「出庫」を使うと、「車庫エリア」にあった「車両カード」を「場」に戻せる。「車両カード」にもさまざまな「スキル」があるため、想像以上に頭を使った。最終的に、最強の「車両カード」といえる「新スナックカー」(「大阪」または「名古屋」エリアにカードを出すと「スキル」発動。コイントスを行い、表なら進行度を「5」にできる)が手札にあったことから、なんとか勝利を収めることができた。
慣れると1ゲーム10~15分で終了するため、近鉄特急の車内などでも気軽に遊べるゲームになっている。「きんてつトレインズ!」の製作に携わった担当者によると、今回発売された第1弾が好評だった場合、第2弾以降の展開も検討するという。団体専用車両や一般車両のカード化も計画中。「きんてつトレインズ!」を使った大会の開催も視野に入っているとのことだった。
「きんてつトレインズ!」を使ったトレーディングカードゲームのルールをはじめ、「車両カード」の「スキル」、「アシストカード」の「効果」など、「近鉄グッズ販売部」でも詳しく紹介されている。小学校高学年以上なら誰でも楽しめるということで、ぜひ試してみてほしい。
なお、近鉄は9月23日に、「きんてつトレインズ!」発売記念企画「団体専用列車『楽』で行く! 名張車庫車窓見学ツアー」の開催を予定している。今回の取材でも使用された「楽」を大阪上本町駅から名張車庫まで運行し、車内から車庫見学・洗車体験等を楽しめる。参加記念品として、「きんてつトレインズ!」の特別カード「楽」2枚のプレゼントも。募集人数は100名(最少催行人員70名)。旅行代金は1名あたり9,000円(決済はクレジットカードのみ)。申込みはインターネットのみ、近鉄サイト内の専用ページにて受け付ける。