大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)の第30回「全成の確率」が7日に放送され、新納慎也演じる阿野全成の最期が描かれた。
三谷幸喜氏が脚本を手掛ける本作は、源頼朝の右腕として活躍し、武士の世を盤石にした鎌倉幕府の2代目執権・北条義時(小栗旬)の物語。
今回、源頼家(金子大地)に対して呪詛を行った疑いにより、詮議を受けた阿野全成(新納慎也)。命は救われ流罪となるも、比企能員(佐藤二朗)にはめられて頼家の怒りを買い、殺されることに。ひたすら呪文を唱えながら最期を迎えた。
阿野全成役の新納慎也がコメントを寄せた。
――全成の最期のシーンを演じて
台本をいただいたときに「本当にすてきなラストを描いてくださったな、三谷さん、ありがとうございます」と。三谷さんにも連絡して「ありがとうございます」と言いました。本当に悲しい、すてきな最期を描いてくれたと台本の段階でも思っていましたが、それをさらに何倍もすてきなシーンにしてくださった演出とスタッフのみなさんに、今はもう本当に感謝ですね。みんなの努力と、みんなの力です。僕だけではなくて、演出だけではなくて、三谷さんだけではなくて、照明・音響・美術・撮影など、すべてのセクションの努力が報われました。今、撮影が終わったばっかりですけど、すべての皆さんの努力が報われた、いいシーンになったと思っています。
――実衣(宮澤エマ)への思い
斬られて流れた自分の血の赤い色を見たとき、ずっと実衣ちゃんに「君は赤が似合うね」と言ってきたので、赤という色で実衣を思い出したんですよね、あの瞬間に。とにかくあの瞬間は実衣のもとに帰りたい、実衣に会いたいという一心で、実衣への思いだけで最後の力を振り絞って、というシーンでした。全成登場から全体を通してですけど、おそらくこの『鎌倉殿の13人』においての阿野全成さんは兄である頼朝さんの力になるために鎌倉に来て、できるかぎり、自分のできる範囲で力になろうとは思うけど、そんなにむちゃくちゃなこともしない。これは僕の考えですが、全成は実衣と出会ってしまったことで、自分のできる範囲でもちろん頼朝さんのお手伝いはするけれど、基本は実衣とこの鎌倉で一生、穏やかに暮らしていきたかっただけの人になったんじゃないかなと思います。今、最期のシーンを撮って、この『鎌倉殿の13人』で僕が演じた阿野全成は、ただ実衣を愛していただけの男、みたいな感じですね。
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