2022年7月30日から31日の2日間、新宿住友ビル三角広場にて、NTTドコモが展開するeスポーツリーグブランド「X-MOMENT」による『レインボーシックス シージ』(以下、R6S)の国内トップリーグ「Rainbow Six Japan League(以下、RJL)2022 Season2 Playoff Stage2」が有観客オフラインで開催されました。
Season2 Playoff Stage2には、RJLレギュラーシーズンの上位6チームと、Playoff Stage1を勝ち抜いた上位2チーム、合わせて8チームが出場。セミファイナルとグランドファイナルが行われたDAY2では、大会テーマソングを歌う3人組ガールズバンド「TRiDENT」による特別ライブも開催されました。本記事では、最終日DAY2の模様をお届けします。
■Season2 Playoff Stage2 出場チーム
・RJLレギュラーシーズン 上位6チーム
Fnatic
KAWASAKI SCARZ
Crest Gaming Lst
FAV gaming
REJECT
CYCLOPS athlete Gaming OSAKA
・Playoff Stage1 上位2チーム
父ノ背中
NORTHEPTION
開放感ある自然光の空間で、快適にオフライン観戦
会場の三角広場は、大きなガラス屋根に覆われた開放感あるイベントスペース。自然光を感じる空間でありながら、空調の効いた屋内で快適に試合を観戦できます。
RJLのオフライン大会が三角広場で開催されるのは2度目。RJLが三角広場を会場に選んでいるのは、試合の迫力を存分に味わえるディスプレイや音響設備が整っているほか、通りすがりの人が見られる開けた会場であることも理由です。
実際に会場付近では、偶然通りかかった人が足を止め、しばらく大会の様子を眺めている光景も見られました。こうしたきっかけから、eスポーツ観戦の裾野が広がることもあるでしょう。
販売されたチケットは、SS席、S席、A席の3種類。両日ともに朝9時から始まり、特にDAY1では夜23時に終了するという長丁場のスケジュールでしたが、再入場可能で地下には飲食店フロアもあり、自身のペースで観戦できるようになっていました。
DAY2の試合は、セミファイナル第1試合からスタート。Season1の王者である「KAWASAKI SCARZ」が、強豪チームの「CYCLOPS athlete Gaming OSAKA」を2-0で下し、グランドファイナルへと駒を進めます。
続いて、セミファイナル第2試合の前に、DAY1から持ち越しとなっていた、「Fnatic」対「NORTHEPTION」の試合がマップ2から再開。ここで「NORTHEPTION」が、RJLレギュラーシーズン1位の「Fnatic」から2-0で勝利を奪うジャイアントキリングを起こします。
そして、迎えたセミファイナル第2試合では、「NORTHEPTION」が勢いそのままに、「REJECT」に対して2-0で勝利。2部トーナメントに位置づけられる「Rainbow Six Japan Open(以下、RJO)」から挑む「NORTHEPTION」が、グランドファイナルの舞台へと駆け上がりました。
試合の合間には、選手やキャスター陣との交流も
会場には、オフライン大会ならではのコンテンツとして、出場チームがグッズ販売を行うチームブースやキャスター陣とのコミュニケーションエリア、オフィシャルグッズの物販ブースが展開されていました。
試合のインターバル中などには、選手たちがチームブースに、キャスター陣がコミュニケーションエリアに訪れ、ファンのサインや写真撮影に応じます。選手やキャスター陣との距離感の近さや交流できるチャンスの多さは、ファンにとってうれしいポイントだったのではないでしょうか。
また、客席からアピールする応援グッズを持参するファンや、オペレーターのコスプレで参加しているファンなど、思い思いにオフライン大会を楽しんでいる姿も見られました。
「TRiDENT」が大迫力のライブで会場を盛り上げる
グランドファイナルの前には、3人組ガールズバンド「TRiDENT」による特別ライブが行われました。RJL 2022 Season2では、歌詞や曲調が『R6S』競技シーンのイメージとマッチするという理由から、TRiDENTの『DISTINATION』が大会テーマソングに起用されています。
『R6S』の国内大会では、これまでにも「Rainbow Six Japan Championship(以下、RJC) 2020」でLiSAの『play the world! feat.PABLO』が、「RJC 2021」でCreepy Nutsの『スポットライト』が大会テーマソングに起用されていました。
どちらも決勝大会でライブが行われましたが、コロナの影響で無観客オフラインでの開催が続いたことから、有観客オフラインでのライブは今回が初めてとなります。
「TRiDENT」は、大迫力のパフォーマンスで6曲を演奏。なかでも、大会テーマソングの『DISTINATION』は、サビの「This MOMENT」という歌詞を「X-MOMENT」と歌うスペシャルバージョンを披露し、会場を大いに盛り上げました。
大会テーマソングは、大会配信のなかでも繰り返しハイライト映像などで使われるため、試合の印象的なシーンと結びついて記憶に残ります。RJLを観戦するファンにとって『DISTINATION』は、オフライン大会の熱気や試合の名シーンを思い出す1曲となっているでしょう。
日が沈み始めたころ、いよいよグランドファイナルへ
そして、いよいよグランドファイナルでは、Season1の王者「KAWASAKI SCARZ」と、RJOから上りつめた「NORTHEPTION」が激突します。
なお、本大会では選手入場にも音楽にまつわる工夫が凝らされており、各チームが選曲した音楽が流れるなか、選手が1人ずつステージに登場しました。例えば、神奈川県川崎市を拠点とする「KAWASAKI SCARZ」は、川崎出身のヒップホップグループBAD HOPの『Kawasaki Drift』で登場。権利の都合上、配信では流れないため、オフライン会場にいる人だけが体感できる演出です。
試合は、マップ1「銀行」からスタートしました。「NORTHEPTION」の勢いを感じさせる立ち上がりとなりましたが、流れを変えたのは「KAWASAKI SCARZ」のRec選手。見事な1vs3クラッチを披露し、20キルという圧倒的なスコアとともに、マップ1を7-4での勝利に導きます。
続くマップ2「クラブハウス」は、「NORTHEPTION」のピックマップ。しかしながら、食らいつく「NORTHEPTION」を抑え、「KAWASAKI SCARZ」が7-3での勝利へ。この勝利により、「KAWASAKI SCARZ」はSeason2 Playoff Stage2において1マップも落とすことなく、Season2での優勝を獲得。そして、Season1からの連覇を成し遂げました。
1日を通して、昼と夜ですっかり雰囲気が変わる三角広場の空間や、自由にまわることができる各ブースでの交流、そして音楽を効果的に絡めた演出も相まって、開放的な音楽フェスに似た楽しみも感じられる大会でした。配信では伝わらない部分も多く、現地でしか味わえない観戦体験へのこだわりを感じました。
「RJL 2022」は年間ポイント制を採用しており、3つのシーズン、およびPlayoff Stage2で獲得できる総ポイントで年間ランキングが決定します。2022年最後のシーズンとなるSeason3は、9月17日よりスタート。このまま「KAWASAKI SCARZ」が年間王者に輝くのか。今後の展開も見逃せません。