映画『アイ・アム まきもと』(9月30日公開)の完成報告会が4日に都内で行われ、阿部サダヲ、宇崎竜童、松下洸平、水田伸生監督が登場した。
同作は水田伸生監督のオリジナル作。小さな市役所の「おみおくり係」に務める牧本壮(阿部サダヲ)は空気が読めない、人の話を聞かない、なかなか心を開かないとちょっと迷惑な男だが、そんな牧本が孤独に亡くなった人を独自のルールに従いおみおくりしていく中、様々な人々と出会い、少し煙たがられながらも彼らの心に変化をもたらしていく。牧本自身の無味な人生も彩られていき、彼の”迷惑”がいつしか”無垢な気持ち”として、周囲と自らに影響を与えていく。
今回、宇崎は身寄りがなく亡くなった老人・蕪木を演じたが、「70年代にデビューしたんですけど、僕の周りはああいう人ばっかり。バンドマンとか、役者、映画製作の人だったりするんですけど。決してインローではなくて。でもアウトローにはなってない。でも蕪木みたいにいろんな意味で乱暴な人。そういう人たち、さっさとなくなっちゃいましたけど」と苦笑する。
監督は宇崎の演じた役について「簡単に言うと、恐ろしくモテる男性なんですね。品行方正ではないのに恐ろしくモテている。なかなかお願いする人が頭に浮かばないんですけど宇崎さんが引き受けてくださって最高に幸せでした」と紹介。宇崎が「僕はそんなにモテませんでしたけど、僕の周りの蕪木風の人たちはみんなやっぱりモテるんですよね」と謙遜すると、監督は「宇崎さんは本当はおモテになったんでしょうけど、忙しすぎてそちらに時間が使えなかっただけだと思うんですよ」と追及し、宇崎は「え?」ととぼけていた。
また、阿部が演じた牧本について、宇崎は「牧本みたいな公務員が日本中にいたら、すごく平和で良い国になってるんだろうなって。みんな国家公務員とか地方公務員になると権力の座で金とかもいうものに走ってるじゃないですか。なんかすごい腹立たしかったんですよね。でもこの映画に参加させてもらって『牧本、来てよ』みたいな」と称えながらチクリ。「こういう人が公務員になった方が良いんですよ。国会議員になった方がいいと思う」と主張する宇崎に、阿部は「はい、そうですね。中にはちゃんとした人もいると思いますけど」とたじたじとなっていた。