普通のサラリーマンにとってマイホームといえば、人生における最大の買い物の一つ。多くの人は自己資金だけではなく、金融機関などで住宅ローンを組むことになる。その際に、どんな金利タイプを選ぶかは大きなテーマだ。
自身の判断だけでなく、住宅購入の経験のある知人や、金融機関の専門家などの意見を参考にすることも多いことだろう。
そこで今回は、職業・業種関連項目が金融業界に該当するマイナビニュース男女会員100人を対象にアンケート調査を実施。「オススメの住宅ローンの金利タイプ」などを聞いた。
Q.住宅ローンの金利タイプは以下のうちどれがオススメですか?
「変動型」(42.0%)
「全期間固定型」(30.0%)
「固定期間選択型」(28.0%)
Q.その住宅ローン金利タイプをオススメしたい理由を教えてください(自由回答)
■「変動型」
・「市況情勢によって変動した方がお得な気がする」(38歳男性/証券・投資銀行/営業関連)
・「長期金利は上がるが、短期プライムレートは上がらないから」(42歳男性/銀行/営業関連)
・「支払いの結果として利用者にとってお得に作用すると思うから」(67歳男性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「遠からず金利は上昇すると思うが、まだ大丈夫。上がり始めたら固定に変えれば良い」(69歳男性/信用組合・信用金庫・労働金庫/事務・企画・経営関連)
・「今は世界的にインフレ圧力が強まっているが、景気後退を契機に金利低下局面に転換して低位安定すると考える」(61歳男性/その他金融/営業関連)
・「めちゃくちゃ安いから。15年前に家を買ったとき、金利は上がるから固定がいいと言われたが、今まで上がったことない。インフレ進んでも給与が増えないから、政府も金利を上げられないし」(52歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
■「全期間固定型」
・「将来の金利上昇リスクを回避できるから」(58歳男性/銀行/事務・企画・経営関連)
・「現在はマイナス金利政策が遂行されており、インフレに伴い金利上昇が見込まれるから、現在の金利で固定するメリットは大きい」(57歳男性/信託銀行/営業関連)
・「急激な金利変動に左右されず返済計画を実行できるため。金利が長期間低いとしてもローン期間は30年前後となるので、リスクを回避したい人には固定が良いと思う」(58歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「現在は、史上空前の低金利状態が続いているが、アメリカの利上げや国内では物価の上昇など不透明な状況が続いており、今後の状況次第では住宅金利の上昇につながる可能性が否定できない」(51歳男性/政府系・系統金融機関/公共サービス関連)
・「全期間型固定で契約して、オプションで変動金利にするのがおすすめ。それに加えて元利均等返済型ではなく、元金均等返済型を選択するのがおすすめ」(54歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「毎月の返済額を一定化させることで、生活設計を立てやすくできる」(64歳男性/その他金融/専門職関連)
■「固定期間選択型」
・「長い目でローンを組むので、その場に合わせて選べる方がいい」(34歳女性/銀行/営業関連)
・「固定期間の方が金利がずっと低く、必要なら固定に変えればよいかと思うので」(62歳女性/生命保険・損害保険/専門職関連)
・「ある程度の固定期間があっても、自由に選択肢が選べる方が納得感がある」(36歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)
「低金利環境が長く続いている現在、短期間の固定金利で回していくのが有利だと思います」(58歳男性/その他金融/営業関連)
・「ある程度景気動向が読めることが前提で、急な金利変動のリスクを抑えられるから」(32歳男性/金融総合グループ/販売・サービス関連)
・「金利の低さは魅力だが、これからの金利上昇リスクが高まっていることを考えると、変動型は返済へのリスクが高いため」(54歳男性/生命保険・損害保険/営業関連)
・「現在は低金利なので固定の方良いと思いますが、将来的にはわからないので期間が選択できる方が良いと思いました」(52歳女性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)
・「比較的、金利が低めに設定されることが多いからです。また、固定金利特約終了時、変動金利型となりますが、その後、金利上昇が予想される場合には固定金利再特約設定へ、金利低下が予想される場合には、しばらく変動金利のままにしておくという作戦が有効です」(54歳男性/その他金融/事務・企画・経営関連)
■総評
職業・業種関連項目が金融業界に該当するマイナビニュース男女会員にオススメの住宅ローンの金利タイプを聞いたところ、1位は42.0%が支持した「変動型」となった。2位「全期間固定型」(30.0%)、3位「固定期間選択型」(28.0%)と続くが、そこには大きな差はなく、かなり拮抗した結果となっている。
次になぜ、その住宅ローン金利タイプをオススメしたいのか、理由を聞いた。「変動型」では、「今後も現在の低金利が継続する」「多少は上昇するものの、あくまでも限定的」といった見解が目立つ。これまでずっと低金利が続いており、今後もあまり上昇する要素が見当たらないという見立てのようだ。
一方の「全期間固定型」では、「将来の金利上昇リスクを回避できる」「現在の金利で固定するメリットは大きい」「毎月の返済額が一定で、生活設計を立てやすい」などの声があった。
リスク回避の効果や、現状比較的低い金利で固定できている、その安定感を評価する意見だ。中には、「全期間型固定で契約して、オプションで変動金利にする」といったテクニックを指南するコメントもあった。
3つ目の「固定期間選択型」をオススメする理由は、「長いローンで、その場に合わせて選べる」「短期間の固定金利で回していくのが有利」「期間が選択できる方が良い」など、現在の低金利をある程度享受しつつ、将来の金利の変化に対応できる選択肢を持つことのメリットを指摘する意見が多い。
またこちらも、「固定金利特約終了後に変動金利型に。その後、金利上昇を予想する場合は固定金利再特約設定。金利低下なら、しばらく変動金利のまま」といった、金融畑らしいテクニカルなアイディアもあった。
さて、金融業界で働く"プロ"たちがオススメする住宅ローンの金利タイプ、いかがだったろうか。オススメの住宅ローンの金利タイプは「変動型」が約4割とやや多いものの、「固定期間選択型」と「全期間固定型」も各3割程度あり、一定の支持を集める結果となった。
それぞれの金利タイプを選んだ理由についても一般の人とは一味違う、深みのあるコメントが多い印象だ。これから住宅ローンを組むことを考えている人にとっても、参考となるアンケート結果となったのではないだろうか。
調査時期: 2022年7月15日〜2022年7月16日
調査対象: 職業・業種関連項目が金融業界に該当するマイナビニュース男女会員
調査数: 100人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません