阪神電気鉄道は、同社線の全駅へホーム柵(可動式または固定式)を整備を推進すると発表した。バリアフリー施設の設置・更新・維持管理を推進するため、通常の運賃に上乗せする「鉄道駅バリアフリー料金」の導入も発表している。
同社線内では現在、大阪梅田駅(1番線)と神戸三宮駅で可動式ホーム柵を供用しており、さらなるホームの安全性向上を図るため、2042年度頃をめどに全駅へのホーム柵設置をめざす。すでに設置済みのエレベーター・エスカレーター等の段差解消施設やバリアフリートイレについて、適切な更新と維持管理に取り組むとした。
こうしたバリアフリー施設は整備に多額の費用がかかり、2022~2035年度に限っても約320億円超を要する見込み。ホーム柵整備をはじめとしたバリアフリー施設の設置・更新・維持管理を着実に進めるため、2021年12月に国が創設した「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用する。
バリアフリー料金は、定期外は1乗車につき10円。通勤定期券は1カ月380円、3カ月1,080円または1,090円、6カ月2,050円または2,060円。バリアフリー料金の収受期間は2023年4月1日から2035年度までとされ、2036年度以降も継続する予定だという。集めた料金は各種バリアフリー施設の設置・更新・維持管理費などに充てる。