Logitech GとTencent Gamesは8月2日(米国時間)、クラウドゲームを遊べる携帯型デバイスを開発するパートナーシップ締結を発表した。2022年後半の市場投入を目指す。

両社が開発するデバイスは複数のクラウドゲームサービスをサポートする予定で、「Xbox Cloud Gaming」を提供するMicrosoftおよび「GeForce NOW」を展開するNVIDIAとの作業を進めており、それらのサービスをサポートすることで「ゲーマーがコンソールやPCから離れた場所でもAAAゲームをプレイできるようにします」としている。

今回は開発発表のみで、デバイスのデザイン、性能、価格帯など具体的な情報は明らかにしていない。AAAタイトルを遊べる携帯型デバイスというと、米Valveが昨年7月に「Steam Deck」を発表、今年2月に発売し、今も品薄状態が続く人気デバイスになっている。Steam DeckはプロセッサにAMD Zen 2アーキテクチャのAPU(4コア/8スレッド)を搭載し、デバイスにインストールしたゲームをローカルで実行できる携帯サイズのゲーミングPCだ。

  • Valveの「Steam Deck」

    米Valveの「Steam Deck」

LogitechとTencentのデバイスは、PCよりタブレットに近いデバイスになる可能性がある。発表で開発中のデバイスを「クラウドゲーミングハンドヘルド」と表現し、デバイスにインストールして遊ぶゲームには触れていないからだ。

クラウドゲームサービスは、ゲームをクラウド側で処理して端末に映像をストリーミングする。十分なネット回線があれば、これまでゲーミングPCやゲーム機を必要としていたゲームをモバイルPCやタブレット、スマートフォンでもプレイできる。そのため、クラウドゲームサービスをサポートするならタブレットのようなデバイスで充分である。処理能力を抑えたモバイルデバイスだと、ゲームをインストールできてもスマートフォンで遊べるようなゲームに限られるが、PCより価格を安く提供できる可能性がある。

Logitech Gは、PC周辺機器を手がけるLogitech(日本では「ロジクール」で展開)のゲーミングデバイス部門である。ゲーミング用のマウスやキーボード、各種コントローラー、ヘッドセットなどを開発・提供している。Tencent Gamesは、Tencent Interactive Entertainmentのゲーム部門だ。モバイルを中心に数多くのゲームを展開、ゲームのオープンエコシステムを標榜するゲームプラットフォームWeGameを運営している。LogitechとTencentはどちらも、PCメーカーでもゲーム機メーカーでもない。ゲーム体験を高める操作性やインターフェイス、ゲーマーを結ぶオンライン機能やコミュニティサービスで強みを発揮できる。

LogitechとTencentが開発中の携帯型ゲーム機に興味がある人は、Logitechが同社のWebサイトで新デバイスの最新情報を配信するメーリングリストへの登録を受け付けている。