都内で初めて4万人を超える感染者数が発表され、8月6日にはピークを迎えると予測されている新型コロナ。感染者急増により、発熱症状があっても病院がひっ迫してすぐに受診できず、解熱薬「カロナール」の出荷調整も行われています。そんな中、発熱時に市販薬は使えるのでしょうか? 発熱時の市販薬について解説します。

  • 発熱時に使える市販薬は? ドラッグストアで買える薬を解説

■発熱時に使える市販薬について

発熱時に市販薬は使える?

現在、新型コロナに対する解熱鎮痛薬に「カロナール」がよく使われていますが、厚生労働省の公式サイトでは、自宅療養中に市販の解熱剤の服用について、用法・用量などをよく確認の上であれば使用ができると記されています。なお、健康状態によっては主治医や薬剤師に相談するケースがあるので、自身の状態が下記に当てはまらないか、服用前に確認が必要です。

市販の解熱剤が使えない人は?

下記の条件に当てはまる場合は服用前に主治医や薬剤師に相談が必要です。

・他の薬を服用している場合や、妊娠中、授乳中、高齢、胃・十二指腸潰瘍や腎機能低下など病気療養中の場合(飲める薬が限られていることがある)
・薬などによりアレルギー症状や喘息を起こしたことがある場合
・激しい痛みや高熱など、症状が重い場合や、症状が長く続いている場合

ただし、高齢者や糖尿病などの持病がある場合、免疫不全を引き起こす薬を服用中、肥満、妊娠が当てはまる人は重症化のリスクもあるので、自己判断せずに、かかりつけ医など身近な医療機関に相談しましょう。

服用できる市販薬の選び方は?

市販薬で着目すべきポイントは有効成分です。カロナールの有効成分である「アセトアミノフェン」をはじめ、「ロキソプロフェン」「イブプロフェン」を含むものを選びましょう。これらの成分は、一般的な発熱に対してよく使用される市販薬に含まれています。

ドラッグストアで買いやすい市販薬はどれ?

ドラッグストアで購入しやすい市販薬を対象年齢別に紹介していきます。なお、小児用は添付文章を読んで用量をよく確認してから使用しましょう。

■対象年齢15才以上

【アセトアミノフェン配合】

・アセトアミノフェン錠「クニヒロ」/皇漢堂製薬
・タイレノールA/ジョンソン・エンド・ジョンソン

【ロキソプロフェン】

・ロキソニンS/第一三共ヘルスケア
・ナロンLoxy/大正製薬
・バファリンEX/ライオン

【イブプロフェン】

・イブ/エスエス製薬
・インテタームIB/ジェーピーエス製薬
・ナロンメディカル/大正製薬

■小児用(アセトアミノフェン配合)

・こどもパブロン坐薬/大正製薬 ※1才~12才
・小児用バファリンCII/ライオン ※3才~15才未満
・アセトアミノフェンK錠/小林薬品工業 ※5才以上成人
・ノーシンAc/アラクス ※7才~15才未満

■監修の医師のコメント

今回の記事にもありますが、カロナールがないときはご自身に合った市販薬を使って対処することも問題ありません。急な発熱に備えて、前もってご自身に合った市販薬を常備しておくと、いざとなったときに安心ですね。

ただし、薬を選ぶときは、年齢、症状、現在の内服薬の有無、治療中の病気の有無などを考慮して選ぶことが大切です。分からないときはかかりつけの医師や薬局の薬剤師に相談して選ぶようにしましょう。

また、コロナウイルスの感染が疑われる症状を認める場合、「明らかに顔色が悪い」、「胸が痛い」、「息苦しさが急に悪化した」、「意識がもうろうとしている」など、いつもと違う様子の変化があれば、我慢せずに救急車を呼ぶようにしましょう。

発熱の場合は、カロナールの成分である「アセトアミノフェン」をはじめ、「イブプロフェン」「ロキソプロフェン」などの解熱薬が効果的ですが、のどの痛みの場合は、うがい薬やトローチ、トラネキサム酸を含む内服薬、桔梗湯などの漢方薬も効果的です。あらわれている症状に合わせて併用したり使い分けたりすることをおすすめします。

ただし、市販薬を併用する場合は成分が重複薬や飲み合わせの悪い薬がないように、薬局の薬剤師に確認をしてから使用するようにしましょう。


いつ誰が感染してもおかしくない状況になってしまった現在。症状が出た際には自己判断せずに、かかりつけ医など身近な医療機関に電話で相談することが第一ではありますが、いざという時のために事前に市販薬を備えておくことも一つの手になるのではないでしょうか。

頭痛や生理痛、ワクチン接種後の発熱など、さまざまな用途で服用できる市販薬なので、自分に合う市販薬を備えておくと安心材料になるかもしれません。

<参照>
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症について

監修:金城 里美(かねしろ さとみ)先生

社会医療法人弘道会 なにわ生野病院所属。2010年 東京医科歯科大学卒業 その後、皮膚科医として大学病院、一般病院、クリニックで勤務。医師免許、薬剤師免許を保有。


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