日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトは8月1日、電気の使用割合が大きいエアコンの効率的な使い方と、節電をしながらも家庭でできる熱中症対策のポイントを発表した。

  • 夏19時頃の電気使用割合の例

資源エネルギー庁によると、電力需要は日中(13時~17時)に高まる傾向にあるという。また、電力需給は太陽光発電の出力が減少する時間帯(17時~20時頃)に厳しくなる傾向があるため、政府は節電への協力を呼びかけている。

夏の19時ごろの東北・東京・中部・北陸 関西・中国・四国・九州の各家庭での電気の使用割合は、エアコンが38.3%と最も高く、照明14.9%、冷蔵庫12.0%と続いている。電気の使用割合が大きいエアコンを効率的に使いながら、「省エネ熱中症対策」を行うことが大切になる。

エアコンの効率的な使い方として、「室内が暑い場合は温かい空気を外に逃がしてからエアコンをつける」ことをすすめている。設定温度を下げすぎないことが節電には大切で、温度計や熱中症計で室内環境を確認しながら、室内温度28℃を目安にエアコンの室内温度を設定する。

エアコンとサーキュレーターを併用すると、設定温度を下げすぎなくても、室内をむらなく涼しくできるという。サーキュレーターはエアコンの下に置き、上向き(エアコンと同じ風向)にする。

  • エアコンの効率的な使い方

節電しながらエアコンを使うためのポイントは、2週間に1度のフィルター掃除、窓からの直射日光を防ぐこと。断熱効果を上げるために、窓の外のすだれやよしず、シェードなどを使って直射日光を遮り、室内ではカーテンを使用するのがおすすめ。

室外機の位置も重要で、周辺に物を置かないことも節電につながる。冷房効率を上げるため、直射日光を避けることも大切。特に電力需給がひっ迫している時間帯は、エアコンを使用する部屋を決め、その部屋を効率的に涼しい環境にすることも節電に効果的だ。

節電しながら行う熱中症対策のポイントは3点。1点目は、「暑さに負けない体づくり」。体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」ができていると、熱中症になりにくくなるという。暑熱順化には無理のない範囲で汗をかくことが大切であるため、運動や入浴をして、汗をかくことをすすめている。バランスのよい食事と睡眠、水分補給も大切なポイントになる。

2点目は、ネッククーラーや冷却タオル、保冷材や冷えたタオルなどを使って体を冷やすこと。特に首の両脇は皮膚の近くに太い血管が通っているので、効果的に冷やすことができる。

3点目は、「涼しい家づくり」。ひさし、すだれやよしず、シェード、植栽、壁面緑化で外からの熱を遮ることも大切になる。敷地内や家周辺で打ち水をすることも、涼しい環境を作ることにつながる。打ち水をする時間は、朝や夕方などがおすすめだという。

  • 節電しながら行う熱中症対策