水木しげるさん生誕100年を記念して上演される舞台『ゲゲゲの鬼太郎』(以下、ゲゲステ)で、舞台オリジナルキャラクター・タケル役を務める俳優・立花裕大。ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズで豊前江役、舞台『ブルーピリオド』の恋ヶ窪役などを務めた今注目の2.5次元俳優だ。7月3日に30歳を迎えた立花にとって『ゲゲステ』が30代初めての舞台、さらに自身初の明治座公演と、“初づくし”の挑戦となる。どんな思いで本番に臨むのか、意気込みを聞いた。

  • 立花裕大

――『ゲゲステ』では舞台オリジナルキャラクターとなる、村人のタケルを演じます。どんな役でしょうか?

出演が決まった時点では何の役を演じるのかわからなかったのですが、妖怪役だと思っていました(笑)。鬼太郎たちが人間の悩みを解決していくお話で、僕が演じるタケルは完全に人間サイドではなく、妖怪と人間をつなぐ、架け橋のようなキャラクターになると思います。

――どんな演技プランを考えていますか?

原作にいない役なので、周りを見ながら役を作っていく作業が多くなると予想しています。個人的には、感情の起伏がかなりある役なんじゃないかなと。いずれにせよ、熱量が大事になってくる。今回の舞台は蓋開けてからが勝負になってくる気がしているので集中力も高めていきたいです。

――『ゲゲゲの鬼太郎』は水木しげる先生による大変有名な作品です。

僕も幼い頃にアニメも見ていました。出演が決まったとき、あまりにも有名な原作なのでもちろんプレッシャーはありましたが、『ゲゲステ』は舞台版なりの楽しみ方があると思うんです。ファンの方には舞台版ならではの世界観を楽しんでいただきたいし、僕も楽しみながら作っていきたいです。

――主人公ゲゲゲの鬼太郎を荒牧慶彦さん、ねこ娘を声優の上坂すみれさん、ねずみ男を藤井隆さん、砂かけばばあに浅野ゆう子さん、天邪鬼-リンを七海ひろきさん、子泣きじじいをカラテカの矢部太郎さんが演じます。さらに目玉おやじはアニメでも演じられている野沢雅子さんが声のみで出演されます。

豪華な俳優陣ですよね、共演めちゃくちゃワクワクします!みなさんがどうやって役と向き合って作り上げていくのか、その過程を見られるのがもう楽しみで仕方がないです。さまざまなジャンルの活躍されている方が集まっているので、めちゃくちゃ面白いことになるんじゃないかと期待しています。

――カラテカ矢部さん以外は初共演となる役者さんだとか。

そうです。唯一、カラテカの矢部さんとは共演したことあるんですが、1日だけしかご一緒していないので、ほぼほぼはじめましてです。早く仲良くなりたいけど……如何せん、人見知りなので(笑)

――立花さん、全然人見知りっぽく見えないです。

あはは、よく言われるんですよ。仲良くなりたいと思っても自分からすぐにいけなくて。『ゲゲステ』の方とは早く仲良くなりたいなと思っていますが……どうなるかな?ドキドキです。

――7月3日に30歳の誕生日を迎えた立花さんにとって、『ゲゲステ』が30代初めての舞台になりますね。

もうバッチリ決めたいですよね!“30歳の役者”と聞くと、若い頃の自分からしたらだいぶしっかりした素敵な役者さんになっているとイメージがありました。でも、まだまだと思うことばかり。今回の舞台では聞ける人がたくさんいる環境だと思うので、自分にプラスになることをたくさん吸収したい。自分を鍛えられる、そんな舞台にしたいです。

――東京公演の上演会場は明治座です。立花さんが明治座の舞台に立つは初めてですね。

初めての明治座に立てるのもめちゃくちゃうれしいです。自分の名前の幟が出るのは憧れていたので、とても楽しみです。正直に言うと、伝統ある会場で緊張もプレッシャーもある。でも、だからこそしっかりしなきゃと思います。プレッシャーとワクワクしている気持ちが交差しています。

――20代でやり残したと感じることはあります?

小さいことかもしれないですけど、生まれてからこれまで髪を染めたことがないんです。理由はわからないですけど、これまで真面目な雰囲気の役柄を多くいただいていて、それをやり続けていたら30歳になっていた。これはちょっと心残りかもしれません。髪を染めなきゃいけない役、やってみたかったな。30代以降、絶賛お待ちしています(笑)