消費者庁の公式Twitter(@caa_kodomo)では、窓やベランダからの子どもの転落事故について以下のような注意喚起を行っている。

【窓・ベランダからの転落】子ども(9歳以下)の死亡事故は3~4歳が多いです。
○窓には手の届かない位置に補助錠
○窓や柵のそばに足場になる物を置かない
○窓や網戸に寄りかからせない(外れることも)
(@caa_kodomoより引用)

  • (@caa_kodomoより引用)

新型コロナウイルスの影響もあり、部屋の換気で家の窓を開ける機会が増えている。これによって子どもが窓やベランダから転落する事故が毎年のように発生しており、中には命にかかわることもある。今回は事故の事例と予防策を紹介する。

事故の事例

・子どもだけで部屋にいて網戸に寄りかかる
子どもが窓枠に腰かけて網戸に寄りかかっていたら、網戸が外れて転落。窓は床から 60cm の高さで、窓枠まで10cm 程度の子どもが座れる奥行きがあった。子どもは、5m下のコンクリートに落ち、全身打撲。肝損傷の疑いで約2日間の入院。(7歳)

・足場になるものに登る
ソファによじ登り、窓から網戸を突き破って3m下の芝生に網戸ごと転落。病院での診察時は明らかな外傷は見られなかったものの、経過観察のため入院。(1歳)

・保護者は別室。ベランダで足場になるものによじ登る
保護者が1階のキッチンで夕食の支度をしていたところ、子どもが2階のベランダから転落した模様で泣いていた。ベランダには高さ90cmの柵があったが、床から50cmの位置に飾りがあり、足をかけて登ることができた。 全身打撲などの重症で、3日間の入院。(4歳)

・ベランダの手すりにつかまっていて、前のめりになって転落
家族を見送るために、子どもがベランダの手すりに鉄棒の前回りのときのようにつかまっていたところ、前のめりになって地上に転落。(5歳)

・ベランダの室外機に登り、手すりを越えて転落
マンション2階の室内で遊んでいた子どもが、親が気づかないうちにベランダに出て転落。室外機のところにスリッパがあり、室外機によじ登った可能性あり。(2歳)


事故を防ぐポイントは以下の通りだ。

窓やベランダ周辺の環境づくり

・ベランダには物を置かない
子どもは様々なものを踏み台にするので、物を極力置かないようにする。また、エアコンの室外機は、手すりから60cm以上離して設置する。ベランダの奥行きが狭く、エアコンの室外機が足掛かりになりそうな場合は、子どもが1人でベランダに出られないようにする必要がある。

・補助錠を付ける
窓や網戸には子どもの手の届かない位置に補助錠を付ける。特に、網戸は小さい子どもの力でも簡単に開くので施錠を徹底したい。

・室内の窓の近くに物を置かない
ソファやベッドなどの家具を足場にして、室内の窓から転落する可能性がある。窓に近い場所にできるだけ物を置かないように部屋のレイアウトを工夫する。

・窓、網戸、ベランダの手すりなどに劣化がないかを定期的に点検する
網戸が外れやすくなっていたり、網が剥がれそうになっていたりしないか定期的に点検する。1歳の体重でも網戸に寄りかかると、外れて転落することがある。

子どもの見守り・子どもの教育

・子どもだけを家に残して外出しない
5分~10分だけでも事故が起こる可能性がある。ほんの少しの間でも窓などの鍵を開けたり、ベランダから外の様子をのぞき込んだりするかもしれない。

・ベランダでは子どもだけで遊ばせない
転落事故は、子どもがベランダで遊んでいるときに多く発生している。外から聞こえてくる音に反応し、それを見ようとしてベランダから身を乗り出して転落することがある。ベランダでは子どもだけで遊ばせないようにする。

・窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせない
網戸が外れて転落する事例は7歳以上の子どもでも発生している。窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせないようにしたい。


詳細は政府広報オンライン「ご注意ください! 窓やベランダからの子どもの転落事故」にて確認ができる。