元プロレスラーの長州力がアニメ化され、日本テレビ系情報番組『スッキリ』(毎週月~金曜8:00~)で、8月1日から放送される(10:15頃 ※一部地域除く)。タイトルは『がんばれ! 長州くん』で、小学生の主人公・長州くんと、そのクラスメイトたちの日常を描いたコメディショートアニメ。長州は声優にも挑んだ。

近年は独特すぎるワードセンスを発揮するTwitterが人気で、YouTube、TikTokにも進出し、インフルエンサーとして若い世代からも支持を受ける長州。その原動力にあるのは何か。そして今後の活動への展望とは――。

  • 『がんばれ! 長州くん』で声優に挑戦した長州力

    『がんばれ! 長州くん』で声優に挑戦した長州力

■署名の後におにぎりの絵文字を入れる理由

――こうしてアニメ化されるというのは、プロレスファンに限らず、幅広い世代に愛されるからこそ実現したことだと思うのですが、多くの人に愛されている実感はいかがでしょうか?

ない! 何でなんだ?って。

――街で若い人に声をかけられることは…

全くない! ジロジロ見られるだけで、声はかけてこないよ。

――独特なワードで発信されるTwitterでの人気も、ファン層を増やしていると思います。

でも、僕の場合はTwitterになってるかなあ? つぶやくっていう意味を理解できてないから。

――最初の頃に比べて、だいぶ使いこなせるようになってきたのではないでしょうか。

もう3~4年くらいになってきたから、慣れてはきましたよね。

――「長州力」という署名の後におにぎりの絵文字を入れることがありますが、その意図は何ですか?

最後に何か入れてやろうと思ったんだけど、僕らの子ども時代はどこに行っても遠足に行っても、おにぎりしか作ってもらえないっていうのがあったんですよ。でも、そのおにぎりがおいしかった。今のコンビニのおにぎりも便利だけど、おふくろが作ってくれたおにぎりのほうがおいしかったなっていう記憶があるんですよ。その思い出だよね。

■自分がちょっと笑わせてあげたい

――Twitterのほかにも、YouTubeやTikTokなど、新しいツールに積極的に取り組んでいますよね。

それはみんなスタッフがやらせるんだよ(笑)。でも、僕は楽しいことをやるのが好き。プロレスっていう業界にいたけど、毎日厳しいことばっかり言ってるわけじゃないし、やることやって、あとは楽しもうっていうのはありますね。

それと、自分がちょっと笑わせてあげたいっていうのもあるね。この2~3年、みんなコロナで自粛・自粛・自粛ってなっちゃってるじゃないですか。コロナに対する考え方はみんな違うかもしれないけど、一つだけ言えるのは、みんな疲弊しちゃって困っちゃってる。それは自分も含めてなんだけど、みんな一生懸命仕事したりしてるんだから、面白いことくらい1日1回や2回あったっていいだろうって。それが、僕のTwitterとかでちょっと面白いことを書いてあげて、笑って気持ちが落ち着いたらいいなと思って。

――自分も楽しみつつ、見ている人も楽しんでもらおうということなんですね。

この歳まで歩んできて、やっぱり孫ができたっていうのが、自分的に気持ちの変化もあったかもしれないですね。

孫と一緒に=長州力のTwitterより

――Twitterを拝見しても、お孫さんと一緒に過ごす様子がとても楽しそうです。

うちは娘3人だから、男の子の孫が生まれてきて、面白いんだよね。孫は会うたびにどんどん大きくなっていくんだけど、俺はどんどん年取りながら子どもみたいな動きとしゃべりになって、孫とケンカすると子どもみたいなケンカになっちゃう。もうだんだん大人と子どもが逆になっちゃって、孫に何か教えられてるみたい(笑)

――将来はプロレスラーに…という願望はあったりしますか?

いやまったく。もう3歳になると記憶に残ってくるから、俺がプロレスやってたのは絶対見せるなって娘に言ってる。

■「子どもの頃に戻りたいっていう感じ」

――SNSも積極的にやられている中で、今回アニメ化、そしてその声優と、また新たなチャレンジに取り組まれましたが、今後新しく挑戦してみたいことなどは…

ない! 本当にない。

――楽しいことがあれば、何かやっていきたいという感じですかね。

体がその仕事に対応できれば、ありがたくやらせてもらいますよ。僕、今もう熱海に引っ越したから。家内に「孫さらってこい」って孫連れてきてもらって、2~3日遊んで、東京の仕事に合わせて届けるっていうね。

――セカンドライフを満喫していく感じですね。

もう人生最後の停車場みたいなもんだから(笑)。でも、まだいろんなところに住んでみたいっていう夢はあるんですよ。瀬戸内の島に住んで、船に乗って釣りを毎日やりたいなって。子どもの頃に戻りたいっていう感じなんですよね。この前、(故郷の)山口に帰ったんだけど、船出してもらってイカ釣りに行って、「いやあ、こんなきれいなとこが自分の田舎かあ」って思った。だからもう、これで十分なんですよ、僕は。

――とは言え、まだまだご活躍を…

人のこと何を分かってんの! みんなそうやって「ご活躍を…」って言うんだから(笑)

  • (C)CSBOY/C

●長州力
1951年生まれ、山口県出身。専修大学時代にレスリングで活躍し、72年にミュンヘンオリンピック出場。74年にプロレスデビューし、「リキラリアット」や「サソリ固め」といった得意技で活躍した。近年はバラエティ番組でも活躍。19年に突如としてTwitterを開始し、その後はYouTubeやTikTokなどで次々と自身のアカウントを開設。今やインフルエンサーとして現役時代を知らない若い世代からも支持を得ている。