ソニーグループは7月29日、2022年度第1四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比2%(547億円)増の2兆3,115億円、営業利益は同10%(269億円)増の3,070億円となり、第1四半期の実績としていずれも過去最高を更新した。

  • ソニー副社長 兼 CFOの十時裕樹氏

  • ソニーグループ 2022年度第1四半期連結業績

映画分野が大幅な増収増益を記録し、音楽分野も大幅増収となったことが売上高に貢献(前年同期の為替レートを適用した場合は約7%の減収)。ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野と、テレビやデジタルカメラなどのAV機器を含むエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野は大幅減益となったが、⾦融・映画の両分野の⼤幅増益がそれをカバーしたかたちだ。2022年度第1四半期の税引前利益は同3%(82億円)増の2,914億円。純利益は同3%(64億円)増の2,182億円。

  • 2022年度第1四半期 セグメント別業績

映画分野の売上高は3,414億円。テレビ番組制作における作品の納⼊数増、映画製作における前年度公開作品からのテレビ向けライセンス収⼊及びホームエンタテインメント売上の増加、Crunchyrollの買収の影響を含む、アニメ専⾨DTCサービスにおける増収などを受けて、前年同期比67%(1,366億円)増となった。営業利益も、映画製作及びテレビ番組制作における増収の影響を受けて前年同期の2倍となる507億円を記録した。

音楽分野の売上高は、前年同期比21%(532億円)と⼤幅増の3,081億円。為替の影響で359億円プラスとなったほか、⾳楽制作における新作リリースのヒットもあり、有料会員制ストリーミングサービスからの収⼊が⾳楽制作および⾳楽出版において増加。⾳楽制作におけるライブ興⾏や物販からの収⼊も増えたという。営業利益は為替の好影響もあり、同10%(56億円)の増益となった。

G&NS分野では、為替の影響による増収効果があったものの、自社制作ゲームソフトウェアや、アドオンコンテンツを含む自社制作以外のソフトの販売減少を受け、売上高は前年同期比2%減の6,041億円となった。営業利益は、上記の販売減少に加え、既存スタジオのゲームソフトウェア開発費を中⼼としたコスト増もあり、同37%(305億円)減と大幅減益の528億円となった。

PlayStation 5(PS5)のハードウェアの販売台数については、2022年度第1四半期の出荷台数が全世界で240万台となったことを補足資料の中で明らかにしている。

テレビやデジタルカメラなどのAV機器を含むET&S分野の売上高は5,523億円。為替の影響による増収効果があったものの、販売台数減少によるテレビの減収で、前年同期比4%(240億円)減となった。営業利益は536億円で、テレビの損益悪化を受けて同25%(182億円)の⼤幅減益となっている。

デジカメ・モバイル用のイメージセンサーなど、イメージング&センシング・ソリューション分野(I&SS)分野の売上高は2,378億円で、為替の影響を受けて前年同期比9%(198億円)の増収となった。営業利益は、研究開発費及び減価償却費、製造経費が増えたことで、同29%(88億円)減の217億円となっている。

金融分野の売上高は、ソニー⽣命の⼤幅減収などにより前年同期比28%(1,166億円)減の2,978億円となったものの、同社の不動産売却益の計上や、市況の変動にともなう損益の改善などで大幅増益となり、営業利益は同239%(573億円)増の813億円となった。

2022年度のソニーグループ通期業績見通しについては、売上高は5月時点比で1%(1,000億円)増の11兆5,000億円を見込む。営業利益は同4%(500億円)マイナスの1兆1,100億円、純利益は同4%(300億円)マイナスの8,000億円を見込んでいる。