元プロレスラーの長州力がアニメ化され、日本テレビ系情報番組『スッキリ』(毎週月~金曜8:00~)で、8月1日から放送される(10:15頃 ※一部地域除く)。タイトルは『がんばれ! 長州くん』で、小学生の主人公・長州くんと、そのクラスメイトたちの日常を描いたコメディショートアニメだ。
自身がアニメ化されるだけでなく、この長州くんの声優にも挑戦した長州。ヘッドホンから聞こえる自分の声に「本当に嫌なの」と言いつつ、その奮闘ぶりを語ってくれた――。
■「俺の声が茶の間に流れて大丈夫かな?」
――ご自身をアニメ化して、その声優もやるというオファーを聞いたときの心境はいかがでしたか?
逆にどう思います(笑)? 一生懸命やりましたけど、初めてのことなので、それがちょっと心配でしたね。「俺の声が茶の間に流れて大丈夫かな?」って、本当に。
――個性あふれる声で、すごくインパクトがありますが…
もう自分の声をヘッドホンで聴くと、鳥肌立ってきますよね。違う人がやってたら、「なんて声してんだ!」ってバシバシってしばき倒してるかもな(笑)。本当に嫌なの。
――コンプレックスがあるのですか?
「俺ってこんな声でしゃべってんの?」って驚きますよね。まるでヒキガエルを踏み潰したような声で、聴きづらいなって思いますよ。ヘッドホンで聴くとよく分かる。
――収録はかなり時間をかけてやられたのでしょうか?
まる1日かかって、他の日もあって、「うわー、まだあるんだあ」と思って、やっぱりしんどかったですね。長州くんが動いてるときにどういう具合に話せばいいのか、そんときの状況に合わせたセリフが台本に書いてあるんですけど、何しろこの声で、常に「ガ―――――ッ」って鳴ってるような感じだから、(スタッフは)みんな参っちゃったんじゃないかなあ。納得してもらうまで一生懸命やりましたけど、仕方なくOK出してもらったんじゃないかな(笑)
――事前に準備や練習などはされたのですか?
いや、それはないですね。やっていくうちにだんだん慣れてくるところもあったし、こういうときはこういう具合に気持ちを切り替えてしゃべるんだなとか、分かってきて。
■違いが分かるように意識「声優さんって大変」
――長州さんはドラマのご出演経験はありますよね。
ない!
――いやいや、『俺の家の話』(TBS)とか出られてたじゃないですか(笑)
それはもう瞬間的にパッと出てるだけだから。しゃべりなんて「おっ!」とか「おはよう!」とか、そんな程度だから。
――そうなると、ここまでセリフがある役を演じるというのは初めてなんですね。
そうですね。最初の頃はもう必死に読んでたけど、最後のほうは「友達と話してるときはちょっと楽しく声を出そう」とか意識するようになった。でも、僕の声は結局一緒なんだよね(笑)。その違いを分かってもらえるように自分では心がけてしゃべったんだけど、いくら考えても難しいなあと思いました。だから、声優さんって大変だなと思って。
■3歳の孫も喜んでくれる
――ご自身の幼少期は、よくアニメもご覧になっていたのですか?
僕が小学生くらいの年代のときは、テレビもいろんな家庭に置かれるようになった頃で、チャンネル数は少なかったけど、劇みたいなのを白黒でよく見て楽しんでましたよ。ディズニーとかかなあ。あと、人形劇のようなのは見てましたね。時代が変わって、今はやっぱり細かくてすごいなと思いますよ。
――やはり進化を感じますよね。
今のちっちゃい子どもたちが、令和の時代に出たこの長州くんのアニメを記憶の中に入れて、本当は消してほしいんだけど(笑)、まあ育っていったら、「どっかの爺さんの訳の分かんない声でしゃべってたな」とか思い出すんじゃないですか? 僕はそうやって知ってもらうだけでもうれしいかな。孫も喜ぶと思うんで。
――お孫さんは、おいくつですか?
3歳になったばっかり。プラレールが好きで好きで、部屋中にプラレールがあっちこっちにあって。僕たちの時代は自分で何かを作って遊ぶっていう感じだったから、すごいですよね。
――では、今回の『がんばれ!長州くん』の見どころをお願いします。
そう言われてもなあ…
―― 一番大事なところじゃないですか(笑)
そうですねぇ。放映時間も短いし、家族で見ながら笑ってもらって、楽しんでもらえれば、それが僕はもう一番ですね。小学校の頃とか、ぜひ昔を思い出してください。
――第2弾のオファーが来たら、いかがですか?
いやあ、その時の自分の体調が良ければね(笑)
●長州力
1951年生まれ、山口県出身。専修大学時代にレスリングで活躍し、72年にミュンヘンオリンピック出場。74年にプロレスデビューし、「リキラリアット」や「サソリ固め」といった得意技で活躍した。近年はバラエティ番組でも活躍。19年に突如としてTwitterを開始し、その後はYouTubeやTikTokなどで次々と自身のアカウントを開設。今やインフルエンサーとして現役時代を知らない若い世代からも支持を得ている。