仕事で疲れたときなどのリフレッシュアイテムとして人気なアロマ。
リフレッシュにアロマが効果的だと知っていても、なぜ効果があるのか分からなかったり、どんな香りを選べばいいのか困ったりした経験はありませんか?
この記事ではアロマのリフレッシュ効果や、はじめに買っておきたい精油の種類、気分別におすすめのブレンドなどをご紹介します。最後まで読んでアロマライフを楽しんでくださいね。
リフレッシュに効果的といわれるアロマってどんなもの?
アロマは植物の花や葉、果実の皮などから抽出した香り成分を使ったリフレッシュアイテムです。それらは精油(エッセンシャルオイル)と呼ばれ、美と健康をサポートします。
アロマオイルと精油は同じもののように思われていますが、実際は別物です。アロマオイルは香水のように合成香料を調合して作られているのに対し、精油は植物から抽出された100%天然の成分という特徴があります。
アロマがリフレッシュに効果的な理由とは?
リフレッシュしたいときのアイテムとしてアロマが効果的といわれる理由はご存知ですか? それは、香りが心や身体に働きかけ気分を前向きにしてくれるからです。どういう風に伝わっていくのか解説します。
鼻から脳へ伝わるルート
精油の香り成分は嗅覚の刺激を通じて脳に働きかけ、人の感情にプラスの影響をもたらします。香りを嗅ぐと気持ちがリラックスしたり、リフレッシュしたりするのはこのような働きがあるからなのです。
1番簡単にできる方法はティッシュを使った芳香浴です。精油を1滴垂らして、デスクや枕の横に置くだけでアロマタイムが楽しめます。器具を使わないので、誰でも手軽に行えます。精油をつけたティッシュをカバンに入れるとふとした瞬間にアロマを感じて癒やされます。これから始めたい人にトライしやすい方法です。
呼吸から全身へ伝わるルート
香りは脳に伝わるだけでなく、呼吸によって吸い込まれた成分が肺に届いて全身を巡ります。好きな香りを焚いてゆっくり過ごすと、気持ちが安定し呼吸がラクになるでしょう。イライラするときや、落ち込んだときなど呼吸が浅いと感じるシーンにおすすめです。
初めてでも簡単にできる方法はマグカップを使った吸入です。マグカップに熱湯を入れ精油を1~3滴垂らします。立ち上る蒸気を吸い込むと、気分転換につながります。ポイントは顔を近づけすぎてむせないように気をつけること。適度な距離を保ちましょう。
皮膚から全身へ伝わるルート
精油はとても小さな分子構造をしています。皮膚の表面を通過して、その下にある血管に入り、血流に乗って全身に伝わります。
このルートを利用する方法は精油を使ったセルフマッサージが最適です。しかし、精油は植物を凝縮した成分が含まれているため、植物油で希釈して使用します。おすすめのオイルはホホバオイルです。皮膚へのあたりがなめらかでどの年代の人でも使用できます。ボディ用オイルの作り方は小さじ1杯の植物油に対し精油1滴の割合で希釈して混ぜ合わせます。簡単にできますので作ってみてくださいね。
口から伝わるルート
ヨーロッパなどでは医師の指導のもと飲用するケースもありますが、日本では食品ではなく雑貨扱いのため禁止されています。誤って飲んでしまった場合は、口をすすぎ、すぐに医師の診察を受けてください。病院には飲んでしまったオイルの瓶を持っていくとよいでしょう。
どうしても体内に取り入れたい場合はハーブティーやスパイスを活用しましょう。カモミールティーはりんごのようなやさしい香りでリラックス感を高めます。ペパーミントティーは気分をリフレッシュしたいときにぴったりです。コーヒーにシナモンを入れると独特の香りと味に特別感が溢れます。
アロマ初心者さんのための最初に揃えるべきアロマ7選
アロマをやってみたいけど、種類が多すぎて断念してしまったということはありませんか?そこで、アロマライフを楽しむための7種類の精油をピックアップしました。
1.ラベンダー
アロマと言えばラベンダーを想像する人もいるほど、なじみ深い精油ではないでしょうか。フローラル調のやさしい甘みの中にすっきり感も持ちあわせる香りは働きすぎて気が休まらないときにぴったりです。寝室で使用するとリラックスでき、気持ちのよい朝を迎えられます。
2.ローズマリー
ローズマリーは清涼感が心地よい香りです。ぼんやりした頭をシャキッとさせたいときに役立ちます。気分が乗らなくて集中できないときや記憶力を上げたいときにサポートしてくれることでしょう。リフレッシュ効果を感じたいときに役立ちます。
3.ペパーミント
ペパーミントは歯磨き粉や制汗スプレーなどとても身近な存在です。クールでスッキリした香りはその場の空気をサッと切り替え、冷静さを取り戻します。プレゼン前なのに他のことを考えてしまうときやいいアイデアが浮かばないときに頼もしい精油です。
4.オレンジ
オレンジの香りは皮から抽出されます。爪で皮を押したときにプシュっと出てくるのが精油です。オレンジジュースそのものと言ってもいいほどフレッシュでみずみずしい香りです。その香りに包まれると太陽のように気持ちが明るく前向きに。自信を持って物事をすすめたいときに取り入れてください。
5.ベルガモット
柑橘系の植物ですが、食べるととても苦いので食用ではなく香料として栽培され、紅茶のアールグレイの香りづけに使用されています。レモンやオレンジなどの柑橘系と比べて落ち着きがあり、上品さが漂う香りです。いつもより上質な時間を過ごしたいときに使ってみてはいかがでしょう。
6.ジュニパーベリー
ジュニパーベリーは古くからジンの香りづけに用いられてきた植物です。雨の翌日の森を散歩しているようなすがすがしい香りです。後回しにしていることがあるときに嗅ぐと、ほどよい緊張感の中で効率よく作業ができます。モヤモヤをスッキリさせて気持ちを切り替えたいときにお試しください。
7.フランキンセンス
フランキンセンスは新約聖書の中でイエス・キリストが誕生したときに黄金、ミルラとともに捧げられたことで有名な香りです。他にはクレオパトラが美容のために使用していたなど歴史的なエピソードがあります。思わず深呼吸してしまう透明感のある落ち着いた香りはストレスやプレッシャーを解き放ち、自分らしさを取り戻します。
お悩み別のおすすめアロマ
アロマのリフレッシュ効果をもっと体感したいときはブレンドにチャレンジしてみましょう。ここではシーンごとのお悩みに寄り添ったアロマを紹介します。
スッキリしない朝のブレンド
1日の始まりを気持ちよく迎えたいときはローズマリーとジュニパーベリーをブレンドしてみましょう。鳥のさえずりをBGMに森林浴をしているようなクリアな香りです。
気持ちがスッキリしないときはついつい2度寝をしてしまいがち。そんなときこそサッと起きてストレッチをしてみましょう。難しいことはいりません。腕を上に伸ばしたり、首をゆっくりまわしたりするだけでも立派なストレッチです。無理のない範囲で行ってください。
モチベーションをアップしたいときのブレンド
なかなか仕事モードに切り替わらないときはペパーミントとオレンジのブレンドがおすすめです。みずみずしくスッキリとした香りで仕事モードにスイッチオン。
なかなか切り替わらないときは呼吸に意識を向けましょう。イライラやストレスが原因でやる気が出ないときは呼吸が浅くなっているケースがあります。おなかに手をあててゆっくり息を吐きましょう。呼吸によって気持ちが整い、モチベーションアップにつながります。
午後もしっかり集中したいときのブレンド
ランチのあとについウトウトしてしまうときに試してもらいたいブレンドはペパーミントとジュニパーベリーです。透明感のあるさわやかな香りが鼻をスーッと通り抜け、頭をシャキッと切り替えます。
集中できないときはデスクまわりを片付けるのも一つの手です。身のまわりを整理すると気持ちがスッキリし効率よく作業ができます。必要なものが見つかりやすく、探すたびに集中が途切れるという問題も解決できます。
イライラを落ち着かせたいときのブレンド
仕事や家事がうまくいかなくてイライラしてしまったときは、ラベンダーとフランキンセンスのブレンドで一息つきましょう。やさしさの中にシャープさを感じる香りが心を穏やかに落ち着かせます。
うまくいかない日はシャワーだけで済ませず、アロマを入れたお風呂でゆったり過ごしましょう。天然塩大さじ1杯に精油1~5滴を足したものを浴槽に入れてよくかき混ぜるだけで、簡単に実践できます。汗とともに1日の疲れを洗い流してくださいね。
1日の緊張をほぐしたいときのブレンド
慣れない会議やプレゼン、初対面の人と会うなど緊張が続いたときにおすすめのブレンドはラベンダーとベルガモットです。フレッシュさと華やかさをあわせ持つ穏やかな香りが漂います。
緊張するシーンが続くときはラベンダーとベルガモットの精油を缶入りのアロマストーンやハンカチ、ティッシュにつけ、香りを嗅いで落ち着きましょう。また、軽いストレッチをすると身体のこわばりが取れてリラックスできます。
1日の終わりにリラックスしたいときのブレンド
がんばった日の夜はラベンダーとオレンジの香りでゆったりして次の日に備えましょう。フレッシュで温かみのある香りがプレッシャーから解放し心に余裕をもたらします。
寝ても疲れが取れないと感じるときは睡眠環境を整えましょう。寝る前のスマホはオフにして、川のせせらぎや鳥の鳴き声などヒーリングミュージックを流すとリラックスできます。毎日何気なく使っている枕の高さや布団の重さが睡眠の質をさげる原因になっていることも。環境を見直して、質の高い睡眠を目指しましょう。
いつもと違う自分になりたいときのブレンド
休日は仕事のことを忘れて、自分らしく過ごしたい。そんな願いを叶えてくれるのがフランキンセンスとベルガモットです。ふんわりとした上品な香りがワンランク上の自分を演出します。
さらに印象を変えたいときは髪型を変えてみませんか? 前髪の分け目を変えるだけでも雰囲気がガラリと変化します。おでこを出したスタイルは表情が豊かに見え、明るい印象をもたらします。やさしい雰囲気に見せたいときは横に分けて、クールな印象を残したいときはセンターパートにするなど工夫してみてはいかがでしょう。
アロマディフューザーの選び方
アロマを楽しむグッズの一つにディフューザーがあります。欲しいなぁと思っていても、種類が多すぎてどれを買えばいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
今回は代表的な3種類のディフューザーのご紹介とメリット、デメリットを解説します。購入時の参考にしてみてください。
超音波式ディフューザー
超音波式のディフューザーは超音波で水をミスト状にして、香りを拡散するアイテムです。使い方は内部の容器に水を入れて精油を3~5滴垂らします。気分に合わせて香りをブレンドするなど、バリエーションが楽しめます。
メリットは部屋のすみずみまで香りが広がることです。自室だけでなくリビングなど広いスペースで使用できます。インテリア性が高いのが特徴でおしゃれな照明に加え、スピーカーがついたものもあります。好きな音楽と香りに包まれながら至福の時間が味わえます。
デメリットはディフューザー内の水をそのままにしているとカビや雑菌が発生する可能性があるため、容器を洗う必要があることです。水の交換時、もしくは2、3日に一度ていねいに洗うと清潔にキープできます。
加熱式ディフューザー
加熱式ディフューザーは電気式とキャンドル式の2種類あります。どちらも付属の受け皿に少量の水と精油3~5滴垂らしてライトやキャンドルの熱で香りを広げる仕組みです。
メリットはキャンドルやライトの淡い光に癒やされること。香りとのハーモニーでリラックス感が高まります。香りが広がりすぎないので、寝室、バスルーム、自分だけのお気に入りスペースでリフレッシュできます。
デメリットはキャンドル式の場合、火をつけたままにしないよう注意が必要なことです。寝室で使うときは電気式を選んでください。寝る15分前にスイッチを入れておくのがおすすめ。ベッドに入るときに心地よい香りが楽しめます。
アロマストーン
アロマストーンは素焼きの陶器や石こうでできたアイテムです。ストーンに好きな精油を直接垂らして使用します。
メリットはキャンドルや電気を使わないので安全なことです。玄関やお手洗いなど、人の出入りが少ないところに向いています。容器を洗う必要もないため、アロマを簡単に取り入れたい人にもおすすめです。持ち歩き用のグッズを使うと好きなときにリフレッシュできます。
デメリットは香りが拡散されないため、香りを感じる範囲が狭いこと。デスクまわりに置いて集中力やモチベーションを高めたいときに向いています。部屋全体に行き渡らせたいときは超音波式のディフューザーを使うとよいでしょう。
効果的にリフレッシュをするためのアロマの注意点
心地よく快適なアロマライフを楽しむためには健康状態や使い方に配慮が必要です。
精油は植物の香り成分を高濃度含有しているため、原液を肌につけないように希釈して使用します。また、目などの粘膜は肌よりデリケートな部分です。精油がついた手で目をこすらないように気をつけてください。
妊娠中は体調に考慮して使用し、クラリセージ、ローズ、ジャスミン、フェンネルなど女性ホルモンに影響のある精油は避けてください。また、3歳未満の幼児に対して芳香浴以外は行わないように気をつけましょう。子どもが誤飲しないよう、保管場所に配慮することも大切です。直射日光の当たらない冷暗所に保管すると精油の劣化も防げるのでおすすめです。
アロマを使って効果的にリフレッシュを
今回はアロマがリフレッシュに効果的な理由と最初に揃えたい精油、お悩み別のブレンドやあると便利なアロマグッズを紹介しました。
アロマはストレス社会の中で生きる私たちをサポートする素晴らしいアイテムです。 使う場所や気分に合わせて楽しんでくださいね。