米Microsoftが7月26日(現地時間)に発表した2022年度第4四半期(2022年4月〜6月)決算は増収増益だったが、売上高・利益ともにアナリストの予想平均を下回った。PCの低迷に加えて、ドル高の急激な進行によって売上高が6億ドル近く、1株利益が0.04ドル押し下げられた。

4〜6月期の売上高は前年同期比12%増の519億ドル。純利益は167億ドルで同2%増。1株利益は2.23ドルだった。市場予想は売上高524億ドル、1株利益2.29ドルだった。以下は部門別の売上高。

More Personal Computing

売上高143億6000万ドルで前年同期比2%増だった。

Windows OEMは前年同期比2%減。7月11日にGartnerが発表した2022年4〜6月期の世界PC出荷台数(推定値)は7201万台で前年同期比12.6%減。これは過去9年で最大の減少。サプライチェーンの混乱、昨年後半から続く巣ごもり需要からの反動による減速に加えて、インフレによる生活コストの上昇から個人がPCの購入を控える傾向が強まっている。

Windows Commercial製品とクラウドサービスは同6%増、Microsoft 365の需要が伸びを牽引した。

Surfaceの売上高は前年同期比10%増だった。大きな新製品はなかったが、低迷するPC市場においてSurfaceはビジネス向けが好調を維持した。

Xboxハードウェアは前年同期比11%減。Xboxコンテンツおよびサービスは同6%減だった。Xbox Game Passサブスクリプションは伸びを維持したものの、サードパーティタイトルおよびファーストパーティタイトルのエンゲージメントとマネタイズが減少した。ゲーミング全体では同7%減だった。

Productivity and Business Processes

売上高166億ドルで前年同期比13%増だった。コマーシャル向けOffice製品/クラウドサービスの売上高が同9%増。Office 365のコマーシャルシート数が14%増加し、売上高が同15%増だった。コンシューマ向けOffice製品/クラウドサービスは同9%増。コンシューマ向けMicrosoft 365の契約者数は5970万人、前期から130万人の増加。

Dynamics製品およびクラウドサービスは売上高が前年同期比19%増。Dynamics 365は同31%増だった。

LinkedInの売上高は前年同期比26%増。顧客の広告支出の減少からMarketing Solutionsが減速した。LinkedInセッションは同22%の増加、エンゲージメントが過去最高だった。

Intelligent Cloud

売上高209億1000万ドルで前年同期比20%増だったが、ドル高の影響でアナリストの予想(211億ドル)を下回った。サーバー製品およびクラウドサービスの売上高は同22%増。Azureは同40%増、使用量ベースのサービスに対する強い需要が伸びを牽引した。サーバー製品の売上高は同5%増だった。