パナソニック コネクトは、360度カメラとマイク、スピーカーを一体化したオールインワンWeb会議用システム「PressIT360」(プレスイット サンロクマル)を8月に発売する。価格はオープンプライス。
パナソニックの映像表示装置、放送・業務用映像システム、音響機器事業で培った技術を結集した業務用製品。働き方改革やコロナ禍において普及しつつある、リアルなオフィスワークとオンラインなどのリモートワークをミックスした“ハイブリッドワーク”だが、ハイブリッドWeb会議では参加している社員の様子がわかりにくく、参加者同士のつながりを保つことが難しいなど多くの課題がある。同社では、ハイブリッド会議におけるさまざまな課題を解決し、コミュニケーションの活性化や生産性の向上を目的として、同製品を市場投入する。
PressIT360の本体には、2,560×1,440ドットのカメラを4基備え、水平360度を撮影可能。会議室の中央に配置すると、どの席の参加者の様子も高画質かつ臨場感ある映像で配信できるという。「分割ビュー」、「一人ビュー」、「集合ビュー」、「全周ビュー」、「固定ビュー」の5種類の映像モードを切り替えて、コミュニケーションに最適なカメラレイアウトで会議を進行できるようにした。ホワイトボードなど会議室の一方向のみを固定表示するモードは、単独カメラで撮影することで、歪みの少ない映像で視認性を高めている。
また、画像と音声認識により、360度の範囲で人や音声を感知し、AI機能で発言者に映像をフォーカス。リモートワークの参加者も表情や身振りをリアルな会議室に近い感覚で認識でき、発言のタイミングをつかみやすくなることから、参加者同士のつながりを感じる会議を実現できるとのこと。
さらに、7個のマイクで水平360度の広範囲をカバーし、半径最大5mまで音声認識可能。エコーやノイズキャンセリングと音量均一化機能を搭載し、雑音やハウリングなどの音声トラブルをなくして参加者の声が聞こえやすいよう調整するなど、クリアな集音・拡声を追求している。
USB Type-Cケーブル1本で電源供給とパソコンへの映像・音声データの伝送が行え、ACアダプターやカメラ、マイク、スピーカーを個別に接続する手間を省いた。USB音声フォーマットはUSB Audio Class(UAC) 1.0をサポートする。
本体操作部のボタンで音量操作や映像モードの切り替えが行える。本体下部のLEDリングでカメラやマイクのオン/オフなど、現在の動作状態を発光色で分かるようにした。
製品に「PressIT360アプリケーション」を内蔵しており、PCにインストールしてカメラの映像コントロール(ズームイン/アウト、上下左右の移動)や、画質調整、スピーカー動作テストなどが行える。本体ファームウェアアップデートも可能。対応OSはWindows 10/11とmacOS。
本体底面に1/4インチサイズのネジ穴を備え、三脚にも固定できる。セキュリティーワイヤーをつなぐNoble Wedgeロックのセキュリティスロットも装備し、機材保護にも配慮した。
ACアダプターによる電源供給もできる。スピーカー出力は、USB-C給電時が1.5W、ACアダプター接続時が3W。操作部を除いた本体サイズは64×285mm(直径×高さ)、重さは約950g。