ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)は7月21日、従来の加熱式たばこ専用デバイス「glo(グロー)」よりも本体を小型化・軽量化した「glo hyper X2」(1,980円)を発表。
世界に先駆けて、全国のgloストア、glo&VELOオフィシャルオンラインショップでは7月25日より、全国のコンビニや一般たばこ販売店では8月15日より順次発売。なお、glo&VELOオフィシャルオンラインショップでは、1,480円(送料別)で発売する。
加熱速度や加熱技術の性能はそのままに、新たにブーストボタンや「新シャッタードア」、「新LEDインジケーター」を搭載し、洗練されたスタイリッシュなデザインを特徴とする「glo hyper X2」。発表会ではBATジャパン社長ジェームズ・山中氏らが、同製品や同社の取り組みなどを語った。
新たなデザインと機能性を実現
「glo hyper X2」では従来の「glo hyper+」と同様の誘導加熱技術(IH)を採用しながら、「glo hyper+」と比較して13%の本体サイズ削減と7%の重量軽減を実現。持ち運びやすさを向上させた。glo hyper用たばこスティックを引き続き使用する。
「glo hyper X2」は「ブーストボタン」を新搭載。通常モードと比べて、より高い温度でより素早く加熱することを可能にする加熱モード「ブーストモード」だが、glo史上初めてそれぞれの専用ボタンを独立させたことで、自分に合ったお好みの加熱モードを簡単に選びやすくした。
また、使用中の加熱モード・起動時間・充電時間が一目でわかるように改良した「新LEDインジケーター」、上部のカラーを回すことでシャッタードアを開閉する「新シャッタードア」の2つの新機能を採用。ユーザビリティの向上を追求している。
洗練されたスタイリッシュなデザインは、「高級感のある現代的なデザインに大きく影響されて、成人喫煙者は紙巻タバコから加熱式たばこ製品への切り替えを検討する」というグローバル消費者インサイトに基づくもの。全体設計を一新し、マットとメタリックの2つの異なる素材を組み合わせた、バイカラーのデザインとした。
カラーラインナップはミントブルー、メタルブラック、メタルオレンジ、ホワイトゴールド、ブラックレッドの5種類。多彩で豊富なカラーバリエーションを展開することで、個性や好みに合わせたデバイスを楽しめる。
10年弱で「glo」は数十億ドル規模のブランドに
「glo」は2016年に日本で初めて初期モデルを発売。以来、加熱時間の短縮や最高加熱温度の向上、ブーストモードの搭載など、たばこの満足感やユーザビリティ向上を目的に、継続的な製品アップグレードを実施してきた。
BATグループでは20歳以上のたばこユーザーに向けて「glo」をはじめ、非燃焼式かつリスク低減の可能性を秘めた製品ラインナップの拡充を進めている。「2021年にBATグループ全体として売上高成長のほぼ半分は燃焼式製品カテゴリが占めるまでになりました」とは、BATジャパンのジェームズ・山中社長。
「glo hyper X2」の投入で日本市場での“たばこハームリダクション”、非燃焼式製品への移行を促進するとした。
「昨年末にはグループ全体として1,940万人の消費者に、『glo』を含む非燃焼式製品、新カテゴリの製品を届けることができました。日本は『glo』が世界で初めてローンチされたBATグループにとって重要な場所です。そのユーザーは現在約320万人を突破し、現在、日本での売上の約50%が『glo』によるものです。直近では『glo hyper+』によって、その成長はさらに牽引され、『glo』の日本のたばこ市場全体でのシェアは7.4%に達しています」(山中氏)
ロンドンから来日したBATグループの最高マーケティング責任者であるキングズリー・ウィートン氏は、「燃焼性製品の深刻な健康リスクを回避する唯一の方法は禁煙することです。科学に裏付けられたこれらの新製品にリスクが全くないわけではありませんが、我々は大人の喫煙者により良い選択肢となる製品を提供するという、明確な戦略を持つ会社です」と挨拶。
「A Better Tomorrow(より良い明日)」を築くことをパーパスに掲げ、グループ全体で非燃焼式製品のマルチカテゴリーポートフォリオを推進する同社の戦略について、次のように述べた。
「私たちは販売する製品で事業を定義するのではなく、消費者のニーズを満たす事業を進め、消費者向けの製品事業の変革を加速させています。それを可能にする重要な原動力のひとつが消費者インサイトです。BATはビッグデータを使ったトレンド予測で、消費者が紙巻たばこからより良い代替品、非燃焼式製品に切り替えを促すような製品を開発しています」(ウィートン氏)
BATグループでは2017年から研究開発に年間3億ポンド以上を投資。2013年のベイパー(電子たばこ)デバイスの発売以来、モダンオーラル製品「VELO」、加熱式タバコ製品「glo」といった非燃焼式製品を展開する。この10年足らずでベイパー製品「Vuse(ビューズ)」と「glo」は、数十億ドル規模のブランドに成長したという。
「当社の新カテゴリ製品のポートフォリオは、より高い価値とたばこ体験を提供しており、確かな品質基準が設けられています。たばこハームリダクションというミッションの遂行には、科学的なデータの裏打ちが不可欠です。我々は世界中で1,500人以上の研究開発の専門家を抱え、世界レベルでイノベーションを生み出し、これら製品のリスク低減の可能性を立証する研究を進めきました」(ウィートン氏)
「『glo hyper X2』への期待はとても大きい」
本発表会で「glo hyper X2」の特徴や性能を解説したBATジャパンのエマ・ディーン副社長は、質疑応答の際に「これまでのhyperシリーズを踏襲しながら新たな変化・進化を『X』で表現した」と、新デバイスの名前の由来を紹介。
「日本は他の国と比較しても加熱式たばこが非常に大きな市場になっています。ハイパープラスを2021年にローンチした時も大きな事業成長が見られており、『glo hyper X2』でその成長率を加速させていきたい。期待はとても高いです」と語った。
「glo」ブランドは現在26カ国で展開されており、日本を皮切りにイタリアやポーランド、ルーマニア、カザフスタンなど、世界の「glo」ユーザーに向けて今後、数カ月の間にグローバルで「glo hyper X2」を展開していく予定だという。
プレゼンで「6年前から行ってきたように、今回の日本での発売データなど、全てのインサイトをグローバルな文脈で活用し、全世界でこのセグメントを成長させていきます」とも語っていたウィートン氏。
各製品カテゴリの住み分けについて問われると、「非燃焼式製品へ移行してもらうため、マルチカテゴリの戦略で選択肢の提供を進めていますが、それぞれに市場と消費者、そして規制があり、規制は市場によって変わります。アメリカではベイパーの利用が進んでいますが、東ヨーロッパなどでは加熱式が人気です」と、説明した。
また、この10月に日本で加熱式たばこへの増税を踏まえ、見解を求められたジェームズ氏は、「紙巻たばこからgloカテゴリに移行を後押ししていきたいと私たちは考えています。これはBATのグローバルな方針で、日本のたばこ税の税率も健康被害の度合いに連動すべきだと思っています。今年10月の増税に関しては、ここでは深く言及できませんが、今後もステークホルダー、政府関係者、業界全体としっかり連携していきたい」と、コメントしていた。