先日寄稿したMicrosoft 365 Familyの記事について、読者から情報提供をいただいた。Microsoft 365 Personal契約中にMicrosoft 365 Familyライセンスを追加すると、残りの期間がMicrosoft 365 Familyに追加されるという。

たとえばMicrosoft 365 Personalの残り期間が6カ月の状態で、Microsoft 365 Family 12カ月に切り替えると18カ月まで利用できる。筆者は見落としていたが、公式サポートページで明示されていたようだ。Microsoft 365 Familyへの移行を考えている読者諸氏には有用な情報なので、今回ご紹介した。合わせて情報提供いただいた読者の方にもこの場を借りて感謝したい。

さて、Microsoftが現地時間2022年7月13日にリリースしたWindows 11 Insider Preview ビルド25158は、タスクバーの検索体験を改善するため、複数の選択肢を用意している。現在のWindows 11 バージョン21H2は検索アイコンのみ、Windows 10は検索アイコン/検索ボックスの2種類を選択できるが、Windows 10と同様の選択肢と視覚効果を加えたようだ。筆者の環境にはまだこの機能は展開されておらず、詳細は不明だが、Microsoftは「一部のデバイスはタスクバーの検索に異なる視覚的な処理が適用される」と説明している。

  • ビルド25158で加わった検索アイコンの視覚効果(画像はすべて公式ブログから)

現地時間2022年7月20日リリースのビルド25163では、タスクバーのオーバーフロー機能が加わった。起動中のアプリが増えてタスクバーの表示領域が狭くなると、一部のアプリアイコンが浮き上がったミニタスクバーに遷移されるというものだ。こちらも筆者の環境には未展開。Microsoftは「(タスクバーの)スペースが限られているときに、より生産的なスイッチングと起動の体験を提供するために考え抜かれた」と述べている。

  • ビルド25163のタスクバーフローティング機能

いずれの機能も実験段階であり、ユーザーのテレメトリー情報やフィードバックを踏まえて改良を重ねる段階のため、ここで評価はできない。実際に試してみれば想像以上のUXを得られる可能性もある。だが、筆者個人としては「これではない」感でいっぱいだ。検索ページは「Win」+「S」キー(もしくは「Q」キー)で呼び出せばよく、タスクバーの表示領域を狭めるテキストボックスは不要に思える。仮にテキストボックスをフォーカスしても検索ページを開かず、小さなウィンドウ内で検索結果を示すのであれば、使い勝手も変わってくる。

タスクバーのオーバーフローは通常のタスクバーと同じく、ジャンプリストやアプリ独自のメニューが使えるとの説明があるのだが、タスクバーが持つ「起動中のアプリを把握」するという目的から脱線するのではないだろうか。ただ、オンライン発表会でプレゼンターのデスクトップが映し出されると、山のようにアプリをピン留めしているタスクバーを見かける。まさに「使い方は人それぞれ」だが、多くのアプリをピン留めしてタスクバーが狭くなっている環境には有用なのかもしれない。

Windows 11のタスクバーは、長年にわたってWindowsユーザーが自由に配置できたデスクトップの上下左右、およびマルチディスプレイ環境下で任意のディスプレイにタスクバー配置する機能を無効にした。今回取り上げたタスクバーの改良がWindows 11のUX改善に役立つものならいいが、Microsoftの取り組みを発展的と見るか迷走していると見るか意見が分かれるだろう。