JR東海は、在来線車両において検修(検査・修繕)の実績と検査計画等を管理している在来線車両検修管理システム「アクロス」(ACROS)の更新にともない、検修データを完全電子化し、画像の自動診断技術導入による検修作業の信頼性と効率性の向上を実現すると発表した。「アクロス」の更新は2024年10月を予定している。

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検修データの完全電子化により、タブレットやスマートフォンを導入し、検修結果の記録を電子帳票と音声入力に切り替えることで、すべての検修データの電子化を実現。全検修データを電子情報として蓄積できることに加え、これまで人が実施していた検修結果の確認を自動的に判定できるようにし、作業の信頼性と効率性を向上させる。

画像の自動診断技術の導入により、一部の車両部品の検査において、人による検査を画像診断に置き換え、作業の信頼性と効率性を向上させるとのこと。データ・写真等の検修に必要な情報共有にLTE通信を活用することで、災害時等で臨時に遠隔地での検修が必要となった場合も、車両区などで行う検修と同じような作業が可能となるほか、現地の状況を指令とリアルタイムに共有でき、指令から現地への支援が可能となる。

今後、「アクロス」で検修データがすべて電子化され、蓄積されるようになるため、すでに稼働している在来線車両状態監視システム「DIANA」と合わせて活用することにより、豊富なデータをもとに機器の劣化傾向を把握するとともに、メンテナンスにおいて最適な検査項目や取替周期を追求していくという。人による検査から画像診断への置換えを拡大することで、作業の信頼性を高めるとともに、効率的な検修業務を実現する。