女優・タレントの岡田結実が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、24日に放送される『片付けられない部屋 ~ゴミの中に埋もれた思い出~』。ゴミがあふれる部屋で暮らす若者に密着した作品だ。

その衝撃の光景に一瞬言葉を失ってしまうが、ゴミに見えるものは、彼にとって大切な人たちとの思い出だった。収録を終えた岡田は「めっちゃ気持ちが分かるんです」と強く共感したことを語る――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した岡田結実

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した岡田結実

■捨てたら、そのときの思い出もなくなる…

今回の主人公・みずきさん(26)は、10代で両親が離婚。長男として、親の夢でもあった「研究者」を目指すため、幼い頃からの猛勉強の末に、東京大学に現役合格。順風満帆に見えた人生だったが、成長と共に“かわいくなくなっていく”自分の姿に違和感を覚え、「自分を変えたい」と、大学入学を機に女性服を着るようになった。

しかし突然、変貌した姿を見た周囲の人たちは、次第にみずきさんから離れていく。「人は離れていくけど、物はずっとそばにいてくれる」という気持ちになり、人からもらったものを手放せなくなったみずきさんが住む都内にある家賃3万円台のワンルームは、足の踏み場もないほどのゴミであふれるようになった。

  • ゴミであふれるみずきさんの部屋 (C)フジテレビ

岡田は「私も中学生まで、足の踏み場もないくらいのレベルで部屋が汚かったんですよ。飲みかけのペットボトルを20~30本くらい溜め込んで、おばあちゃんが『汚すぎる!』って言って、それを全部片付けてくれるという最悪なことをしていて…。それから、人に片付けをさせるなんて人間として良くないなと思ってちゃんとするようになったので、胸を痛めながら見ていました」と、自分に重ねたのだそう。

みずきさんは「捨てるべきだって頭では思っているんですけど、いざ捨てようと思うと寂しくなっちゃうんですよね」と語るが、その考えに激しく共感。

「捨てちゃったら、そのときの思い出もなくなっちゃうんじゃないかと思って、私もいまだに使わないものでも取っておく癖があるんです。家族で使っていたキャリーケースを実家から持ってきて、5~6年くらい使っていなかったのに、捨てられなくて残していたんですよ。今まで家族旅行で行った場所のシールが貼ってあって、すごく思い入れがあったんです」

しかし、友人から「捨てても思い出がなくなるわけじゃないじゃん」と言われ、「心にグサッときて、写真を撮って捨てました」と、ようやく踏み切ることができた。

ほかにも、壊れてしまった靴を自分で直して履くみずきさんを見て、「私も、底の穴が見えてるのとか、いまだに履いちゃうので、めっちゃ気持ちが分かるんです」と共感。それだけに、みずきさんを見て、「ものを捨てられない方は、離れるのが怖い方なんだと思うんです。人との友情とか絆とか思い出が離れてしまう怖さが分かっているからこそ、ものだけでなく、人との縁に対しても敏感な方なんだと思いました」と理解した。

■ナレーションを読みながら「心が苦しく」

そんなみずきさんが本音を打ち明けられる理解者が、親友のミクさん。ゴミで埋もれた部屋の片付けを親身になって手伝い、背中を押してくれる存在だ。

  • みずきさん(右)と親友のミクさん (C)フジテレビ

この関係性については、「1回できた縁にしがみつきたい気持ちも分かるから、ミクさんとの友情は、一生大切にしてほしいなと勝手に思ってしまいました。胸の内を明かすって恥ずかしいことだと思うんですけど、それを受け止めてくれるミクさんがいるのはすごく大きいですよね」と話し、「だから、片付けをしているミクさんがちょっとイライラしているのを見ると、ナレーションをしながら心が苦しくなりました(笑)」と振り返った。