モリサワは、2022年秋にリリースする新書体のラインナップ74ファミリーを発表した。
すでに発表のあった和文デザイン書体などの強化に加え、「オーガニック&ディスプレイ」「クラシカル&スタンダード」「Roleスーパーファミリー」「Clarimo UDシリーズ」といった4ジャンルの欧文書体49ファミリーからなる、合計74ファミリーを追加。
近年、欧文をはじめとした多言語併記が必要な場面も増えていることから、モリサワは今後も欧文書体を充実させることで、欧文を使った豊かなデザインを可能にしていくとコメントした。
オーガニック&ディスプレイ
オーガニック&ディスプレイは、有機的なデザインが目を引くスタイルや強いインパクトを持つ見出し用途の書体がそろうジャンル。
平筆の書風から着想を得た現代風のセリフ体「Areon Pro(アレオン プロ)」や、書簡の筆跡を参考にデザインされたフォーマルな印象のスクリプト体「Abelha Pro(アベーリャ プロ)」など、モリサワ主催の書体デザインアワード「タイプデザインコンペティション」で入賞した実力作品のほか、太いマーカーペンで書いた文字の形から着想を得たサンセリフ体「Tapir Pro(タピアー プロ)」など、12ファミリーを追加する。
クラシカル&スタンダード
クラシカル&スタンダードは、上品さを感じさせる伝統的なスタイルや、シンプルで汎用性の高い書体がラインナップされたジャンル。
15世紀の活字にインスパイアされたオールド・ローマン体「Pietro Text Pro(ピエトロ テキスト プロ)」や、オンスクリーンでの利用を想定したシンプルかつジオメトリックなサンセリフ体「Prelude Pro(プレリュード プロ)」など20ファミリーが登場する。
Roleスーパーファミリー
アメリカで先行リリースされていた「Role」12ファミリーを、国内でも新書体としてリリース。Serif、Sans、Slab、Softの4つのスタイルと、Text(本文用)、Display(小見出し用)、Banner(大見出し用)といった3つのサイズシーンを持つ書体群だ。
200書体すべてをPro仕様で提供。豊富なスタイルやウエイト展開をもつため、統一感のあるコンテンツ制作や、多様な展開を要するコーポレートアイデンティティーの制作などに最適な書体だという。
Clarimo UDシリーズ
「Clarimo UD PE」に、Narrow / Condensed / Extra Condensed / Compressed / Extra Compressedと5段階の長体率のコンデンス書体を5ファミリー追加。
元となる「Clarimo UD PE」は、シンプルで汎用性の高いサンセリフ体。UD新ゴとの併記を目的に開発されたUDフォントとして、可読性を重視している。このシリーズは欧文以外も豊富な言語で展開しているため、書体のデザインを多言語で統一したい場面に活用できる。
これらの書体は2022年秋以降、対象製品を通じて利用可能。個別の書体の解説は、モリサワ公式noteにて行っている。