ダイキン工業は7月20日、蒸し暑い夏に「湿度コントロール」が重要となる理由の解説、およびエアコンを上手に使いながら快適に過ごすためのポイントを公開した。

  • 熱中症のリスク評価に使われる「暑さ指数(WBGT)」(出典:ダイキン工業「空気の困りごとラボ」)

湿度と熱中症は密接に関係し、同じ気温でも湿度が高い方が熱中症になりやすいと言われている。

熱中症の予防を目的に、環境省は気温、湿度、輻射熱の3つの要素を取り入れて熱中症の危険度を判断する指標「暑さ指数(WBGT)」を提供。これら3つのうち、湿度がおよぼす効果が最も高く、屋内外ともに湿度がおよぼす効果が全体の7割を占めるという。つまり、湿度が高い時ほど熱中症への注意が必要と言える。

ダイキンの調査によると、65歳以上の約4割が夏場にエアコンの使用を控える傾向があるうえ、高齢者は暑さを感じにくくなると言われていることから、気付かないうちに重篤な熱中症になってしまう可能性もある。そのため、温湿度計で室内の状態をチェックすることや、エアコンを適切に使うように高齢者に呼び掛けることも大切だとしている。

一般的なエアコンには、温度を下げるための「冷房」と湿度を下げるための「除湿」の機能が搭載されており、室温や外気温などを確認しながら使い分けることで、より快適な空間を作ることが可能。特に、気温も湿度も高い日は、気温だけでなく湿度を下げることも大切。28℃を目安に室温を下げても暑さを感じるときは、湿度50〜60%を目安にコントロールするように勧めている。

横浜国立大学の田中英登教授監修のもと、ダイキンが20〜60代の男女12名を対象に、湿度の違いによる皮膚温度の違いを比較する実験を実施。室温28℃の環境下で、湿度85%から60%に変化させたときの状態を測定した結果、温度が同じでも湿度を下げると皮膚温度は下がり、快適性が上昇する傾向が確認された。なお、湿度が20%変われば体感温度は4℃変わると言われているとのこと。

  • サーモグラフィを使った可視化検証試験の結果。温度はそのままで湿度だけを下げると…

同じ温度でも、湿度が高い(85%)と暑く不快に感じ、湿度が低い(60%)と快適に感じることが男女ともに観察されたという。その理由は、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、十分に体温を下げることができずにさらに汗をかき、より暑く感じてしまうため。つまり、同じ温度でも湿度をコントロールすることで熱中症対策につなげられる。そのため田中教授は、普段から温度と湿度をチェック して、湿度が高い日にはエアコンの使用を心がけるよう呼びかけている。

  • ダイキンソリューションプラザ「フーハ東京」では、湿度の違いでどれくらい体感温度は変わるのかを体感できる

なお、ダイキンソリューションプラザ「フーハ東京」(新宿・都庁前)では、高湿度の部屋と低湿度の部屋を再現でき、湿度の違いで体感温度がどのように変化するのかを実際に体感できるということだ。